写真_2018-08-19_15_43_58

よもぎ図書だより1

<はじめに>
初の図書館だよりになります。
こちらでは、私が長年愛読している蔵書を紹介していきたいと思っています。私がその本を手にしたきっかけや、その本のどこに心が掴まれたのかなど、私視点で紹介するのですが…何かのご縁で誰かの手に取るきっかけになれたらなと想いを馳せつつ…

<注目本>
「綿の国星」 著者:大島 弓子 ※文庫版にて全4巻
連載がなんと1978年~1987年、知らない方も多いのではないでしょうか。
※画像として載っているのは私が所有しているものを撮影したものです。

<出会い>
私がこの作品と出会ったのは、中学生の頃ひょんなことから当時クラス担任と漫画が好きというので意気投合し、その先生から他の生徒や先生にバレないように!と念を押されつつおすすめだと貸していただいた漫画です。きっかけからして、なかなか忘れがたいです。
もちろん、漫画が好きな生徒なんて大勢いるわけで何故私にだけここまで親しくなったのか…というのも、私は同年代の子が読んでいた当時の漫画以外に、母親が勧めてきた母親が若いころに熱中した漫画もたくさん読んでいたのです。「ポーの一族」「はいからさんが通る」「ベルサイユのばら」等など…有名なタイトルを並べてみましたが、これらなら耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?これらを知っていて、尚且つ面白いと思っている生徒ってのはかなり少なかったのかな…(私自身の経験では同年代でこれらを知っている子は皆無でした)その話をたまたま担任の先生に話したことをきっかけに漫画の話をするようになり、先生から「綿の国星」もきっと気に入ると思うからと貸してくれたのです。
そして、先生の予言通り、この作品に魅了されたわけです。
ここで出会わなければ、私は大島弓子先生の作品に出合うことはなかったでしょう。出会いに感謝ですね。
そして読了し返却した後もずっと心の片隅に「綿の国星」の物語は私の中でキラキラと残り続けていました。そんなわけで、社会人となりネットでの購入も手軽にできるようになった時に、もう一度読みたい、手にしたいと思い私の蔵書となったのです。…とても懐かしい記憶です。
それでは、本題の作品の<紹介>へ…

<紹介>
「綿の国星」題名からしてなんだか、美味しそうできらきらしていてわくわくします。これは、子猫が飼い猫になり人間家族と暮らす物語が子猫視点で描かれている作品です。分類としては日常系といった感じでしょうか。子猫のチビ猫は自身を人間だと思っているので、登場する猫たちはチビ猫視点なのでみんな、人の姿をしています。
親もなく、まだ小さな猫のチビ猫は拾われた人間家族やご近所猫達との交流から色んなことを学んびつつすくすくぬくぬくと穏やかに過ごしていきます。
これ以上の作品の内容は説明が難しいのですが、このような話が著者である大島弓子先生にかかると、なんとも心がじんわりホカホカくるのです。
絵柄も、最近見かける主流のものとは違いますがとても話の雰囲気にあったものでステキで、心地よいです。そしてチビ猫が知ることや、チビ猫を通して変わる人間を垣間見て、私もまたなにか心に今までにない視点が芽生えるのです。
出来る事なら昼下がりの午後に紅茶とちょっとした焼き菓子を用意して、心地よい風を感じながらのんびり読みたい作品です。そして読み終わった後、なんだか心がじんわり温かくなるのです。

<小話>
おそらく実写映画化された「ぐーぐーだって猫である」なら知っている方もいるのではないでしょうか?その原作者は、「綿の国星」の著者である大島弓子先生です。私は同じ作者であるからと他作品を積極的に読むほうではないので、残念ながらそちらの作品は読んだことありませんが、飼い猫との話を綴った「サバの秋の夜長」「サバの夏が来た」は一読したことがあります。
また、今回この記事を書くにあたって少しばかり調べたのですが、大島弓子先生は、萩尾望都・山岸凉子・竹宮惠子先生達(とても有名な少女漫画家の方たちです)と24年組と呼ばれる一人だそうです。当時の少女漫画界で一斉を風靡したのですね。もし少し気になった方は調べてみるととても面白いかと思います。今回の記事では小話として軽く触れる程度で締めたいと思います。

<おわりに>
映えある第1号はここで終わりです。自己満足きわまりないですが、不定期ながら私の大好きな書籍を図書だよりとして少しずつ紹介していきたいと思います。


よもぎ図書だより→次号

賽銭箱