5月12日

連休の中日。
朝からずっと雨で、昨日干した毛布を壁寄りにしたまま取り込むタイミングを失っている。

夕どき、マーサ・ナカムラによる朗読会レポート「みみずくたちの夜」と、続いて朗読会で披露された川上未映子・村上春樹両氏の新作短編を読んだ。

レポートは、冒頭から臨場感に溢れている。

舞台袖に立つスタッフも、機材の調子ではなく、川上氏の声に耳と目を澄ませている。この舞台は全方位型だ。

耳から目なのだ、
と、場を捉える感覚が体に流れる。
詩人の目と体と手を通って再現された世界と実感、目の前が揺れるような、疑似体験。脳が揺れる。(擬似じゃないのではないか?)
舞台と会場で何かが起こっていた(のだろう)からこその言葉の数々…。
揃うものが揃うと凄いことが起きるのだと、読み震えた。

時間というのは日頃、それぞれに流れている。日記を書いているとなおさらそれを感じる。

集う。
時間に足並みをそろえる。
何かを起こそうと、用意して臨む。
何かが起きるのだと。

一回性の出来事と、ゆっくり切り出せる本という出来事がある。
本にも一読目の衝撃という一回性があるけど、目を滑らせるだけで読み直せてしまう。

少し外に出た。
マンション外壁の微妙な三層の色が気に入っている。夕どきになると、微妙な色が夕暮れのピンク色になって建物の内と外を照らしてくれる。
今日は一日、ずっと雨だった。濡れた外壁に、緑が潤う。

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