LaBOLAで人件費削減や業務効率化を達成!想定していなかった利用者間のコミュニケーションも
群馬県太田市は、ストリートスポーツ専用で、敷地面積約3,000㎡で北関東最大級のフルコンクリート施設『エアリススケートパーク太田』を6月23日にオープンしました。そんな太田市都市政策部まちづくり推進課の今泉様に、LaBOLAの導入経緯、活用状況、導入によって得られた効果などを伺いました。
地元のストリートスポーツ愛好家団体らの声を受けて北関東最大級の施設運営へ
開設のきっかけは、9年前の平成27年に、地元のストリートスポーツ愛好家団体(現太田市ストリートスポーツ協会)らから要望書が出されたことでした。この要望書をもとに事業化が検討されましたが、行政がストリートスポーツ施設の整備・運営をする意義などさまざまな議論がなされ、整備箇所も二転三転するなど、スムーズに進んだわけではありません。
そんな折に、太田市内の主要駅周辺や、太田市運動公園でストリートスポーツをする方が続出し、通行者や近隣の方から「危ない」「音がうるさい」といった声が太田市へ届くようになりました。実際に路上でストリートスポーツをする方々に話を聞きに行くと、そこで皆さんが話すのは「ストリートスポーツをする場所がない」ということでした。
確かに、当時は太田市内にスケートパークはなく、近隣でみても極めて少ない状況でした。そんな中で、まずは行政が「0から1」を実現させて、ストリートスポーツを気軽に競技できる場を作ることに意義があると考えました。その構想は議会で承認を得られ、事業化が決定。「スポーツ活動の裾野を広げたい」といった想いのもと、エアリススケートパーク太田は開設されました。
無人入退場システムとの相性抜群!導入実績も豊富なLaBOLAを導入へ
スケートパークの運営が本格的に事業化された際に、何よりも実現すべき課題として挙げられたのは、ランニングコストを抑えることでした。
既存のスケートパークの運営について調査をすると、実施される競技の特性から他スポーツ施設よりも劣化が激しく、補修するための維持管理費がかかるとわかったのです。加えて、人口減少に伴い、公共施設の統廃合や縮小化が進んでいます。そんな中で持続的に施設を運営するために、ランニングコストをどう抑えるかを検討する必要がありました。そこで検討したのが、人件費削減です。
現地に管理棟を置いて、仮に2人体制で管理すると考えると、単純に年間2人分の人件費がかかります。その人件費を抑えようと、無人や省人で入退場管理ができる方法を探し始め、見つけたのが、あるドッグラン施設に入退室管理システム『RemoteLOCK』を導入した事例です。この事例は当施設で実現したいことに近いと思い、RemoteLOCKを提供する構造計画研究所さんに問い合わせをしました。
さらに、RemoteLOCKの導入を検討するなかで、スケートパークの運営に最低限必要とされた会員登録に加え、施設予約や事前決済もインターネット上で行える、RemoteLOCKと連携したスポーツ施設専用マネジメントシステム『LaBOLA』があることを知ったのです。クラウド管理で効率化できるのと、スポーツ施設への導入実績が決め手となり、LaBOLAとRemoteLOCKの導入を決めました。
施設に合わせた時間枠設定で効率的な予約管理を実現
当施設では、LaBOLAのマルチスペース機能を利用して、平日は12時から21時までの時間を1枠、土日祝日は9時から21時までの時間を1枠として、予約をすればその時間帯でいつでも入退場できる環境を整えています。現在では、1日あたり70枠を上限に設定し、予約管理をしています。加えて、RemoteLOCKを当施設の入口と出口に1台ずつ、計2台設置し、現地の入退場管理を実施している状況です。
また、予約を行う際に、代金をクレジットカードや PayPayなどで決済することができるWEB事前決済機能も追加しようと、現在手続き中(取材時)です。これが実現されれば、フロントでの会計の手間が省けるため、利用者の方にとってもスムーズに施設をご利用いただけるようになると考えています。
あらゆる面で効率化!想定以上の集客効果
導入によって得られた効果は想定外も含めて4点ほどあります。1点目は、導入検討時に期待していたランニングコストの削減です。入退場管理の自動化のおかげで、当施設は「スタッフを常駐させない運営」にチャレンジできています。防犯上の観点などから定期的に係員が巡回していますが、それでも人件費削減を大幅に達成することができており、これは施設を持続的に運営していくための大きなポイントと感じています。
2点目は、会員登録業務の効率化です。当施設をオープンして1か月が経過しましたが、既に830人以上の方に会員登録いただきました。これは、当初想定していた数よりも多く、率直に喜びと驚きを感じています。仮に、この数の会員登録申請を紙で行った場合、そこからデータベース化するには莫大な時間がかかっていたでしょう。利用者の方にWEB上で登録いただくことで自動的にデータが蓄積されていくため、効率化や省人化に大きく繋げられたと考えています。
3点目は、利用者の方の属性を把握・分析することで、今後のさらなる戦略が生み出せる可能性を感じたことです。LaBOLAでは利用者の方の年齢や性別、居住地などが種別ごとに自動でグラフ化されるため、その傾向を容易に掴むことができます。例えば、現時点において市外の利用者は全体の6~7割程度と即座に把握できます。こういった属性データをみると、当施設は市外から人を呼び込める要素を持っていることがわかります。これらデータを活かすことで、施設運営の見直しをはじめ、周辺地域の活性化にもつながる次の一手を講じられたらと考えています。
最後に、「他の類似施設は現地に行ってみないと混み具合がわからなかったので、事前に予約できてありがたい」といった「予約」に対するポジティブな意見をいただけたことです。施設を持続的に運営させるための入退場管理システム導入は、「予約」の採用が必要条件でしたが、これまで予約を採用している他の類似施設は無かったため、利用者の皆さまには大変お騒がせしてしまっていること承知しています。少しずつ、運用の見直しをさせていただく前提ですが、このようなポジティブな意見を一定数いただけたことは一つの気づきとなりました。
なお、この入退場管理システムについては、施設利用経験者の方が、初めて利用される方にその方法を教えてくれる場面を多く見かけるようになったんです。そういった会話をきっかけに、競技に関する話もしやすくなるようで、利用者の方からは「利用者間でコミュニケーションがあるから楽しい」といった声もいただいています。本当にこの業界の皆さまは温かい方ばかりで、心から感謝しています。
利用者の声を取り入れ、さらに利用しやすい施設へ
今後の展望として、売上管理と予約枠の見直しをしていきたいと考えています。売上管理では、現金やクレジットカードに加え、QRコード決済、太田市独自のデジタル地域通貨「OTACO(オタコ)」など、支払方法を複数用意するために、現在手配を進めています。さまざまな決済サービスを使う分、サービスごとに締め日と支払日の管理を行う必要があるため、そこを今後LaBOLAの売上管理で実施する予定です。
また、予約枠の見直しでは、現在は1日券で運用しているのですが、「1日だと長すぎる」という意見もあるため、例えば、午前枠・午後枠などで運用できないか検討したいと考えています。今後も、当施設の利用者の方の要望や利用状況を鑑みながら、意見交換をさせていただき、LaBOLAを活用したより良いスケートパークづくりをしたいと考えています。
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