[2.8]基本的なNPR表現とノード構成
"NPR"って聞いたことありますか? Non Photorealistic Rendering の略で、日本語だと「非写実的レンダリング」って言います。
非写実的レンダリング?
非写実的レンダリングとは、ざっくりいうとToonとかMangaとかマンガとか、現実世界(写実的)とは違う見せ方をするCGの手法…です。
第91回アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞した スパイダーマン:スパイダーバース のアメコミ調な表現とか特徴的ですね。
これ以降「スタイライズド(Stylized)」っていう単語をよく見かけるようになりました。(なので海外のチュートリアルとか探すときに"Stylized"をキーワードとして含めると良い)
そんな表現、特にハーフトーンをBlenderでもできないかな、って考えた人はもちろんいるわけで…(スパイダーバースの件もあって少し「ハーフトーンブーム」的なのが起きていた様子)
ただこのページではハーフトーンとかは扱わずに、入口となる部分を紹介するにとどめます。
Cycles vs Eevee
でも、その前に「どのレンダラを使うか」という選択が待っています。2.80だと Cycles と Eevee という2つのエンジン。Blender Merketだと2つともありますね、売られているシェーダー。
ただ、2.80からはレスポンスの点で圧倒的に Eevee が選ばれると思います。ということで Eevee のNPRの基本形、Toonシェーディングのマテリアルを紹介します。
手っ取り早く自分で作るトゥーンシェーダー(Eevee)をお探しの方はもろりんさんの記事がまとまっているのでそちらを参照ください。
基本のマテリアルノード:Toon(Eevee)
Eeveeで陰影を滑らかな色の変化ではなく、少ない色で表現するToon調の基本的なノードはこのような構成です。
2.80から「RGB値を直接Material Outputに渡した時に表示されるようにはなった」ので、Emissionノードを取り払えます。(が、コンポジットで情報欠落するのでEmissionシェーダーなり噛ませておいてください。)
簡単にいうと、Diffuse BSDF シェーダーで出力された色の濃淡をColorRampノードで対応する色に変換しているノード、ってことですね。
同様のことはこちらの記事でも触れられていますね。
カラーマネージメントのTransformは"Standard"を指定して「白を白に」
2.80から、カラーマネジメントのView Transformの初期値が Filmic になりました。これを Filmic から Standard に変更します。「マテリアルで真っ白に設定したはずなのに真っ白じゃない」場合にはここをチェックします。
なお、上記「カラーの出力」を直接マテリアル出力に繋いでいる例はこう…「(間違って)受け継がれる秘伝のタレ」みたいになかなか消えてくれない様子。割とシェーダーと輪郭線のみで「セルルック 」って言っても特に海外では通じないケースが多いのでそこは注意が必要ですね。
ハーフトーンの作例
そのほかの情報
「Eevee のセルルック技法まとめ」にNPRな設定が掲載されていて、大いに参考になります。法線編集、コンポジットを使ったセルシェーディング表現、輪郭線の表現などもあるので他のページも合わせて確認するといいでしょう。
NPRな手法としてFreestyleという輪郭線を描く機能を使用する、というものがあります。これを利用した作例がまとまっていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
上記を書かれた @murakawazuhiro さんの書かれたCGWORLDの記事もオンラインで読めますのでそちらもチェックしましょう:)
ご本人曰くWeb版はCGWORLD誌の記事に加筆されているとのこと。
また、BlenderNPR というサイト及びFacebookグループがあり、NPRの話題を提供・交換しています。こちらのニュースフィードをチェックするのが良いと思います。
そのBlenderNPRですが、The BNPR Show として月初に公開される、月ごとの「NPRな話題のまとめ」のようなものを始めています。
Twitterでは #bnpr タグで検索すると良いですね。
なお、#npr タグは National Public Radio の話題のためのタグなので BlenderのNPRな話題はこのタグつけないように、ってお達しが出ております。
See Also:
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