わたしのためのひと呼吸
ばあちゃんが逝った。呆気なく。
患っていた癌の転移が見つかり緊急入院、先の病院でコロナに罹り、帰らぬ人となった。
その間、私は異動真っ只中で、会えもせず、そうらしいと、人づてに聞く限りだった。
最期に会ったのは今年の6月末。
要介護認定を貰うためのヒアリングの日だった。
とても元気だったから、相談員に元気アピールして、結局認定もらえなかった日。
らしくて可愛かった人。
癌になってから、会う度にいつもこれが最期みたいに思い出話や、ありがとうをくれた。
どういう最期を望むのか、今の健康状態、その後の話。
少しずつ、不安を家族で取り除いていって、向き合って。
会えなかったけど、心は安らかだったと確信する。
私の1番最初のおばあちゃん。
初孫でたくさん可愛がってくれたばあちゃん。構われすぎて親より先に反抗期が来た。
無償の愛をくれた人。
しゃけのおにぎりにやけに骨あったけど、大好きだった。
ばあちゃんが病気になる前から、あと何回、この人に会えるんだろうって考えながら会いに行って。もう少し会えると思ってた。
なんか形見あったかなと頭めぐらせて、今思いつくのは聖徳太子の旧札くらいで、いやもっとなんかもらったと思うねんけどなあ
私を呼ぶ声がいつも温かくて、ずっと安心してた。ありがとう、さようなら。
どうか安らかに。
あなたの平穏をずっと願ってるから、おやすみなさい