「ない(TRPG)シナリオ選手権」に提出したシナリオの説明とか、いろいろ

 大みそかですね。洛葉みかんです。
 突然ですが今日は身内間で開催された「ないシナリオ選手権」に提出させていただいたシナリオから一部を抜粋して解説やら何やらをさせていただきたいと思います。なんでそんなことを? というと、同様の企画が皆さんのところでも開催されれば嬉しいな〜、というのと、単純に僕が語りたいからです。まあそんな感じなのでお付き合いいただければ幸いです。

 ないシナリオ選手権って何? って方は以下の記事をご覧ください。有り体に言えば「存在しないシナリオの概要とか書いて誰が書いたか当てようぜ!」って企画です。

 ちなみにこれを思いついたのが昨日くらいでしたがその時すでに他の参加者によって同じような記事が書かれており今泣きながらこれを書いています。

 てなわけで内容に参りましょう。

◎当列車は、"現在"駅を定刻通り出発致しました。

システム:エモクロアTRPG
推奨人数:ソロ〜2人
推奨技能:《*自我》
共通HO:あなたにはそれぞれ忘れたい過去がある。(内容は各自で決めてよい)
ロストの可能性:有

本日もご乗車ありがとうございました。
"現在"、"現在"です。
"現在"を出ますと、次は"過去"に停まります。

車内に思い残し、後悔など御座いませんようご注意ください。
お出口は右側です。扉付近のお客様は、ドアから手を離してお待ちください。


──当列車は現在駅を定刻通りに出発いたしました。次は"過去"、"過去"……

第2回ないシナリオ選手権寄稿

 銀河鉄道的なサムシングに乗り込んでどうやら過去に向かうらしいシナリオです。電車だとなかなか風情に欠けるので汽車だと嬉しいですが特に決まってません。おのおの最強の列車をイメージしておいてください。
 さて、共鳴者たちは過去に向かおうとしていますが、同時に忘れたい過去も有しています。それでなぜ過去に向かうのかは謎ですが(単に詰めてないだけ)、列車が進むにつれて共鳴者は忘れたい過去に直面することとなります。もちろん辛いことそのものでしかないので共鳴判定を起こしちゃったり変なことになったりするかもしれません。それで何やかやあって自分の過去を克服する意志(=過去に向かわなくても良くなる)を見せられたら無事シナリオクリアです。
 なお時間切れで列車が”過去”駅に着いてしまうと過去に呑み込まれてしまって全員ロストです。頑張れ。マジ頑張れ。

◎日給30万のバイトがあるらしい

システム:エモクロアTRPG
人数:2人固定
推奨技能:《*幸運》または《★強運》
概要:
 とある夏のこと。大学の夏休みで暇を持て余していた自分は、何をするでもない怠惰な日常を過ごしていた。
 昼前に起きて、ご飯を食べて、スマホでSNSでも眺めながら暮れてゆく毎日。どうしようもなく「終わっている」と思ったが、わざわざ改めるだけの気力もなく。
 このままあっという間に夏が終わってしまうのか。せめて何かひとつ、刺激的なことでもあれば……。
 そんな突飛な願いは、突如掛かってきた友人からの電話で叶うことになった。
「なあなあ、俺すんげえバイト見つけたんだよ!」
 開口一番、興奮しきった友人の声。
「中身もすんげえんだけどさ、何より給料がやべーの! 聞いて驚くなよ? なんと日給30万! あり得ねえよな!」
 30万……。思わず喉が鳴った。冷静に考えればどう考えたってまともなバイトなはずがないのに、その時は暑さで頭がやられていたのだろうか、その続きを知りたいと思ってしまった。
「内容? ああ、まだだったな。えーっとさ……じゃあ、まずお前、」

「……転生トラックって知ってるか?」

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HO1:あなたは怪異「転生トラック」に憑依されて人を轢かなければならない
HO2:あなたは転生トラックに轢かれそうになる
追加推奨技能:《危機察知》《アクロバット》《*生存》《耐久》など

第2回ないシナリオ選手権寄稿

 王様ゲーム! HO1は転生トラックに乗り込んでHO2を轢き殺せ! HO2は轢かれないように頑張ってね! ってシナリオです。
 転生トラック自体公式でサポートされている怪異であり、こいつを使って何か面白いことできないかなと思った結果じゃあ人轢いたらいいじゃん! となって生まれました。他には元々あったネタ(と思う)の「転生の神(?)に命じられてトラックに乗り込みわざと人を轢く」……みたいなのを思い出してそれにインスピレーションを受けたりしたと思います。覚えてない。
 HO1は無免許でも問題なく運転できます。憑依されてるだけですしね。HO2の追加推奨技能はもちろん危機察知であらかじめ危険を察知してアクロバットで回避! うっかり掠ったりしても生存と耐久で生き残れ! というやつです。
 ちなみにHO2が生き残る条件は1日轢かれないように耐えるだけですし、轢かれて死んだ場合はその時点でシナリオ終了です。転生した先でどうなるかはまた別のお話ということで……。
 なお余談ですが、本当は真面目に書いて「あるシナリオ」にしようとしたんですがいろいろ想定するのが面倒すぎて折れました。

◎賽は投げられた

システム:CoC第6版
推奨技能:ダイス運
推奨人数:2人〜4人

箱のような世界にあなたたちはぽつり。
ここから出なくてはならない。

どうする?

賽は投げられた。

第3回ないシナリオ選手権寄稿

 やっつけじゃねえのって? んああ仰らないで。一応ちゃんとしたコンセプトの上で考案したシナリオではあります(存在しないけど)。
 僕にとってはTRPGとはもちろん楽しいものですが、同時に非常に精神力を必要とするものでもあります。その理由はもちろん対人コミュニケーション自体が個人的に気力を使う行為であるのもありますが、シナリオそのものの空気感に呑まれて緊張してしまうというところにもあります。最悪人の生き死にに関わるような場面で思わず息が止まってしまうくらい緊張していることもしょっちゅうです。上手くシナリオを終えることができれば達成感がありますがどっと疲れが込み上げてくることもあります。
 そんなことを考えつつ第3回ないシナリオ選手権に臨んだ際、「じゃあ肩の力を抜いて遊べる、かつギャグシナリオにならないような適度な緊張感のあるシナリオがあればいいな」と思いました。そこで生まれたのがこのシナリオ。コンセプトはズバリ「ダイスを振って振って振りまくること」。大事な場面のファンブルでPLを泣かせるダイスも、最初から振りまくると決まっているなら受け止め方も違ってくるんじゃね? と思ったらこうなりました。リアル推奨技能もダイス運オンリーです。
 と、ここまで長々と語ってきましたがコンセプトがこんな感じなので中身はあんまり決まってません。やっぱりやっつけじゃないか

◎令和怪異合戦ズンドコ

システム:エモクロアTRPG
推奨人数:3〜4人
推奨技能:《*自我》《根性》(HO1)、《ストレングス》《アクロバット》など運動・戦闘系技能(HO2〜)

HO1:あなたは人間である。
HO2〜:あなたは怪異である。

多くの人は知らないことだが、怪異にも派閥がある。
古くより派閥同士は協力や敵対を繰り返し、争いは絶えることがなかった。
しかし、現在は科学がオカルトを駆逐する令和の時代。争いなど起こそうものなら互いに力を失い共倒れするのは必然。
故に、怪異たちは渋々その牙を収め、怪異界はしばらくぶりの停戦を見た。

……かと思われていた。


──さあさあお立ち会いお立ち会い、これより始まりますは【極東怪異連合】と【チーム・ユーロペオ】の一大合戦! ルール無用の真剣勝負、この地に徒花を咲かせるのは一体どちらか!
さあ皆さまぜひご覧あれ! そこなマダムも眼鏡の紳士も──

第2回ないシナリオ選手権寄稿

 ああやめて! 叩かないで! ネタシナリオじゃないから!
 タイトルこそ某ジ○リ作品をパク……リスペクトしていますが内容は真面目に考えています。近いうちにしばらくぶりの抗争が起きそうな怪異界を舞台に、ひょんなことから迷い込んだ人間(HO1)が両組の抗争に巻き込まれてゆく……というあらすじとなっております。ピンときた方がいるかどうかはわかりませんが、「怪異もPCとして動かしたくね?」というアイデアに「バケモノの子」に代表されるような細田守作品のインスピレーションが悪魔合体して誕生したシナリオです。タイトルはジ○リなのにネタは細田守……あれ?
 ちなみに実際にシナリオ中で抗争が起こるのでHO1には知恵を振り絞って生き残ってもらいつつ、HO2〜は前線を張って戦ってもらうという感じの想定をしています。あとは集まったPCのメンツによっていろいろシナリオの毛色が変わりそうな気もしています。たとえばHO1が少年なら王道的な、それこそ細田守みたいなストーリーができそうですし、おじさんならちょっと渋めになったりするかもしれません。HO1が少女で他全員男性ならおにロリ逆ハーレムパラダイス
 そんなわけでいろいろ可能性を感じて形にしようとしてみましたが、シナリオの大筋を設定するだけで非常にめんどくさくて諦めました。多分6時間くらい掛かるシナリオになりそうなんだもん。形にしてみたいという奇特な方がいらっしゃったら洛葉みかんまでご連絡ください。

個人的な分析・考察

 ここまでシナリオを見てきましたが、ほぼ一貫してコンセプトありきのシナリオ作り(作ってないけど)をしていましたね。過去とか転生トラックとかダイスとか怪異のPC化とか……。その辺りから連想ゲーム的に想像を膨らませて「ないシナリオ」という形に育て上げていくのが比較的得意なのでしょうか。やっぱりコンセプトって分かりやすいしやりやすいですからね。
 一方で良くも悪くもアイデア頼りなので、ありふれたテーマの中身を掘り下げて書いていくというのがやや苦手な傾向かもしれません。あと内容を精密に作り込んで……というのは性格上できないので基本的に直球勝負です。そういうところに関しては他の参加者の人を尊敬しますね。思想信条とか性格の話でもあるので一概に良し悪しでは語れないところではありますが……。

おわり

 いかがでしたか?(クソブログノルマ)
 思い返せば結構数を書いてましたね。僕以外の参加者も当然いるわけですがよくネタが尽きないな……と感心します。
 このないシナリオ選手権、回を重ねるごとにどんどん参加者のクオリティも上がっており一体誰が書いたんだ!? という作品ばかりになってきています。もちろん僕もどんどんレベルアップして傑作のシナリオ(存在しないけど)を公開したいと思います。もしかしたらまたここで何作品か紹介するかもしれませんのでその時はよろしくお願いします。
 それでは。洛葉みかんでした。

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かいたひと:洛葉みかん
Twitter:@lac_ba_m

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