マガジンのカバー画像

アートのみかた

35
図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
運営しているクリエイター

#モロー展

【アートのミカタ26】モローGustave Moreau

【概要】悪女の達人モローという画家を語るには、「サロメ」について語る必要があります。 何故ならこの神話に登場する、どちらかというと母親にそそのかされた慎ましやかな娘が、モローの手によって悪女へと堂々イメチェンを果たしたからです。 サロメとは(詳しくはリンク先をご覧ください。) 洗練者ヨハネにイビられた女性が、腹立たしさの末に「あいつの首チョンパしたいわ」と娘に告げて。その娘(サロメ)が本当に皿に男の首持ってくるというエピソードがあります。 西洋絵画は得てしてあまり喜怒哀

【アートのミカタ】ジョルジュ・ルオーGeorges Rouault

【人物像】20世紀最大の宗教画家宗教画家と聞くと、無宗教の多い日本ではあまりメジャーな画家ではないかもしれません。 実際、「日本人が好きな画家ベスト5*」では、ルオーとは相反して印象派の名前が多く挙げられていました。 ルオーとは、そんな日本人が好きな印象派と同時期・同地域で活躍したアングラ画家だと思ってください。 キリストを正面から描いた代表作「聖顔」は数十点も残され、また銅版の連作「ミセレーレ」は圧巻です。 19世紀末20世紀初頭は、何と言っても大印象派ブームでした。