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アートのみかた

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図工や美術の授業が少なくなる日本。ですがどうやら世界では、サイエンス重視の意思決定では不十分だと感じ美意識を鍛える上位層がいるようです。このブログは、歴史上の偉大な画家たちをテー…
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2018年10月の記事一覧

【アートのミカタ】ジョルジュ・ルオーGeorges Rouault

【人物像】20世紀最大の宗教画家宗教画家と聞くと、無宗教の多い日本ではあまりメジャーな画家ではないかもしれません。 実際、「日本人が好きな画家ベスト5*」では、ルオーとは相反して印象派の名前が多く挙げられていました。 ルオーとは、そんな日本人が好きな印象派と同時期・同地域で活躍したアングラ画家だと思ってください。 キリストを正面から描いた代表作「聖顔」は数十点も残され、また銅版の連作「ミセレーレ」は圧巻です。 19世紀末20世紀初頭は、何と言っても大印象派ブームでした。

【アートのみかた】フェルメール Johannes Vermeer

【人物像】時代を映し撮る「光の画家」「初めて瞳に白い点を入れた画家」「美しいフェルメール・ブルー」「風俗画の価値観をひっくり返した画家」「カメラ技術に魅了された画家」など、フェルメールを説明する言葉は幅広くあります。 フェルメール以前の絵画といえば、「全体的に暗く、蝋燭の光に照らされた人物を描く」が目立っていたと思います。日本画に比べ油絵が暗く重々しいと感じるのは、長らく褐色や灰色に地塗りしたカンバスに描くものだったからという見解があるようです。また西洋が日照時間の短い地域

【アートのみかた】葛飾北斎 Hokusai

【人物像】日本美術の結晶通称 赤富士で愛される「凱風快晴(がいふうかいせい)」や、海外でBig Waveとして愛される「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」。そして36とか言いながら実は46枚ある「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」など。世界に愛される北斎を形容する代表作は数多く知られています。 グローバル企業の幹部クラス*が「自分のルーツの国の美術の話ができないなんて恥ずかしい*」といいながら専攻外の美術史を学ぶのであれば、「日本人は北斎や利休の話ができないと恥

【アートのみかた】人工知能アート AI art

【人物像】AI初の芸術グランプリ獲得「人物」と言う括りでいいのかは悩みますが、ロンドンで初の人工知能が芸術賞(グランプリ)を獲得したとのことで今回特筆することにしました。 その芸術賞とは、第7回ルーメン賞(Lumen Prize)にて「ブッチャーの息子/マリオ・クリンゲマン」と言う裸婦画です。 GANの連鎖(生成的敵対的ニューラルネットワーク)を使用し、低解像度のサンプルを大量に学習させる過程でノイズを起こし(奇抜思考)芸術的センスを磨くプロセスを踏んでいたようです。徐々に細

【アートのみかた】アンディーウォーホール Andy Warhol

【人物像】シュールでスキャンダラスなポップアート界のアイコンアメリカンポップアートを代表する人物の一人が、アンディーウォーホール。キャンベルの缶やバナナなど。斬新で型破りな作品を数々作成したイラストレーターです。 カーネギー工科大学で広告芸術を学び、その後NYにてvogeやハーパース・バザーなどの雑誌広告やイラストなどを作成します。またファインアートへ移りますが、ロイ・リキテンスタインの作品に触れて以降は退いてしまいます。 そうして自分のアートをスープ缶やドル紙幣など身近