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欲望の街の片隅で思わぬ見つけものをする

「夜の街」の印象が少し変わった話 -東京・歌舞伎町のホストクラブ探訪記-

歌舞伎町で遊ぶ

もう、そんな事をしなくなってどれぐらいの年月が経ったのだろう。
生活圏内なのに。

ある夜ふと思い立ち、夜の歌舞伎町に久しぶりに足を踏み入れた。
鮮やかなネオンが街を彩り、意味も無く大騒ぎする若者がいたり、客引きの外国人が親しげに話し掛けて来たり。

この感じ、懐かしいなぁ。

今回お邪魔したのはSNSでよく投稿を見かけるお店。
グループ店だし、普段の発信内容も興味深かったので、こちらに決めた。
初回料金は、90分3,000円。
昔は、初回料金500円とか1,000円なんて所もあったけど、あの時代がおかしかったんじゃないかな?と今は思う。

初回料金でホストクラブへ行くなんて…自分の実年齢を考えると気が引けたが、思い切って店の扉を開ける。

「いらっしゃいませ」
爽やかな笑顔のお兄さん(内勤さん)が出迎えてくれた。

SNSを見て初めての訪問だと伝えると、初回料金の説明から始まり身分証の確認などを経て店内へ。

席に着くと若い男の子が来て、飲み物や写真指名について説明してくれた。
指名はよくわからないので、おまかせ。
飲み物は缶モノをチョイス。
写真指名って今はタブレットなんだね。驚き。
飲み物も缶モノが出てくることに驚いた。SNSの動画で見て知っていたけど、本当に出てくるとは思っていなかったから。
ひと缶数百円のものが、ここでは数千円になる。
時間やそのキャストに対しての価値なんだろう。
恐ろしいような面白いような。すごい世界だ。

少し経ち、1人目のホストが席に着く。
爽やかで丁寧な物腰のかわいい男の子だ。
登場シーンは、まるでドラマのようだった。すごいな。魔法がかかったのかな?
10分弱ぐらい話した辺りで、2人目の男の子と交代。
何の話をしたかな。
お互いを知るための第一歩みたいな。そんな会話だった。
そうこうして、90分の間に6人ほどの男の子たちと話すことができた。

特に印象的だったのは、どの子も行儀よく、丁寧な接客をすること。
そして商売柄だろうけど、美意識高い子ばかり。
彼らは美についてなんて一言も口には出さないけど、見ればわかる。
ズボラな女性の自分を少しだけ恥じた。

おまけに親子ほどの年齢差で緊張して、まともに目を合わせることも話すこともできない私。

だけど、どの子も適切にさりげなくフォローを入れ、優しく接してくれた。

業界の意識が変わったのか。大昔に連れて行かれていた、いくつかのお店が悪質だったのか。今となってはどちらかわからない。

だが、挨拶もそこそこに勝手にお酒をガンガン飲むような輩は、今ここにはいない。
席に着く時も、隣に座って良いか?と予め尋ねてくれる。
私の記憶にある、大昔のオラついたホストクラブとは大違い。
綺麗な男の子たちに優しく丁寧に接して来られたら、女の子たちも魔法にかけられちゃうかもね。

気持ちの余裕が少し出来てから、店内を見渡す。この日の客層は若め。
でも、バカ騒ぎしている子は1人もいない。おとなしく落ち着いた印象。
だからと言って退屈な訳じゃない。
素敵な空間で楽しんでる。そんな感じ。
成人して間も無いような男の子も着いてくれたけど、総じてみなさん落ち着いた方ばかり。
しっかりとした印象で、日頃の従業員教育の賜物なのだろう。

おおよそ15年ぶりに訪れた歌舞伎町のホストクラブ。
昔のイメージとはまったく異なり、洗練された雰囲気と心地よいサービスに驚かされた。

ほんの90分間だけだったが非常に楽しい空間だったし、周囲の人への話のタネにもなりそうだ。
今後、通うことはもちろん考えていない。
ただ、社会勉強として考えると1度足を運んでみる価値は十分にあると思う。

-余談-
最近のホストたちはSNSにも熱心に取り組んでいる。
電話やメールだけだった頃と比べて、自分を表現しやすい反面、頭も気もたくさん使いそうだ。
単純に考えても管理するものが増えてるわけだし。
お客さんの顔を想像して、一生懸命コツコツ取り組んで行く子が今後ますます売れるのだろうなぁ。
お客さんのことを考える、というのはきっと大昔からある商売の基本なんだろうけども。

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