Hvalaセルビア‐25:メイドと Chitchat
ホテルに到着し、フロントでチェックインを済ませる。
レジストレーションカードに記入をし、パスポートを見せるとコピーを取っても良いかと尋ねられた。「Sure (いいですよ)」と答える。
手続きの間、レセプションの女性は終始片手にスマホを持ち、テキストらしきを送っている。最初はスマホ端末を使ったチェックイン処理かと思ったが、テキストを見ながらニヤニヤしている様子を見ると、仕事ではなさそうだ。「なんだかぁ」という感じはするが、部屋ができあがっているので無料でアーリーチェックインをさせてくれるというだからヨシとする。
手続きを済ませ、小さなロビーにあるエレベーターに乗り、客室がある階へ上がる。カードキーに書かれた部屋番号の辿り着くと、半ドアになったドアのすぐ横にハウスキーピング係の清掃用カートがあり、部屋の中で人の気配がした。
レセプショニストがミスったな、と思いながら、半ドアの白いドアをコンコンと叩いてみた。すると、「ダ~」とか何とか言いながら、メイド服を着た女性が顔を出した。「Check-in」と言いながら彼女にカードキーを見せると、セルビア語で話しかけてきた。
これまでの人生経験上、言葉が全く通じないことあまり抵抗がない。
加えて、なんとなく話していることが察知できる能力が身についている。
身振りと様子から、「あー、この部屋に泊まるのね。今、掃除が終わったところなのよ。後はタオルを置くだけよ。さぁさぁ、部屋に入ってベッドに座って待っていて。すぐ終わるから」と言っているような気がした。
促されるままにスーツケースを引いて部屋に入り、ダブルベッドの隅っこに腰掛けた。彼女の言うように部屋は十分整っていた。
隣の建物の壁が接近していて窓から景観を楽しむような部屋ではないが、事前の口コミ情報で分かっていたことなので問題ない。
メイドの女性は清掃カートからバスタオルとハンドタオル、備品をもってバスルームに入ると、数十秒後に顔を出し、「できたわよ!」というような言葉を口にした(と思う)。
サンキューと返すと、親しみを感じる優しい笑顔で「チャイニーズ?」と私に尋ねた。
「ノー。ジャパニーズ。ヤパンカ」
「オー、ヤパンカ―!アローン(Alone)?」
「イエス、アローン。Sightseeing(観光です)」と答えると、彼女はにっこりと笑って「エンジョイ」と言い、退室した。こんな「Chitchat(たわいもないお喋り)」も旅の思い出になる。
はぁああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ、と大きなため息をついて、ダブルベッドに背中から倒れて寝そべった。
遠かったー、と声に出してみる。
天井を見上げながら、今日半日をどう過ごすか考えた。
時刻は午後2時すぎ。さほど空腹も感じない。疲労と睡眠不足を感じるものの、短い滞在期間だ。ここは睡魔を無視して街に駆け出したい。
ベオグラードで行きたい場所。
★カレメグダン公園
★聖サヴァ教会
★二コラテスラ博物館
★ユーゴスラビア歴史博物館
★1999年NATOによる空爆跡
★聖マルコ教会
さぁ、どこから見ようか・・・
※To Be Continued「Hvalaセルビア‐26」へ続く。