8月27日

8月で解約する、元の家の掃除に来た。
元家の方の掃除は連日だんなさんが担当してくれていて、ラストも締めてくれるはずだったのだけど、台風で予定がくるいそうだからということで、早めに私が来て風呂掃除などする。

パワーあるクレンザーの泡。気に入っていた天井の高い浴室は、通りを隔てる窓、トイレを隔てる壁にも窓、壁も水道管もオフホワイトのペンキの厚み、それで時間帯で影響をうける光の具合がいい。
引越し後に数回わたしもここに来ているのだけど、こんなに涼しい日は久しぶりで、少し部屋に佇む。
張っていた床板の下の畳は、カビなどもなく良い状態で保たれている。水道も電気も今月いっぱい。ガスだけが何かの間違いで、数日前に止まってしまったけど、シャワーは水で問題ない。

午前中は、羽田圭介の『滅私』を読み終わった。
ミニマリストから元来程遠いのだけど、ものを捨てるという問題は自分含め現代の多くの人にとって重い問題でもある。この数ヶ月、家の整理で追われすぎている自分には、なおさら効用を感じられる本だった。母が住んでいたこの家は、子供時代の私たちのものが保管されているというだけでなく、構え自体がちがう。何でも6セットずつあったり客人用があったり、さまざまな地層がみえる。引き継いだ自分には、後継もいないことが頭をよぎる。
この数日、売れる店を見つけたVHSのミュージックビデオを再生してみたりしていたのも、この本を読んでいたのがきっかけだ。
本当は、もう中を確認せずに店に持っていってみようと思っていた。
年季の入ったユニコーンのライブビデオ群はノイズが入っているけど、案外だんなさんも楽しんでくれる。

ダンボールがたくさんあるから、持ち腐れている大量のものの宛先を見つけて宅配買取や寄付できたことも、部屋のスペースと大きな支えをくれたけど、それに加えて、本に影響を受けられるような余裕を取り戻しはじめてる。


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