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『ありふれた傷を』歌詞解釈
『ありふれた傷を』
(りえたく1stシングルCD『序章と時鐘』収録曲)
CDはまさかの発売開始前日に完売!!
デジタル配信はこちらから
MVはYouTubeからどうぞ
りえたく1stシングルCDが発売されました☆
しかし発売開始前に完売て!!(笑)
発売当日11月15日のアルバムデイリーランキングでは…
レコチョク 2位!!
dミュージック 2位!!(レコチョクと協業提供の配信サービス)
music.jp 9位!!
おめでとうございます!!! (≧▽≦ノノ゙☆パチパチパチパチ
凄い!!!家畜として嬉しすぎます 。゚( ゚^∀^゚)゚。
この曲は『白炎』と同様、いや『白炎』以上に、
歌詞が、メロディーが、歌声が、胸にグサグサと突き刺さる素敵な曲です!
その分、歌詞解釈にも丁寧さと慎重さが求められるわけで…
今回もなかなか苦戦しました (- -;)
が、とある事情のため急ピッチで仕上げました!
『ありふれた傷を』を文芸ジャンルに例えると、随筆かなと思います。
事実や体験にもとづく思想をありのままに作品として昇華した曲。
そんな風に感じます (^^)
※あくまで私見による解釈であり、作詞した りえいくん本人が意図する解釈とは異なっている点もあるでしょうし、解釈の仕方は人それぞれ自由だと思います。私の歌詞解釈を読んでくださった皆さんが りえたくの音楽をより楽しめたり、皆さんと りえたくの音楽の素晴らしさを共有したりすることができたなら本望です。
※[]は歌詞からの引用を示します。
※歌詞と同様、この歌詞解釈も、書いている私自身でさえ胸にグサグサきて苦しいので、読まれる際はご自身のお気持ちと相談しながらにしていただければと思います。なお万が一、この歌詞解釈を読んだことによってお気持ちに大きな揺らぎが生じた場合も責任を追いかねますことをご了承くださいませ m(_ _)m
◆構成
1Aメロ→1Bメロ→1サビ→2Aメロ→2サビ→Cメロ→落ちサビ→ラスサビ
◆1Aメロ
自分の気持ちを偽って行動し、[隠したい言葉を選んで]発言する。
そんなことを繰り返す人生は一体誰の為なのか?
[自分の為だか分からなくなった]。
ふと、偽りの自分、そんな自分がまかなう人生に嫌気がさします。
◆1Bメロ
偽りの自分がまかなう人生はどうでもいいことばかりで、[このままいっそ全部手放して]しまいたくなる。
でも それを[躊躇う私]に気づかされるのです。
こんな人生にも捨てられない[未練がある]ことを。
そう気づいた自分自身を溜息混じりに嘲笑う、そんなシーンが浮かびます。
◆1サビ
この曲には[私]と[僕]という2つの一人称が登場します。
[僕]は[見えない奥]に傷を負っていて、その傷口が[誰かの唾]、誰かが吐き出した心ない言葉によって[抉られてくから]、傷を隠し庇う。
一方、[悲しい時に苦しいと 辛い時に辞めたいと言えない私]。
本当の自分が[僕]。
[僕]が傷を隠し庇った結果生まれた偽りの自分が[私]。
私はこんな風に考えます。
[悲しい時に苦しいと 辛い時に辞めたいと]言わないことは、一見辛抱強いことのように思えます。
でも反対に、自分の弱さを正直に曝け出すことが怖い、曝け出したら自分が壊れてしまいそう、そう考えると弱さを出せない[私]は弱くて脆い。
◆2Aメロ
[あなた]が[僕][私]にとって どういう意味を持った人物なのか、歌詞からは明らかではないですが、きっと身近な存在だと考えます。
[あなた]に[つられて私も笑った]。
本当は笑える気持ちじゃなかったけれど、[見たくないもの]を見て見ないふりして忘れたことにして、[気持ちを造った]。
身近な人の前でさえ本当の自分を見せずに、偽りの[私]でいたのですね。
なんか、すごい孤独感…。
◆2サビ
そんな風になってしまった自分自身を[化け物になってしまった]だなんて、なんて悲しい言葉でしょう (><)
[化け物]人間味に欠けていて、どこか気味が悪いイメージ。
本当の自分[僕]と、偽りの自分[私]との間にギャップがあり、その乖離や、本当の自分が偽りの自分に支配されていくことが恐い心情を表しているのではないかと思います。
MV中に登場する赤文字の文章に「乖離していく自分が恐い」とあり、このように考えました。
そんな自分に耐えられなくなって、[汚れた瞳の黒から赤く染まるようにナイフで抉ってしまった]。
この表現、強烈なインパクトがありますよね。
ナイフで抉ることで流れ出た赤い血で[汚れた瞳の黒]を染めて掻き消そうとした描写。
自分を自分で傷つけて強い痛みを感じることで、人間らしさ、本当の自分を取り戻そうとしたのでしょうか?
それでも[泣きたい時に逃げたいと 惑う時に誤魔化してしまう]。
いつまでたっても偽りの自分[私]としてしか生きていけない自分自身に憎しみさえ感じます。
◆Cメロ
[盲目になった]とはどう意味でしょうか?
[盲目]には「目が見えないこと」という意味と、「比喩的に、物事の分別がつかないこと」という意味があります。(岩波国語辞典 第7版 新版 より)
[汚れた瞳]を[ナイフで抉ってしまった]から視力を失った。
偽りの自分[私]が、本当の自分[僕]を見失ってしまった。
こんな風に解釈できるのではないかと考えます。
そんな[私]は[冷たい風が染み付いて壊れそうだ]とあるように、本当は今にも壊れそうなくらい限界寸前なのです。
それなのに、[泣くに泣けないことが良かった]だなんて…(涙)
でもこの歌詞、個人的にはすごく胸に刺さり共感できました。
弱みを見せられない自分。
本当は今にも涙が溢れ出しそうだけれど、誰にも見られたくない。
泣いてしまったら終わり。
だから[泣くに泣けない]状況で[良かった]。
しかし言葉とは裏腹に、本当の本当は、心から泣ける場所を求めている。
こんな心情も込められているフレーズなのではないかと感じます。
[私の姿は見えていない あなたの姿も見えないことが 何より良かった]
身近な人にさえ、身近な人だからこそ、見せられない姿、見たくない姿ってありますよね。
[化け物になってしまった]そして[盲目になった][壊れそう]な自分を[あなた]に見られなくてよかった。
切ない… (/ _ ; )
◆落ちサビ
遂には[僕の心は死んでしまった]。
偽りの自分[私]が、本当の自分[僕]を見失ってしまった。
本当の自分が偽りの自分に支配されてしまい、自分が自分でなくなった。
[誰もが]、[あなた]さえも[離れてしまった]のは、[自分を深く傷つけてた罰だ]。
本当の自分を押し殺して、誰からも遠ざけて、自分を自分で深く傷つけた悲しい顛末。
そんな自分を、そんな人生をやり直そうと思っても[今更遅いかな 消えてしまおうかな]
消えないでー!(´;Д;`)
◆ラスサビ
[今は痛みも感じなくなった] 強がり!(><)
[少しも痛いところがない] 嘘吐き!!(/ _ ; )
[少しだけ胸の奥が軋むのはどうして?]
少しなんかじゃない癖に!!!(T_T)
(失礼いたしました。つい私情が入ってしまいました…。)
でも、本当はそうだと思います。
[今は痛みも感じなくなった 少しも痛いところがない]とこの期に及んで、まだ自分に言い聞かせて誤魔化そうとしている[私]。
本当は真逆だということは、たっくんの泣き叫ぶような歌声から教えられました。
[少しだけ胸の奥が軋むのは]隠しきれないほどの深い傷が強く痛んでいるから。
その傷の痛みに[私は何にも慣れていない]んですよ!
最後にそのことに気づけてよかった…。
気づけたから、[正直に生きてやるんだ]って思ったんですよね?
[今はまだ狭い世界で 生きる私だ]けれど、消えずに生き続けることにしたんですよね。
いつかは、本当の自分を開放して、広い世界で生きる[僕]に出会えますように…。
◆タイトル『ありふれた傷を』
[僕]と同じように、誰しもが心の奥に何らかの傷を負い、隠し庇いながら生きていると思います。
だって、人間だもの。
誰しもが何らかの形で[ありふれた傷を]持っている。
[ありふれた傷を]隠し庇いながら生きている。
りえいくんは、そんなことを伝えようとしているのでしょうか?
そして、この曲を聴いた人の[ありふれた傷を]ただありのままに認めてくれる。
◆おまけ
『ありふれた傷を』がこんなにも胸を打つのは、歌詞の文法的特徴も関係しているのではないかと推察します。
皆さまはお気づきでしょうか?
りえたくの他の曲(2020年11月16日時点)の歌詞にはあって、『ありふれた傷を』の歌詞にはない文法的特徴を。
(ヒント:↑の文章でも出てきています)
それは、倒置法と体言止めです。
歌詞の全ての文章が、一文として綺麗に成り立っているのです。
文の構造について考えなくてもいいので、歌詞の言葉がダイレクトに心に届くような気がします (^^)
また、私はこの曲を聴いた時、直感的に、「歌っている」というより「朗読している」ように聞こえたんですよね。
もちろん、作曲も大きく影響していると思いますが、歌詞の文法的特徴もあるのかなと思いました。
りえいくん、そこまで計算して作詞していたのでしょうか…?
おそるべし!! (笑)
この曲を聴くと、心の奥の奥の方まで たっくんの歌声が入り込んできて、胸がぎゅ~っと締めつけられます。
知らぬ間に涙がつーっと頬を伝っていることに気づいてハッとします。
その後はもう、瞳から雫が溢れ出る (´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
個人的に、この曲は自分が誰にも気づかれないように心の奥の奥に鍵をかけて隠していた想いを言い当てて、認めてくれるような曲だと思います。
だから、この曲を聴くと安心して心から泣けるように感じます。
それには歌詞だけでなく、たっくんの歌声も大きく深く関係していると思います。
たっくん独特の優しく丸みを帯びた包み込むような歌声。
歌詞自体は苦しいけれど、たっくんが歌うと切なさの中に心地よさを感じます。
りえいくんが紡いだ言葉を誰よりも近くにいるたっくんが歌うからこそ表現できるものに心が震えます。
聴けば聴くほど、好きになる1曲です ♪
ここまで読んでくださり ありがとうございました (* ᵕᴗᵕ)⁾⁾