魔法のメロディ, キャンパス上陸 (L⇔R)
●1995年11月発売『月刊歌謡曲』 LIVEレポートより~
右手にPOPS、左手にR&R。ーーーー他には何もいらない。
ステージいっぱいに鳴り響くハーモニカのメロディに交差する激しいギターのカッティング。心の奥まで刻み込まれるようなベースのリズム・・・。
1995年10月27日、at 青山学院大学記念館。彼らにとって今年最初で最後となる学園祭のステージは、いきなりのインスト・ナンバー「CAN'T SIT DOWN」で華やかに幕を開けた。
『やって来たぜ、青学! 今日は青学の前夜祭を盛り上げるために派遣されたわけなんだけど・・・・って、なんか校長先生みたいだな、俺(笑)。とにかくエルアール知ってるやつも、知らないやつも、思いっきり楽しんでって下さい』
飾らないこんなMCにも彼らの人柄の良さが滲み出る。
さらにストレートで艶のあるヴォーカルは、次から次へと観客をとりこにしていく・・・・。
「7Voice」やスピード感いっぱいのシングル曲「BYE」など、ステージから届けられるメロディはどれもポップで多彩、そしてノスタルジック。
それに何と言ってもメンバー三人が心からプレイを楽しんでいる姿は印象的。そんな彼らに魅せられて、ジャンプしたりクラップしたりする人の波がどんどん大きくなっていく。それはまるで、五線紙の上を自由に泳ぐ黒沢健一の力強いヴォーカルに、会場全体が飲み込まれていくかのよう。
『みんな、もっと汗かこうよ!』そんな言葉に導かれて始まった楽曲「SOCIETY'S LOVE」。ここから、勢いのいいR&Rナンバーがたたみかけるように続く。
さらにスタンドマイクを離れ、身を乗り出して客席を煽る三人。ステージと会場がひとつになって、最高のハーモニーが生まれる。
もちろん、その勢いはまだまだ止まらない、とばかりに大歓声に迎えられて始まったアンコール。
一秒ごとに点滅するカラフルな照明に急かされて、ステージに向けられる歓声の声もぐんぐん加速していく。初めはただ立ちつくして眺めていた人たちも巻き込んで、会場は興奮のるつぼに・・・・。
『どうもありがとう。また、どこかで会おうね』そんな約束を残して、ステージを後にするメンバーたち。
ーーーーそして、熱唱の数々と心の奥を揺さぶるようなメロディに誰もが酔いしれた夜は、幕を閉じた。
★編集後記★ 前回のSpiral Lifeに続き、私が学生時代から愛聴していたバンド、L⇔Rのライブレポート。学園祭のステージだったため、前方にはバンドのファンの女の子たちが陣取り、会場の中盤以降はおそらく彼らのLIVE初見の学生さんたちが沢山いる・・・・という構図に。それでも、ライブが進んでいくうちに、会場全体がノリノリになっていく様は本当に痛快でした。