よもぎ図書だより7

＜はじめに＞
今回は野球漫画の紹介になります。

＜ピックアップ本＞
「甲子園の空に笑え！」
「メイプル戦記」全2巻　　著者：川原　泉
※画像は私が所有しているものを撮影したものです。

＜出会い＞
元々は母が若いころからずっと「花とゆめ」を購読していたところから始まります(著者がそちらからデビューしたので)。私が漫画を読むようになってから、母が自身が好きな漫画を推して読める環境にしてくれたところから始まり(そのため、所謂花の24年組等の著作者の漫画に詳しいです笑)、少女漫画にしてはちょっと変わってる子がいつも主人公だけどなかなか面白いと紹介されたのが、川原泉作品でした。教えてもらったのは、「笑う大天使」です。こちらを始めに読み、独特の台詞回しにハマりました。それから、多作品を探すために、古本屋巡りに精を出しました。思い返すと青春時代の一部にいつも古本屋巡りがあります笑。今ほどネットで本を注文できる地盤がなかったですし、著者の作品を探すつてが実物を古本屋で探すのが手っ取り早かったのです。今では、ネット検索ネット注文できるのでこういった手間がなくなりましたが、でも…あの膨大な量の書籍の中から目当ての著者の漫画を探すってのはなかなか楽しかったなぁ…懐かしいです。
今回紹介するのは、いくつもある作品の中から「野球」を題材にしたものです。野球漫画が大好きでいろんな作品をいくつか読んでいますが、こちら…少女漫画ですが少年漫画に引けを取らないほど好きです。詳しい内容は＜紹介＞項目で紹介しましょう！

＜紹介＞
「甲子園の空に笑え！」については、傑作集とういうことで他の短編も収録されていますが、後の「メイプル戦記」の話に続く最初の物語が、「甲子園の空に笑え！」です。のんびりした田舎の高校に赴任した女性の先生が主人公で、野球部の顧問となる話です。県予選一回戦突破を目標に掲げる部ですが、運も味方に甲子園へ…主人公の考える野球理論もなかなか面白く、それが勝ち進んでいくポイントでもあります。そして監督に応えるように頑張る選手たちも見ていて心温まります。結果がどうなるかは…是非読んで欲しいです。
また作中における主人公と野球部員達の試合でのサインのやりとりも面白いです。少女漫画と侮ることなかれ！
そしてこれの後編に当たるのが、「メイプル戦記」です。こちらは、女性の野球球団を作りたいと立ち上げたオーナーが、監督は是非にと主人公に願い引き受けることから始まります。いわゆるプロ野球の話です。日本初の女子プロ野球ということで他球団からは初め軽く見られているのですが、試合を経験するうちに変わっていきます。
登場する選手たちがまた魅力あふれる女性ばかりです。プロ野球選手を夫に持つ女性だったり、女性になった実力ある元甲子園球児だったり…それぞれの想いや決意もゆるく、爽やか、軽やかに、でもどこか真剣で一生懸命で何かに向き合っていて…読めば読むほど心が温かく、熱くなります。
もちろん、野球漫画としても楽しめます。戦略の練り方や、選手のフォローの仕方なんかも独特で読んでいて面白いので、純粋に野球漫画が好きという方にも読んで欲しいなと思います。

＜小話＞
いつもなら著者について触れるのですが、今回は野球メインに話をしてしまったので、ここで短編集でもある「甲子園の空に笑え！」に収録されているもう一つの大好きな作品について触れたいと思います。
「銀のロマンティック…わはは」というタイトルで、フィギュアスケートの話です。元はスピードスケート選手、バレエ選手である二人がひょんなことから出会い、フィギュアスケート選手として奮闘する話です。それぞれが自分自身で抱えている問題を時に明るくアップテンポに、時に辛くてもやっぱりアップテンポに周りの温かい気持ちや考え方に支えられながら乗り越えていきます。是非こちらも読んでみて欲しいです。

前号←よもぎ図書だより→次号