その6)エッセンシャルワークの未来
ブルシット・ジョブが無くてもよい仕事なら、その逆はエッセンシャルワーク(必要な仕事)ということになります。
代表的な職種としては「医療従事者」「スーパー・コンビニ・薬局店員」「介護福祉士・保育士 」「区役所職員」「バス・電車運転士 」「郵便配達員・トラック運転手」「ゴミ収集員」といった、7つの職種が挙げられています。
これらの職種は資本主義経済という構造の中では、社会に必要とされているのに人材不足になりやすいそうです。責任が重かったり、賃金が安かったり、労働がきつくなりやすいというのが主な理由ですが、お金をジャンジャン儲けるという考えでは成り立っていないからというのが一番大きいようです。
AIやロボットが代替しそうな職種を省いていくと、残ってくるのは「医療従事者」「介護福祉士・保育士 」「接客業」など、ソーシャルワークが必要とされてくる領域になっていきます。接客業は無人化もできますが、人間による接客を望むものは機械よりも割高になるものの、残るでしょう。また、経営や研究開発、エンタメ、アスリートなどでプロフェッショナル人材が残るものの、中間管理職的な職業は無くなることになります。公務員は消防士や警察官など危険と責任が伴うものなどが残る可能性が高いです。
多くの仕事が消滅して、ベーシックインカムの社会になったとき、これらの残ったエッセンシャルワークに従事するのはどんな人なのでしょう。ベーシックインカムだけでは暮らしていけない、もっと収入がほしいと思った人たちがこの職につくのでしょうか。それとも人の役に立つ仕事だからこの仕事につくという考えの人が多いでしょうか。興味深いところです。
次回は、今までお話してきたことを前提に、ベーシックインカムになる未来はこうなっていくのではという予想をしていきます。良い方向もありますが、悪い方向も考えていきます。