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「3番が4番の腰を揉む」「了解した」「ちょっ、トロワ……!!」

合コンするみんなはいいねって言ってたんですけど本当にいいなって思うのは合コンしながら結局無意識にいちゃいちゃしてる迷惑なトロカトがいいなっていう話なんですけど。お互いもててるのを見ながらどんな感情抱いているのかなっていうのがいいんですけど。それで女の子と連絡先交換してるのを見てお互いどんな気持ちになるのかなっていうのがいいんですけど。それで結局なんだかんだ連絡先交換させるのをお互い阻止しているってのがいいんですけど。

「はい、こんにちは!総合司会のデュオです!」

「アシスタント兼会計のカトル・ラバーバ・ウィナーです」

「カトルは丁寧でやっぱり偉いぜ!今日は合コンに行ったことのないお前らのために、今度の合コンの予行練習に来たぞ。はい、じゃあ早速、王様ゲームをやりまーす!!」

「……」

「お前らぜんぜん盛り上がらないな……。何か質問があるやつは挙手だ。はい、トロワ、質問か?」

「王様ゲームのルールをまず説明するべきだろう」

「なるほど、そうだな。……って、お前結構のりのりじゃねえか。はい、次カトル」

「えっと、何で合コンでゲームをやる必要性があるのかな?」

「よくぞ、聞いてくれました!ゲームを挟むことで席が遠くてなかなか話せないあの子とも、あっちの積極的にできないあの子とも、交流して話しかけるチャンスがあるというわけだ」

「なるほど、理にかなってるんだね」

「しかも王様ゲームは相手の知らない面を見ることもできるはらはらドキドキの定番ゲームだぜ。五飛、どうした?質問か?」

「俺はそんなちゃらちゃらしたゲームはやらない!」

「お前なんで合コン承諾したんだよ……ま、いっか。ここでルールを説明する、……と。はい、今日はリハーサルなんでやって覚えるぞ。番号と王様を決めるくじを用意してきたからここから一人一本ひいてくれ」

「じゃあ僕からひくね」

「いいぞ、カトル。まだ何をひいたかは言うなよ!はい、どんどんひいてくれ……よしみんなひいたな!オレは残ったやつで……、これから言うかけ声を本番ではみんなで言うこと!せーの『王様だーれだ!』はい、ここで王様のやつが名乗り出る。誰だ?」

「俺だ」

「ヒイロか。そしたらヒイロは命令を言うんだぜ!」

「……俺は、俺は任務を全うする方がいい」

「任務じゃなくて命令だぞ!?あ、イヤまあ似たようなもんか」

「命令はない」

「ヒイロ、命令が出来ないのならば、命令をさせるというのはどうだ?……そうだな、4番が5番に命令しろ……というのは。こうすればお前が命令をしなくて済む上に命令をするという任務を達成できる」

「トロワ、気を遣わせたな。すまない」

「いや、気にするな」

「おい!!!それじゃ、ずっとゲームが終わらないかもしれないだろ!!その命令が他のやつに命令しろっていう命令だったらどうするんだよ!!一生終わらねえぞ!!いいか、命令って言っても、たわいもないやつでいいんだ。出来れば女の子とあわよくば楽しいことができる、ちょっとした気の利いたやつだとなおいい。ポッキーゲームをしろ!!とか、この中で一番気になる相手の名前を言う!!とかな」

「デュオ、貴様……面倒くさい事を言う奴だな……」

「何言ってんだよ、五飛。それが合コンの醍醐味ってやつだからな?まったく予行練習しておいて本当によかったよ……やれやれ……えっと、4番?は誰だ?」

「僕です。5番の人に命令すればいいの?デュオ」

「カトルか……カトルなら人に命令するのは得意そうだな」

「デュオ……もう。僕のこと偉そうな人みたいに言わないでよ。確かに人に指示をすることは多いけれど……」

「いやいや、いいぞカトル!とりあえず命令してくれ!もうーこのままじゃ全然終わらない上に盛り上がらないからな」

「ええっと……、そうだなうーん。なかなか不特定多数が相手だと思いつかないなあ。あ、そうだ。じゃあ、5番の人は誰?」

「俺だ!張 五飛だ!」

「五飛かあ。そうだな、五飛にしてもらいたいことはね……」

「おいおいおいおい!番号を教えるように命令するのはルール違反だからな!ゲームにならないだろうが!」

「え?そうなの?王様なのに権限が複雑なんだね……難しいゲームだなあ」

「あのね、難しくないの!お前らが考えすぎなんだよ!!もうー、仕方ない。俺が命令するぞ……3番は、この中で一番したいやつにキスをする!!こういう事だ!!」

「俺が3番だ」

「トロワか。という流れになるんだよ、分かったか?気を付けなきゃいけないのは余りどぎつい命令を出すと、野郎同士でそれをやるはめになる場合があるっていうことだ。まあ場が盛り上がればそれでもいいんだがな、どうだ分かったかカトル」

「なるほど、こうやって楽しむんだね。うまくできるかなあ」

「ああオレ、もう疲れたぁ。協力的じゃないやつばっかりで疲れたあ。もう今日はとりあえず飲もうぜ……、このゲームも飲んでテンションが上がってからやった方が盛り上がるやつだからな」

「イベント主催するのは大変なんだね」

「このメンバーだから大変なだけな気もするがな……」

「ぐー。ぐー」

「デュオ、ダメですよこんな所で寝ては」

「かとるぅ、うーん、あと五分」

「あーあ、きっとすごく準備で疲れてたんだねデュオ」

「そうだな。それに何杯も飲み過ぎだ。幹事はうまくごまかして飲んでるフリをするべきだ。あまり飲み過ぎるのはうまいやり方ではない」

「トロワ……デュオは一生懸命だったんだしそれに今日は練習の日だからいいんじゃない?」

「カトル、お前も顔が赤いぞ。もしかしてアルコールを飲んだんじゃないのか?」

「あれ、そうかなあ。そこにある甘いやつを飲んだんだけど……」

「あれは酒だぞ。水を飲むといい」

「ありがとう、トロワ。でも僕合コンなんて初めてだし、うまくいくかなあ」

「そうだな」

「トロワは好きなタイプとかあるの?」

「ないな」

「そうなんだ」

「ああ」

「……」

「……」

「じゃ、じゃあ何で参加することにしたの?」

「デュオが人数合わせのために出てくれというので仕方なくだな」

「そうなんだ」

「お前は?」

「え?」

「お前はタイプのやつがいるのか?」

「タイプって……あっ、その……いないよ……」

「そうか」

「うん」

「……」

「……」

「あっ、でもさっきのゲームでキスすることになったら、選ばなきゃいけないんだよ」

「そうだな」

「僕トロワがそういうことしてるの見るの変な気分だな……」

「変な気分とは?」

「え、だって、ずっと一緒にいたし、その……あまりそういう所見たことないから、なんか……ちょっと見たくないかなって……」

「そうか」

「そう」

「俺もお前が誰かにそう言うことをしているのを見るのは、あまりいい気分ではないな」

「えっ、そ、そうなの?」

「ああ」

「そうか……。ト、トロワ。なんかごめん、僕酔ってるのかな。変なこと言ってるね。気にしないで。ちょっと外で風に当たってくるね」

「ああ」

「カトル」

「え?トロワ?君は中でゆっくりしてて、寒いし」

「もし俺がキスすることになったら、お前を選んでもいいか?」

「えっ、トロワ、何言って」

「多分当日一番そうしたい相手だからな」

「ト、トロワ……、あの……」

「いいか?」

「えっと……そうだね、もし他にしたい人がいなくて君がそうしたいって言うなら僕は……いいよ」

「そうか」

「うん」

「じゃあそうさせてもらう」

「え、トロワ。んっ……」

「……」

「な、何で今……」

「さっき、命令されただろう。王の命令は絶対だからな」

「トロワ……じゃあ、僕も命令してもいい?」

「なんだ?」

「合コン行くのやめてくれる?」

「……分かった。カトルの命令ならな」

「ごめん、僕酔ってるみたい」

「ああ、俺もだ」



っていう事だと思うんですけどね。私は本気ですよ。恥ずかしくない。恥ずかしい。トロカトは恥ずかしい。ぎゃああああああああああああああああ




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