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偶さか日記17

イラストやスタンプは全て嘉又夢了氏
文中の凌司君は氏のキャラクター。
事前に関係を組んでいます。

主な登場人物


万禮ばんらい久幸ひさゆき、ヒー、始祖:
かど凌司りゅうしのバンパイアにおける直系始祖。
かど凌司りゅうし、りゅーし:
万禮ばんらい久幸ひさゆきのバンパイアにおける直系係累。
左から
土果とか久幸ひさゆき凌司りゅうし二人の伴侶犬。
恵玄よしはる:凌司の後天性加護精霊。トゥから贈られたカーボナードの精霊。
左の右側がキャレンタ。ファッションデザイナー。

5月24日

トゥチャンにキャレンタ君の慰労会に呼ばれて、凌司君と土果と一緒に環を持つ土塊の星の711号室に行った。
ドレスコード部屋着は最高だ。
奮発して質も量も追求した酒を担いで行った。
ベランダに土果用のトイレコーナーを作ってくれていて感動した。
動物を伴侶にする法律が整ってる所で生きてる子達は発想が違うな。
大いに見習うべきだな。

5月25日

昨日教えてもらった土果の故郷の犬用トイレコーナーを圭家一階駐車場の一角に作った。
所謂砂場だ。コッチだと猫のトイレ用の砂が良い仕事をしそうだから数十リットル買ってきてレンガで囲った枠に入れた。
ダメ元で脇に芝生を置いといたら、自分で芝生を通って砂を落として屋敷内に戻った。
賢い。賢過ぎる!

5月26日

ナリスチャンの誕生日に凌司君が息子の教科書を贈ってるのを見て、俺の直系兄弟分(始祖が同じバンパイア。)の中に私立校のオーナーが居た事を思い出したから、体験入学みたいな事ができないか相談の手紙を送った。
包み隠さず他星の体格の小さい獣人の子達で、魔法で何時間かはニンゲンの姿に擬態できる事も書き添えた。
返事が楽しみだ。

5月27日

バイト先に紀藤君が来た。
紀藤「オフ会に着ていく服を見繕って欲しいんだ。ちょっとお洒落に見せたい人が来るからさ…こないだサイズ展開広いって言ってたし、頼れるかなと思ってさ。」
俺「おー!嬉しいよ。何色好き?」
紀藤「うーん、パキッとしてない赤系かな。」
俺「ワインレッドとかの青み系と朱色とかの黄み系だと?」
紀藤「好きなのはワインレッド系だけど着ちゃうとイマイチ馴染みが悪いんだよね。」
俺「ああ、だからチェックの挿し色に黄み足してるのか!分かってんじゃん!」
紀藤「へへっ。」
俺「他の人はどーゆー系が来そう?」
紀藤「どうなんだろうな?1人はサバ系だけど、1人は完全に俺と似た感じで、2人が非オタな匂いがするんだよね…。」
俺「サバって?」
紀藤「サバイバルゲームの略、多分ミリタリー系だと思う。」
俺「ほうほう。お洒落に見せたいターゲットはどのタイプ?」
紀藤「正直なハナシ全員。」
俺「うん、正直なハナシは大事だよ。じゃ、目立つのとあんま目立たないのドッチが良い?」
紀藤「美容院行く程の気力は無いからさ、このままでイケるんなら、少々は目立っても……うん、目立っても…。」
俺「良し良し、無理は禁物だよ。美容院行かなくてもさ、前髪を俺みたいに留めるのも嫌な感じ?」
紀藤「別に嫌じゃないけど…外で視界が開けるとビビるんだよね。」
俺「ああ、バァンと目に飛び込んでくるから疲れるんだろうな。」
紀藤「そうそう、正しくそう。情報量多いと付いてけないんだ。」
俺は私物のスリーピンで紀藤君の顔周りの髪をアップにして留めると、商品のベッコウ柄のリムに極薄い褐色のレンズのサングラスを紀藤君に渡した。
俺「紀藤君真面目だからな。入ってきた情報を処理しようと頑張っちまうんだろうな。薄い色のサングラスとか伊達眼鏡掛ければ大丈夫じゃねぇかな…どう?」
紀藤「ウワ…凄ぇラクだよ。でもコレ屋内だと目立たない?」
俺「周りによるよな。コッチの伊達眼鏡なら絶対に目立たねぇけど、紀藤君的に見え方はどうよ?疲れねぇ?」
紀藤「へぇえ、プラスチック1枚隔てただけでもラクになるモンなんだな。」
俺「おー、良かった良かった。なら、その頭部に合わせて服選ぼうぜ。」
紀藤「凄いな、選択肢が百倍になった気がするよ。」
俺「ミリ単位で分け目変えるだけでもイメージ変わるから試してみると良いよ。あとテキメンなのは顔剃り。うぶ毛を額から首まで剃るとスッキリする。」
アレコレ話しながら試して、紀藤君はベッコウ柄の伊達眼鏡と、同じくベッコウ柄のスリーピンと、張りと艶のある焦げ茶色のジレをウチで、同じ色目の厚底軽量ブーツを隣で買って行った。
紀藤君はチェックシャツもデニムもきちんとした作りのを持ってたから安心してシャツとパンツは手持ちのを合わせれば良いと思った訳だ。
姿勢の正し方を試着室で教えた。便所に行く度にツムジを持ち上げる癖をつければ何時か身につく。姿勢は全てを仕上げるし台無しにもするからな。


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