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アートのみかた

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図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
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2018年12月の記事一覧

【アートのミカタ13】フセイン チャラヤン HusseinChalayan

【人物】動く服?光る服?腐る服?斬新で先進的な服を追い求めるファッションデザイナー。 どれもコンセプチュアルな作品ばかりで、衣食住を満たすものという以前にアートであることを強く感じさせられます。 しかし同時に、その服にこめられた思いは自己表現の一端ではなく、社会や環境を投影し訴えかけるようなデザイン思考から形成されているのではないでしょうか。 ブランド「Hussein Chalayan」現在のChalayanを立ち上げ、今もエッジの効いた服を発表し続けています。 これまで

【アートのミカタ12】ジョルジュ・スーラ Georges Seurat

【人物】新印象派の点描画家19世紀の新印象派主義の画家として知られているスーラ。 『グランド・ジャット島の日曜日の午後』が象徴的で、明るい点描画を好んで描いていた画家と言えるでしょう。 とっても若くして(31歳)亡くなってしまったのですが、それを感じさせぬほど大作を世に残してくれました。彼が髄膜炎で倒れなければ、一体どれほど大きなな功績を残していたでしょうか。 「新印象派」と名前からわかる通り、彼は印象派(*1)の影響を大きく受けていました。彼が点描に行き着いた経緯や、これ

【アートのミカタ11】ルノワール Pierre-Auguste Renoir

【人物】後期印象派の紳士的絵画「日本人に愛される歴史的画家」の一人として知られているピエール・オーギュスト・ルノワール。「舟あそびの昼食」や「雨傘」などは、ひとめみてルノワールの作品だとわかるほどに、作品の安定した素晴らしさや彼の知名度は高いと言えるでしょう。 私は彼の風合いにとても紳士的な印象を受けます。 光をいっぱいに浴びた画面に、美しい女性像。人がごった返したような画面でも何故かスッキリと見れてしまうほど配慮された構図。気遣いがスマートで、しつこくないですね。 この

【アートのミカタ10】ルドゥーテ Pierre-Joseph Redouté

【人物】貴婦人に愛されたバラの画家ナポレオンやマリー・アントワネットなど、誰もが一度は聞いたことがある貴族の下で花の絵を描いていたのが、ルドゥーテです。美しさと正確な描写力により、植物学的にも高く評価されている珍しい宮廷画家と言えるでしょう。 また現代では絶滅したとされる品種の花も描いたとされ、その価値は益々価値を高めることでしょう。 最高峰とされる『ばら図鑑』は、ルドゥーテの作風や暮らしぶりをたっぷりと含んでいます。 これまでこのブログは、首都圏中心の企画展に合わせて書