公的文書の性別欄に女でも男でもない性別が記載された人たち(ノリーさん、ジェマさん)

出生証明書の性別を女と男以外の性別にできて、公的な書類の性別欄にその性別を記載可能になった国がある。そのことが通信社、新聞社、出版社、WEBメディアの記事でノンバイナリーや第3の性などの用語を使って紹介される。今回は、実際に出生証明書の性別を女と男以外の性別にできて、公的な書類にその性別を記載された人たちを取り上げる。

ノリー・メイ・ウィルビー(Norrie May Welby)さん

ROCKET NEWSの2010年3月15日の記事によると、下記のように紹介された。

ノリー・メイ・ウィルビー(48歳)はオーストラリアのシドニーに住んでいる。イギリスのペイズリー出身のノリーは、男性として生まれた。20年前に性転換手術を受け、それ以来女性として暮らしてきた。しかし、ノリーは「男性とか女性という考え方は、私には合わなかった。性別って何だか嘘のようだった。それで中性として生きていくことを決心したの」とし、出身地のイギリス政府に、出生証明書の性別変更を要請したのだった。


医師らの診断の結果、ノリーの身体が男女のどちらにも分類出来ないとして、新しい出生証明書の発行が認められた。そして『特定されない性別』という新たな性を、パスポートなど全ての公式書類に記載することが許されたのだ。

http://rocketnews24.com/2010/03/15/男性でも女性でもない性別が公式に認められる/

ジェマ・ヒッキー(Gemma H. Hickey)さん


一般社団法人共同通信社の2019年3月12日の記事によると、下記のように紹介されている。

ノンバイナリーのカナダの人権活動家、ジェマ・ヒッキーさん(42)は2017年末、同国で初めてノンバイナリーを示す「X」の出生証明書を受け取った人物と言われる。Xの旅券も持ち、「自分の痛みや経験をシェアすることが社会や人々を変えていく」と世界を飛び回る。

https://nordot.app/475920674100446305

ノリーさんとジェマさんお二人の性別の変更に共通していることは、「出生証明書に記載される性別が女でも男でもない性別に変更された」ということ。この出生証明書の性別の変更によって公的文書の性別の変更が可能になった。お二人ともパスポートの性別欄の変更が可能になったことが記事で紹介されている。

イギリスとカナダ以外の国でも女でも男でもない性別が認められて、パスポートの性別欄にその性別を記載することが可能である。オルタナの2021年10月30日の記事によると、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、デンマーク、バングラディッシュ、インド、ネパール、パキスタン、マルタなどである。これらの国のパスポートの性別欄に記載される女でも男でもない性別は、「X」となる。

今回は、女でも男でもないジェンダー・アイデンティティであることが認められ、公的文書の性別欄に女でも男でもない性別が記載された人たちのことを紹介した。ちなみに日本は、まだ公的文書の性別欄は女か男のどちらかしか記載できない。日本でも女でも男でもない性別であることが認められ、公的文書の性別の変更が可能になるのか、今後の性別に関するニュースも追っていきたい。

引用した記事、関係ある記事の紹介
・ROCKET NEWS 24 2010年3月15日(月)
男性でも女性でもない性別が公式に認められる
http://rocketnews24.com/2010/03/15/男性でも女性でもない性別が公式に認められる/
注:記事の公開は、終了しました。
・ニューズウィーク日本版 2010年3月21日(日)
男でも女でもない「中性」容認の波紋(画像
https://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2010/03/post-46.php
・東京新聞 2014年4月7日(月)
「第3の性」認めます 豪最高裁
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014040702000199.htm
注:記事の公開は、終了しました。
・共同通信 2019年3月12日(火)
男でも女でもない、私の性別は「X」 カナダ人活動家が語る思いとは(画像
https://nordot.app/475920674100446305
・NIKKEI STYLE 2019年3月1日(金)
LGBT実録映画、女性から第三の性へ 自分探しの旅LGBT運動家のジェマ・ヒッキーさんインタビュー(画像 1 2 3https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41697010V20C19A2000000/
・オルタナ 2021年10月30日(土) 
パスポート性別欄の「X」記載、日本での可能性は(画像
https://www.alterna.co.jp/42173/

記事執筆者:ハマカワアツキ

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