
広島人の僕が千葉ロッテを応援する訳(前編)
師走のみぎり、ますますご清祥でご活躍のこととお喜び申し上げます。
前回更新はおそらく半袖の時期でしたね。全く何をしていたんでしょうか。これは偏に私の怠惰と飽き性の賜物であります。(そこまでじゃないよ!ここ数ヶ月の出来事についてはまた後日だよ!)
10月末まで、日々の営みは常に汗と共にありましたから、ダウンやコートが手放せなくなる季節が来るとは想像だにしませんでした。辛いとき「止まない雨はない」などと月並みで使い古された慰め方をされたこともあるでしょうが、もしかすると「10月末まで半袖でもひと月経てばダウン着てるよ」の方が我々の心に響くのかもしれませんね。
前置きも長くなりまして、今回は広島人の私が千葉ロッテマリーンズに心を奪われ、現在もお熱なのか、その理由をお話したいと思います。外は大変寒いですから、どうぞこたつやお布団の中でごゆるりと。
広島ファンからロッテファンへ
1.兼任時代
※本稿において「カープファン」と「広島ファン」の表記揺れが見られますが、本人的には広島カープを応援していたころの私は「カープファン」、現在の視点や彼らを一般論として扱うときは「広島ファン」と表現しているようです。
私は生まれも育ちも広島なのですが、ここでは野球に興味を持つということは即ちカープファンになるということとほぼ同義なんですね。もちろん私も例に漏れずカープ大好き少年になりました。広島市民球場にも観に行ったことがあるんですよ。横浜ベイスターズにボロ(球場の悪口ではない)負けしていました。
憧れは前田智徳で、友達に連れられた引退試合では大号泣。アルファベットをCから習う赤い地で、着実にカープファンとして成長していきました。

しかし恋多き少年時代の私は、広島では全く報道されないパ・リーグの、しかも最も不人気な千葉ロッテマリーンズ君のことが気になってきちゃったんです……
当時、ロッテの選手といえば投手陣に成瀬、渡辺俊、唐川。野手陣には西岡、井口、サブロー、福浦、今江、里崎。豪速球やHRを連発する訳ではないものの、個性的な選手に溢れていた時代です。個人成績こそ圧倒的とは言えないものの、個性がぶつかり合って化学反応を起こす2010年千葉ロッテ。加えて12球団イチのカッコよくて迫力ある応援に魅了された我々世代の野球少年は少なくないのではないでしょうか。
こうしてカープファンとロッテファンを兼ねながら応援する日々は、2016年まで続きました。とはいえ当時はインターネットに触れることも少なく、地元メディアはカープカープの大合唱なものですから、ロッテに触れられる機会は年に一度の交流戦に加えて僅かに放送されていたNHKBSとBS12トゥエルビくらいだったのですが。
2.カープとの決別、ロッテ一筋に
2016年までは兼任、2017年からはロッテ専任となった訳ですが、この期間に何があったのかというと。
2016年、緒方カープは前年復帰した黒田、新井の両ベテランに田中、菊池、丸、鈴木誠をはじめとした若手の融合で爆発的な強さを見せ、25年ぶりに優勝しました。これは本当に嬉しかったです。
閑古鳥が鳴く球場で弱く勝てないあの広島カープ。それが甲子園の半分を赤く染め上げ、いつの間に「カープ女子」とやらも出現し、一気にプロ野球界の中心に躍り出た感動、黒田と新井の熱い抱擁や涙は今でも鮮明に覚えています。
それと同時に、「このチームのファンとしてやることはもうないな」という気持ちになってしまったんです。
カープは弱いと言いながらも、私がカープファンになってからは年々少しずつ順位を上げ、若い選手も成長していき、最後はかつての仲間も加わって優勝までしてしまったものですから、
ポケモンで言うところの「でんどういり」を達成してハナダのどうくつでミュウツーを捕まえたような気持ちになってしまったんですね。
一方、2017年の千葉ロッテは歴史的な弱さを全国のプロ野球ファンに見せつけました。あまりにも酷いので、ここでは割愛させていただきます。

しかしこのシーズンが、私にロッテファンとして生きていく決心をさせてくれました。
同年の広島カープはリーグ2連覇を達成し全盛期の最中。兼任のはずだった千葉ロッテはボロボロ。ただ強いだけのチームに全く魅力を感じない私にとって、どちらを応援したいかは明白でした。
今までプレイしてきた初代ポケモンでぜんこくずかんを完成させるよりも、金銀の世界で新たな冒険をしてみたくなったんです。
以来、千葉ロッテマリーンズ一筋に応援しています。マツダスタジアムなら頑張れば自転車で行けなくもないですが、ZOZOマリンに行くためには夜行バスで片道14時間ほどかかります。それでも、広島ファンに戻ろうと思ったことは一度もありません。
長くなりそうなので後編に続く。キートン山田がそう言っているので。
懲りずにお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
(選手敬称略)