27: 風に吹かれど湖面は揺れず。
いろんなものが透けて見えてくる。
手の動き、眼差し、息遣い、
空気感の機微
齢を重ねて、動きには
人格や世界観が出るのだと思うことが増えた。
先日、素敵な男の人に出会った。
容姿も素敵な人だったけれど、目の奥から、すーんと心まで下りていくようなクリーンな眼差しから、その人の内にあるサンクチュアリの景色が見えてくるような感じがして、美しいと思った。
その人が見ているものは、なんのフィルターも通さず、偏見もなく、そのまんまの形で、その人の大切な場所に入っていくんだろうと思った。
ごくごく自然な真っ直ぐさだった。
世界や自分の見ているものへの疑いがない。
− とでも言うのだろうか。
10年に1回くらいこういう瞳をした人に出会うことがあるけど、
多分、ここ最近で出会った人の中で一番、瞳の奥が澄みやかだった。
あの澄みやかさを形容するぴったりの言葉や言葉の紡ぎ方を私はまだ持ち合わせていないのだけど、スーと入ってきた感覚と感触をよく知っている。
15年程前、瞳の奥を覗き込んでヒーリングするみたいなものを受けたことがある。
覗き込まれた瞳の奥から、心の奥のどこかまで、スーッと入ってこられる感じがした。その時は、その入ってくるものをこれ以上は入れられない。と、瞳をそらしてその入り口を閉じた。警戒心だったのだろう。
瞳の奥から入っていける場所というのがあるのだとしたら、私はそこに入れる人をものすごく選んでいるし、私の意思とは別のもので選別されているのだろうと思う。
なのに不思議だ。
その人は、なんの躊躇いもなく私の瞳の中をのぞき込んで、ごくごく自然に瞳の奥から内側に下りてきた。
それは、木洩れ陽が地面へスーッと降りてくるみたいな感じで、ぬくもりすら、安心すら感じ、安全だと思った。
こんなにもあっさりと入ってこれたのだから、抗うことは何もない。
必要なのだろう。と、私も、その人の瞳を見た。
冷静に振り返ったら、私たちはどうしちゃったんだろうと笑っちゃうし、傍から見れば、おかしい光景だろう。
じっと見つめあって動かない中年二人。
その人とはその日、初対面だったのだけど、不思議と恥ずかしいという気持ちは微塵と湧かなかった。おそらく、その人もそうであったろう。
あの時、私の中では、鍵の照合と開錠と開通が行われていた気がする。
その人と私の瞳孔と虹彩を照合し、頑丈で精妙なロックを開錠し、私の聖域へと続く1本の筋道の中に、光がサラサラと降り入ってきて、「大切なものの在処」その辺りを照らされた気がした。
私はそういうものを感じたのだけど、
逆に、その人には一体、何が見えて、何を感じていたんだろうか。
兎にも角にも、あれは、なんだったんだろうなぁ、と不思議な感覚を数日かけて咀嚼した。
体感として知ってるのに、言葉が見当たらないもどかしさを数日。
少し経ってから、ある時、
ふと頭の中に物語が入ってきて自動再生された。
「遠い昔、その人と双子だった人生の時のこと。神職で神に仕える仕事をしていた。それはそれはとても仲良く、いつも一緒だった。陰陽の二個一とでもいうのか、同じで、反対で、反対で同じものを持っていた。いつも一緒にいたいと思っていたけれど、それぞれ果たすべき任を命じられてそれぞれ旅にでた。何度かの魂の旅を経て、その任務でそれぞれ手にするべきものを手にした今、再会を果たした。」
何度生まれ変わったんだろうか。
長い旅だった。
長い旅になるとわかっている別れだった。
でも、必ず再会するともわかっている旅だった。途中で、記憶を無くそうとも、必ず、再会する。
たぶん、あのとき、
再会するときのために、自分たちだってわかるものを交換したんだ。
でも、その交換したものが何か、記憶にはない。お互いがお互いの何かを持っていて、完成させられる。そういう類の何か。
でも、私は意識では、それが何か、わからない。ただ、私も何かを持っています。あなたも持っているんですね。という感覚だけ。
多分、その人の方が多くのことを覚えているのではないか。そんな気がする。
約束の時、場所までなくすことなく、奪取されることなく運ばなければならない。守らなければならないから、人が見つけられない場所に、自分でも見つけるのが大変な場所にそれを仕舞った。
精妙に隠しすぎて、自分では取り出せないそれ。わたしが忘れるという方法で守ってきたそれの在処。
その人には、その場所が見えていて、その場所に入って行って取り出せるんじゃないか。そう思えた。
そもそも、その大切なものとは、なんなのだろうか。
それすら、私は忘れている。
ひとしきり、物語を見た後、
あの日の見つめ合いは、ダウンロードだったんだ。と腑に落ちた。
これまでの魂の旅の記憶をダウンロードしながら、
お互い変わってないよね。お互いにちゃんとあれを大切に守ってきたよね。言われたものをちゃんと持って帰ってきたよね。の確認。
同じものを持ってて、
同じように守ってきて、
同じように絶望し、
同じように信じ、
同じように疑問をもち、
同じように愛を知って、
同じように世界をみている。
そういう質感。
不思議だなと思って、
これはなんなんだと、また数日咀嚼した。
そもそも、その人の瞳に感じたものは、なんだったんだろう。って考えた。
「明鏡止水」
と出てきた。
静かに周囲の景色を写している美しい湖と木々を揺らすクリーンな風がさわさわと吹く。
風がふいているのに、湖面はわずかな波も立てず、何一つ動いていない。
そういう静寂が広がっている場所
その湖畔で木にもたれて座っている。
静寂の向こうの音を聞いている。
そんな風に目を閉じて座っている姿が見えた。
その人が受けている風は、湖に吹いている風とは別の風
ここにいながら、ここの次元にはいない。
その人も、生きていることが辛かった時があるのだろうか。
自分と人がいる場所が違うという分離感や居場所への渇望を長く感じ続けていたことがあったのだろうか。
静寂の向こうを見なければ、見つけることができないものを感じるために、目を閉じ、わずかな心の音に、空気の機微に、耳を傾け、目を向け、風を受けている。
同じかもしれないな、と思った。
喧騒の中で明鏡止水を保ちながら、本当に見ているのは、その静寂の向こう側。
外側から見えてる姿と内側は全く別なのだろう。 その内側にあるものが、わかるような気がした。気がしただけだけど。
世界を映し、飲み込みながら、でも、見ているものは世界でも、他者でもない。何にも干渉されずにポツリと存在し、本質的で、哲学的な疑問を己と世界に向けている。
ある種の渇きと飢え、渇望を超えて、孤独と分離を知り超え、
統合へ向かう者
その人から感じたのは、
絶対的な安心感と守護感・太陽感
だったのかもしれないな。
答えに出会えるかもしれない。
あと、生まれ変わった回数が多いんですね。。
不思議だ。
不思議だ。
何度考えても不思議だ。
この感覚はなんだったっけなぁ。
と感覚を辿る。
知っているのに、思い出せない。
何を思い出そうとしているのかも、わからないけど、ただ感触を手がかりに辿っていくもどかしさ。
あと少しなのに。
なんにせよ。
何やら魂の同士に出会ったのかもしれません。
インパクトあるわぁ。
ぶっちゃけ、
ソウルメイトとか、そういうことは全く興味がないのに、そういう言葉がしっくりくるんじゃないかと思うので、ちょっと複雑な気持ち。
*
Today’s Essential Oil
セイクレッドマウンテン (by Young living)
全てある静かで華やかな山の奥の香り
神と出会える場所の香り。
*
愛深く、ピュアに。
あなたが目覚めるアロマテラピー
Awaken Your Sanctuary With Essential Oils
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