自分に合った生き方・働き方の実践|LACユーザー・塚田エレナさんインタビュー
レトロな町並みを横目に伊豆急下田駅から徒歩5分の場所に「LivingAnywhere Commons伊豆下田」(以下、LAC伊豆下田)はあります。
LAC伊豆下田は、住居と交流の場を兼ねた「レジデンススペース」と、ワークエリアやレストランを兼ねた「NanZ VILLAGE」の2つのスペースに分かれています。
今回お話をうかがう塚田エレナさんは、LACで多拠点生活しながら2020年に下田でデジタルコミュニケーションを行うELENTO合同会社を起業。
常に笑顔が絶えないLACユーザーの塚田さんに、これまでの経緯や下田で起業しようと思ったきっかけについてうかがいました。
もっと自由になりたかった。周りに言うことで道は拓けた
▲レジデンススペース前にて
ーー昨年、下田で起業されたとのことですが、その前はどんなことをされていたんですか
2019年の夏まで東京でPRエージェンシーで会社員をしていました。
仕事は好きだったので楽しかったですが終電帰りも多く、朝から夜までオフィスで働くという生き方にストレスを感じることもありました。
「転職して副業でもしようかな」と思っていたところ、周りからワーホリを教えてもらって。ワーホリは31歳の誕生日までしか行けないので今行くしかないと!
ちょうどそのタイミングで、海外でリモートで働いても良いよとお声がけをいただけて、そのままその年の9月くらいからはベルリンに行っていましたね。
好きだった仕事を継続しつつ、今はかなり自由に働けています。
ーーすごく行動的ですね!働き方に疑問があっても行動に移せない人が多い中、塚田さんがやりたいことができている理由ってありますか
とにかく周りに言うようにしていましたね!
会社員の時だったら、まだ何も決まっていなくても「副業したい」「海外行きたい」って周りに話す。そうしたら周りが背中を押してくれたり、フリーランスのお仕事を頂けたりして、道が拓けて行きました。
ーーLACはどうやって知ったのですか?
昨年コロナになってヨーロッパの移動が難しくなってきてしまい…。それで一時帰国しました。
これからどうしようかなと思っていた時に、ベルリンでできた友達からLAC下田のイベントに誘われて。そのイベントがすごく楽しかったし、ずっと実家にいても勿体無いと思ってLACでの多拠点生活をスタートしました。
LACは全拠点に行きましたね。
コミュニティー重視だからこそ繋がりが広がる
▲レジデンススペース前のテラス。晴れた日は日向ぼっこが最高に気持ち良さそう
ーー全拠点行かれたんですね。LACの魅力はどんなところですか
コミュニティを重視しているところです。多拠点施設は他にもいくつかありますがLACほどコミュニティ重視なのは珍しいです。
単なる多拠点生活の場所っていうだけではなくて、その場所で色々な人と関わり合いができる。人間レベルの深い付き合えるところが魅力です。
ーーLACでコミュニティが作れるのはどうしてなのでしょうか
コミュニティマネージャーさんがいるのが大きいですね。
LAC伊豆下田であれば元々地元の方や移住されてる方がコミュニティマネージャーをされていて、地域とLAC利用者を繋げてくれます。
「こういうことをやってみたい」というものがあれば、それにマッチする地域の方をご紹介してくれたり。会津磐梯のコミュニティマネージャーは地域おこし協力隊の方で、農家の方や行政との距離が近いんです。
前職でお世話になった先輩に”Hangover Plate”という朝ごはんのワンプレートを投稿するインスタアカウントを運営しているチームがいるんですけど、そのチームにLAC会津磐梯を紹介したところ、磐梯の農家チーム「ばんだいジオファーマーズ」とLACと協働して食の面から磐梯を盛り上げようというプロジェクト「ジオピザプロジェクト」が発足しまして。
現在は、磐梯町の官民共創プロジェクト認定制度「宝ラボ」の第一号プロジェクトとして認定して頂き、町のバックアップのもと活動しています!
LAC利用者同士で仕事のやり取りをすることもありますよ。私が起業した時も会社のロゴを作ってもらったりしました。
ーーお仕事も協働するって絆が深いですね
そうですね。LACはコミュニティーができるから、そこで繋がりができる。LACに来る人は同じ方向を向いている人が多いのも仲が深まる理由かもしれません。
長く一緒に生活していると人となりも見えてくるので、その子が得意そうなものはお願いしたり、逆に私が他の方の仕事を一緒にしたりとか。
LAC利用者同士でも繋がりができるし、地元の方とも繋がりが広がってどんどん下田に仲間ができていきました。
下田が第二の故郷
▲下田の港町。ペリーロードもあり道は綺麗に整備されている
ーー昨年下田で起業されたんですよね
はい。それまで地方創生に関わることをしていたわけではないですし、下田にゆかりがあるわけでもない。だけどLAC伊豆下田をきっかけに下田にコミュニティーができて、ここに帰ってくると実家に帰ってきたような安心する感じがあるんです。
いつの間にか下田が大好きになっていていました。
下田でお世話になっている方や仲良くしてくれている方から、好きなこと、やりたいことがあるなら「まずは1度やってみたら」と背中を押してくれて。
起業の時もまず周りに「起業する」と宣言して(笑)
起業はやらないといけない手続きが多くてかなり大変でしたが、周りに言ったのでもうやるしかないんですよね。周りからの温かいサポートもあり、無事に下田で起業することができました。
私自身も会社員の時は30歳で起業するなんて考えていませんでした。転職して副業から始めようかな、30までにはフリーランスとして食べていたいな、くらいしか思っておらず。
東京にいたときはリスクを避けようとしてしたように思います。
「自分はまだまだ未熟だから起業するには早い」とか「失敗したらどうしよう」って。下田に来たおかげで、すべてにおいて「まずやってみよう」という姿勢になりました。そのおかげで新しいことにチャレンジする機会も増えましたね。
下田はコミュニティの温かさがある。だから私も「しもズブ民」になってここで起業したんだと思います。
ーーしもズブって何ですか?
「しもズブ」とは「不思議と下田の居心地の良さにハマっていくこと」です。
LAC伊豆下田に来た子たちが下田の居心地が良すぎて「もっと下田にいたいわ~」「それしもズブじゃん」という会話になって。それ、いいじゃん会社にしちゃえ!っていう勢いから、最終的に本当に「株式会社しもズブ」っていう会社が生まれまして(笑)。それくらいみんな下田が大好きですね。
▼「株式会社しもズブ」についてはぜひこちらの記事も読んでみてください!
遊びも仕事も全力で楽しむ
▲笑顔が太陽のようにキラキラ輝いている塚田さん。楽しさが伝わってくる
ーー普段はどんな風に過ごしていますか
8時くらいに起床してずっと仕事をしていますね(笑)
そうやって仕事に集中する日もあれば「今日は天気が良いから海に行こう」とかオンオフがはっきりしています。今度みんなでキャンプにも行くんですよ。
ーー遊びも仕事も楽しんでいますね
遊びと仕事で毎日忙しいです!
ワーケーションに誘われることも多くて全国各地に行くことがありますが、特にワーケーションに行っているときは忙しい(笑)
朝ダイビングして、休憩しつつ仕事して、そのあと違うアクティビティをしてとか。移動中の電車の乗り換えの空き時間にミーティングしたりもしています。
だけど下田に居るときは比較的落ち着いて過ごしていますね。私にとって下田はホームなので、心に余裕を持ってゆったり仕事に取り組めます。
ーーお話を聞いていると、すごく毎日が楽しそう!塚田さん自身もキラキラしてます!
今が本当に楽しくて。大好きな仕事は縛りをなくして自分に合った形でできているんです。
例えば、来週からみんなで西日本のLACを周るから今週は頑張って仕事をしようとか、三島に住みたいからシェアハウス契約しちゃおうとか、働き方・場所の縛りがなくて自由に動くことができる。そういう生き方・働き方が自分にあっていて、それが実践できている。
しかも下田を含め全国各地のLACに「ただいま」と帰れる場所がある。だから今が本当に楽しいんです。
ーー今後の目標、やりたいことを教えていただけますか?
やはり1番は会社のことです。昨年12月に会社を立ち上げたので、その会社を大切に育てていきたいと思っています。
実際に会社を起業したら、何だか子どもみたいに感じて。せっかく生んだ会社だから丁寧に、大切に育てていきたいです。
ただそれは規模を大きくしたいとか上場したいというわけではなくて。自分の会社でできることを増やしていきたいと思っています。
長く日本市場でのPRをしていましたが、海外でのPRのお仕事もいただけるようになり幅が広がってきました。さらに会社にしたことで、益々チャンスも増えてきいるのを肌で感じています。
こういった1つ1つのことを大切に丁寧に積み上げていきたい。「楽しい」を積み上げながら前に進んでいきたいです。
《塚田エレナさん》
Instagram:https://www.instagram.com/elenaaa10t/
Twitter:https://twitter.com/Elenaaa10t
自分に合う生き方・働き方の実践
下田といったら幕末の黒船来航をイメージする方も多いかもしれない。
伊豆急下田はどこからともなく情緒溢れる雰囲気で、降りた瞬間この場所に来れて良かったと思うほどである。
そんな情緒溢れる下田で、塚田さんは自分にあった生き方を実践されている。
漠然と今の生き方、特に働き方の面で疑問を持っていても、行動することができない人は多いのではないだろうか。
塚田さん自身も最初は「転職」という選択を考えていたが、周りの人にどんどん発信することにより道は拓け、好きな仕事を好きな場所でする、という今のスタイルに辿り着いた。
見通しがたってから動くのではなく、まず動いてみる。
動きながらトライアンドエラーで修正する。
そんな働き方の実践が変化の早い今の世の中にもマッチしていると感じた。
《ライター:吉岡のん》