5月15日

気温が高い。緑があおあおとして、風が吹いている。
タイムシフトのエラーを正したつもりがそうなっていなくて、少しはぐらかされてしまった。人からしたら、私がはぐらかしていたわけだけど。

お昼に持参の牛すじカレーを食べて、狭い休憩室を出る。
保温マグをもって今日も畳ベンチに座る。奥の窓のすみに、揺れる木の陰が見える。

『センスの哲学』は、「センスと偶然性」から「時間と人間」へ。
「その一言に尽きるでしょ」という瞬間に、(この後半とくに)何度となくぶつかる。静かに、ざわつきながら、明日には読み終えてしまいそう。


 今日ビリビリきた言葉。

「自分がルール通りに弾けないことを、不足として捉えるのでなく、自分のピアノプレイの過剰だと捉えるように変えたんです。」

「生活において、目的がすぐに果たされず、あるいはわざとそれを遅延し、ぶらぶらして「時間をとる」ことは穏やかなサスペンスです。そういう「時間をとる」ことが芸術につながっている。」

ビリビリ、と
しみじみ、が交互に訪れる。

夜、予想外に雨音が聴こえてきた。明日にかけて強風がつづくみたいだ。
春らしい風がまだ吹くのだな。
疲れが抜けてないようで、お湯を張り乳緑色の湯舟とした。登別温泉。


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