2月14日
風が温い。
電車を降りて職場までの道は、ロータリーをぐるりと挟む程度の距離をビル風が吹きすさぶ道で、信号待ちでビル陰に風から隠れるほどのことも多い。
きょうはでも、態々あくびでもしたくなるくらい、ゆるやかだ。
まだ冬のコートだけど、昨日まではあいだに厚めのカーディガンを着ていて、今日はそれをぬいてきた。その分体も軽いし、身支度も手短でいい。
最近、詩に曲をつけたのを朗読してSoundCloudにあげてるひとがいて、すごくいいなと思う。「浜辺にひとつ」という詩。曲もジムオルークがソロでポロンと弾いてるような雰囲気があって、朗読をリズムがたどるような、時間に立体感がかんじられていいなと思ったのだ。もしくは、たま。なつかしい映画のような感じもあり擦れた映像が浮かんで、療養で横になっていたとき何度か繰り返し聴いた。詩に曲をつけるのは、今なんかあらためていいなと思う。
夕方、大学時代の恩師の不調を聞く。家族しか面会できない状態だと。
帰ったら休日中のだんなさんが、得意料理のシュークルートを作ってくれていた。酢キャベツと白ワインの酸味が効いていて、美味しかった。
いつもの味に安心することは、祈る気持ちに近い。