SARS-CoV-2起源情報局

SARS-Cov-2の武漢ウイルス研究所からの事故による流出可能性に関する信頼できる海外の文献を紹介します。メディアバイアス評価などを参照し、信頼性の高いメディアの情報を抜粋し、日本語訳しています。

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SARS-Cov-2の武漢ウイルス研究所からの事故による流出可能性に関する信頼できる海外の文献を紹介します。メディアバイアス評価などを参照し、信頼性の高いメディアの情報を抜粋し、日本語訳しています。

最近の記事

最初の人工パンデミック 1977年H1N1 ソ連風邪

*この記事の筆者はウイルス学や生命科学の専門家ではありません。このため記事における科学的見解は、すべてトピックを主題とする論文の引用であり、独自の観察に基づく意見は一切含まれていません。 SARS-CoV-2の研究流出説が取り沙汰される中、同様の、そして恐らくは歴史上最初の人工的なパンデミックの例として1977年のH1N1インフルエンザ(日本での通称「ソ連風邪」)が注目を浴びています。 このウイルスの起源については日本語でよくまとまった記事・文献が2021年8月現在ほとん

    • カルテック元学長ディビッド・ボルチモアによるSARS-CoV-2起源についての声明文和訳

      *この投稿は、2021年6月22日にカリフォルニア工科大学(通称カルテック)のウェブサイトに掲載された、元カルテック学長でノーベル生理学医学賞受賞者のディビッド・ボルチモアによる声明文を和訳したものです。原文は以下のサイトをご覧ください。 新型コロナウイルスによるパンデミックを引き起こしたSARS-CoV-2の生物学的な起源について興味や論争が再び活発になっています。 過去の類似のウイルスは動物から人間へ飛び移ることで感染が始まったと見られていますが、SARS-CoV-2

      • ジェレミー・ファラーのメールと著書からSARS-CoV-2の起源について分かること(2)

        前回の記事に続いて、ジェレミー・ファラーの著作"Spike: The Virus vs. The People - the Inside Story" から、SARS-CoV-2の起源および研究所流出説に言及されている箇所を紹介してきます。 これまでのまとめ ・イギリスのパンデミック対策のアドバイザーであるジェレミー・ファラーは2020年1月の段階で、SARS-CoV-2は人工改変の跡があると疑っていた。 ・クリスチャン・アンダーセン、エディ・ホームズ、ボブ・ゲリーなど英

        • ジェレミー・ファラーのメールと著書からSARS-CoV-2の起源について分かること(1)

          前回の投稿で解説したファウチ氏のメールに幾度となく登場した、イギリス側のパンデミック対策の中心人物ジェレミー・ファラーのメール記録が、同国の2000年情報自由法に基づいて7月5日に公開されました。 ファラー氏についてもう一度おさらいすると、2019年時点で327億ドルもの巨額資金を管理する世界第4位の慈善事業財団ウェルカム・トラストの代表であり、非政府組織として世界最大の科学研究への資金提供者でもあります。 ファラー氏は自身もオクスフォード大学で免疫学のPh.Dを取得し、

          ファウチ氏のメール記録からSARS-CoV-2の起源について分かっていること

          2021年6月1日、米Buzzfeed Newsの請求により、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の所長であるファウチ氏のメール3,234ページ分が公開されました。 この公開はアメリカのFOIA(Freedom of Information Act、情報自由法)に基づいています。FOIAは、「行政機関の情報は請求があれば、機密指定されたものを除いて公開しなければらない」という趣旨の法律です。 公開されたメール本文は以下のリンクから誰でもすぐに閲覧することがで

          ファウチ氏のメール記録からSARS-CoV-2の起源について分かっていること