2024年2月26日(月)

東芝、川崎の事業所に新たな研究開発拠点 量子・AI磨く

東芝は26日、小向事業所(川崎市)に新たな研究開発拠点「イノベーション・パレット」を開所したと発表した。原子レベルの物理学現象の原理を利用する「量子」技術や「人工知能(AI)」などの先端分野を扱う。施設内では社内外の技術者らが交流しやすいよう設計を工夫している。東芝は2023年12月に非上場化し、技術開発を基盤にした経営再建を進めている。

同日に開いた式典で、向井稔・研究開発センター所長は「イノベーション・パレット」からの新しい技術の種を創出し、人材も輩出していきたい。社会課題や期待にも応えていく」と述べた。24年1月から稼働する。施設は13階建ての高層棟と4階建ての低層棟で構成する。延べ床面積は約7マン3400平方メートル、投資額は約340億円になる。

無線技術や量子などの研究者に加え、パワー半導体事業の東芝デバイス&数とレージの社員など約3000人が新拠点に勤務する。専門分野の異なる技術者同士が交流したすいのが特徴で、議論やちょっとした会話のできる「止まり木」というスペースも設けた。

例えば、離れた場所へ電力を送る「無線給電システム」の分野では新たな実証設備を設置した。島田太郎社長は「想像以上に良い施設ができた」と話す。東芝はイノベーション・パレットを技術の重要要拠点と位置付けている。

【感想】

昨今落ち込みを激しく見せていた東芝だったが、新しい設備の情報が飛び込んできてこれは良いぞと思いました。専門分野が異なる物の「技術者同士が交流」ということは、現代のフリーメイソンのように感じます。フリーメイソンも初期は、職人・従弟などの集まりから始まったという歴史があります。この記事を読む限り、「イノベーション・パレット」はそこを拠点とする約3000人以外にも門徒を開いているようで、話したい・教えたい・知りたい人たちを繋ぎ、専門分野外からのアプローチを取り入れつつ新技術が生まれていく姿を想像に易い。
さて、社長が自慢げに話すくだんの建物はデザイン図はないだろうか。デザインをかじった者からすると、人間工学が生きた素晴らしいものなのだろうと推察します。ぜひ一般にもツアー公開してほしい。(昔、東芝の雷再現工場見学などに参加した思い出があります。)むしろ、入れる技術者をロッジの様に会員性にしてみてはどうだろうかと思います。今後の「イノベーション・パレット」情報に期待しています。