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偶さか日記19(暗夜迷宮PC日記)

イラストやスタンプは全て嘉又夢了氏
文中の凌司君は氏のキャラクター。
事前に関係を組んでいます。

主な登場人物


左から
万禮ばんらい久幸ひさゆき、ヒー、始祖:かど凌司りゅうしのバンパイアにおける直系始祖。
かど凌司りゅうし、りゅーし:万禮ばんらい久幸ひさゆきのバンパイアにおける直系係累。
土果とか久幸ひさゆき凌司りゅうし二人の伴侶犬。
恵玄よしはる:凌司の後天性加護精霊。トゥから贈られたカーボナードの精霊。
久幸のバンパイア関係者。
下段右がにのまえ慈士ちかし

6月1日

凌司君は安定しているように見えるが、また異界での記憶を落としてた。
医者に任せるしかねぇのが歯痒い。
知覚鋭敏化に慣れないと本人が困るというハナシをして凌司君に覚悟を決めさせて、午前の間だけ抑制が効くように屋敷と病室の結界を張り直した。
午後は吐いてもらう。というか、起きてる間に訓練する。
アホなヤツは全ての知覚をそのまま受け取り続けて勝手に神経症になって狂って厭世してゆくが、マトモなヤツ等は手前を訓練して必要な時だけ鋭敏な知覚を活用する生き方をしている。いずれは嗅覚だけ聴覚だけ触覚だけと開放をコントロールできるようになる。
知覚拒絶は得意なヤツと苦手なヤツに分かれるが、予測通り凌司君は苦手な人種っぽい。
考え方として人間関係の拒絶と変わらねぇから納得だが、どうやって教えたもんかね…俺は拒絶が得意な人種だったんだ。


6月2日

朝食後にやっと思い付いた。
直系兄弟分(始祖が同じバンパイア。)の特別バンパイア学級ってのは知覚抑制とかをナントカしてくれるんじゃねぇの?
学園の案内パンフを確認する。
「ニンゲン年齢もバンパイア歴も関係無い、種族も(ペットもって意味。)関係無い、バンパイアとして生きるに当たり必要な事(例:法律・マナー・知覚抑制・バンパイア専用機関の利用法等。)を身に着けさせる特別学級です。」
ホラな。今回の異界が片付いたら…
「義務教育クラス・通信eラーニングクラスも完備。」
通信クラス?!
兄弟分に電話を掛ける。
俺「ニノマエ・モリエイティス・慈士チカシ先生?
万禮久幸…フィデンツィオです。」
慈士「ああ。きちんと久幸で覚えたぞ。元気か?」
俺「そこそこな。
俺が同族化しちまったヤツを学ばせたいんだ、早急に。」
慈士「行儀が悪いのか?」
俺「行儀はすこぶる良いよ。
知覚抑制を覚えさせてほしいんだ。
拒絶が苦手な人種だから俺じゃ教え方が分からねぇからさ。」
慈士「喜んでお受けするとも!」
俺「助かるよ。
急いではいるんだが今は怪異対抗中で通えねぇんだ。
通信教育があるって読んで思わず電話したって訳だ。」
慈士「知覚抑制を通信で?
うむー…久幸がついててやれるならば、我々が導く事は…できるか。
うむ、できるだろう。
教科書を送るから先ず読ませておいてくれ。」
俺「グラッツィエ!
支払いは学校で良いのか?慈士の私的口座にしとくか?」
慈士「学校だ。私は変わらず堅いぞ。」
俺「安心したよ。
真面目なヤツだからできれば堅い人に預けてぇからな。」
慈士「うむ、そういう事情なら自信満々だ。
プロファイルを協会から学園へ送らせてくれ。
我が校の生徒として登録し、でき得る限りの支援を約束する。」
俺「押忍。宜しく。」
助かった!凌司君ツイてるなぁ!


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