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アートのみかた

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図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
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2018年11月の記事一覧

【アートのミカタ】ムンク Edvard Munch

【人物】鬱から生まれる大作 小さい頃は「ムンクの叫び」が作品名なのかと思っていました 笑 その抑圧された苦痛や不安を表現するムンクの作品の数々は、「表現主義」と呼ばれる一つの派閥を作るきっかけにもなったそうです。 しかし最初は「未完成」「薄汚れた絵」など酷評も浴びたようです。 元々精神病を患っていたムンクはどんどん鬱のドツボにはまったようですが、芸術にかける思いは精神病と相反するように大きくなっていったようです。 ムンクがどのような想いで「叫び」などの作品を仕上げたか、書

【アートのミカタ】ヘレニズム美術 Hellenism

【ギリシャ美術のオイシイトコロ】今回は普段の人物フォーカスをお休みして、芸術の起源に迫っていこうと思います。 「芸術家」という感覚は(恐らく)まだなく、哲学者が美の概念・色彩の概念を追求したり彫刻家が理想を立体に示したりした時代です。 およそBC1000年〜BC30年頃続くギリシャ時代の中で、今回は私が美術史的に魅力を感じているヘレニズム時代(ギリシャ後期/ローマにより滅ぼされるまで)の「ヘレニズム美術」を書いていきます。 主な作品として残っているのは「ミロのヴィーナス」「

【アートのミカタ】ブルーノ・ムナーリ Brouno Munari

【人物像】超ユーモアな作品だらけ20世紀に生きたミラノの美術家、ブルーノ・ムナーリ。彼を形容する名は複数に渡ります。 画家、グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、教育者、研究家、芸術評論家、絵本作家…。 生涯を通じてユーモアな作品を数多く展開しています。 「役に立たない機械」や「読めない本」「時間X」など。 肩書きも多いし、作品もヘンテコなので、全体像が掴みにくい人物かもしれません。 工業デザイナーの深澤直人(無印など)は 「偉大なデザイナーがたくさんいる。しかし

【アートのミカタ】藤田嗣治 Léonard Foujita

【人物像】パリに愛された日本人パリに生きた日本人画家、藤田嗣治(つぐはる)。 おかっぱ頭と面相筆で描いた独自の画風は、フランスで高く評価され、彼の描く裸婦人などは「乳白色の肌」と呼ばれたと言います。晩年にはレオナルド(仏:レオナール)の洗礼名を与えられ、自身をレオナール・フジタと名乗るようになります。 なぜ今、美的センスを磨くのか。どうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える人達がいるそうです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテーマに、