とある暑い日の熱い思い
・・・
円安の影響か、最近街で外国の方をよく見かける。
この日は、昨日まで続いた雨とは違い、真夏のような蒸し暑い休日。
僕は用事があり、電車に乗った。
コロナが落ち着き、休日でもたくさんの人が乗っている。
外国人も多い。
いろんな目的で日本に来てるんだろう。仕事で来ている人、観光で来ている人、日本にいる友達に会いにきた人、家族に会いに来た人、家族や恋人と旅行を楽しむ人、これから日本に住もうか検討してる人・・・
用事がある駅までは電車を乗り継がないといけない。
いつもと違う路線に乗り換えた。
乗り換えて2、3駅ほど過ぎた時、外国人の女性が乗ってきた。
褐色の肌。金髪のロングヘアでクルクルしたくせ毛。一つにまとめた感じがダンサーみたいでとてもカッコいい。
背が高くスラッとしていて国籍は分からないがラテン系?の人かな?
そのダンサー風の女性は電車に一駅乗って次の駅で降りた。
僕とその女性が一緒だったのはそのほんの一駅までの数分間。
その降りたときにとても情熱的な出来事があったので誰かに言わずにはいられなかった。
・・・女性は電車に乗ってきて空いてる席に座る。
スマホをしきりに操作している。
待ち合わせなのだろうか。
駅が近くなったのか、電車の速度が緩んだ。
女性は立ち上がってドアまで歩き、電車が止まる。
ドアが開いて電車を降りた。
スマホを見ていた僕は少しドアに目を向けた。
その女性は降りるなり、そこで待っていた男性(同じような風貌の男性。おそらく恋人と想像するが…)とそのまま熱い抱擁。
思わず二度見してしまった。
とても久しぶりの再会なのか。
一分一秒が惜しいほどの溢れる愛情が抑えられなかったのか。
その、思いが溢れ出たような熱い抱擁はしばらくの間続いた。
そして抱擁からの熱いキス。
そのまま融合してしまうんじゃないだろうかと思うような熱い抱擁からの情熱的なキス。
見てはいけないと思いつつも視界に入ってしまいついつい目がいってしまう。
一駅の停車中の出来事といえ、見てる自分の体感ではそれはとても長い時間のように感じられた。
プシューッ!
電車のドア閉まる。
ドアが閉まり電車が走り始めると同時に時歩き出した2人。
これからデートなのかな?
外国ではそれが当たり前で挨拶みたいなものなのだろう。
僕にはその行動は、取ろうとしてもおそらくできないから恥ずかしくも羨ましくもあった。
自分の思いが溢れるほどの行動を誰かにしたことはあっただろうか。
自分の価値観で人や行動を当てはめない視点が必要だなと改めて思った、とても胸が熱くなる東京の暑い午後だった。
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