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さくら&凪ママ
2020年2月20日 13:36
第1話 別れ細かく砕かれた氷のかけらが、一粒また一粒と私の口の中に入ってくる。冷たくてきもちいい。いくつかの氷がのど元を通り過ぎた時、大きく息をスーと吐いた。それが、この世で最後の呼吸となった。氷を口に入れていたママは突然、呼吸が止まったので、声も出ないようだった。私をじっと見つめる目から、涙がこぼれて私の鼻や口元に止まることなく何粒も落ちてきた。うっすらと開いたままの私の目を見て、「