俺妹は素晴らしい

出会い

中学生のときの僕はラノベにはまっていました。

ある友達がいて、その人は小学校のときからラノベを読んでおり、持っている冊数は100冊を超えていました。

僕はその人に比べて持っているラノベが少ない、友達を超えるぐらい買ってやろうと意味不明な対抗心を燃やしました。

ありったけのお金をラノベに使うようになり、一度に30冊買ったこともありました。

もはやラノベ読者というよりコレクターに近かったです。

そして興味のない本に囲まれ、読むのが億劫になり、買ったラノベをずっと積読のままにしているのでした。


時は流れ、16歳になり大学受験を志した僕は、参考書の買いすぎで金欠になっていました。意味不明な対抗心をまた再燃させたのです。

中学校の時に買ったラノベ、全部売って参考書代に充てよう。

そう考え、僕はありったけのラノベをブックオフへもっていき売却しました。

業者顔負けの保管状態でほぼ新品だったのにもかかわらず、2千円とちょっとにしかなりませんでした。


16歳の5月、図書館にラノベコーナーを見つけ、何か面白そうなのはないかなと物色しているとかわいい表紙の女性が僕の目を惹きました。

タイトルは「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」でした。

あれ、これ俺買ったことあるよな。

そうです、僕は過去に「俺妹」シリーズを全巻購入し、全く読まずに売り払っていました。

古いラノベで今の作風と違い俺にはあまりウケない気がするけど、まあ読んでみるか、と2巻借りました。


そうして帰宅し読んでみるとですね、うーん………

なんか話が重いんですね。登場人物のオタク嫌悪がマスコミのオタク批判と重なって壁に穴開けてやろうかとバチギレしたんですが、桐乃ちゃんがもう可愛い可愛い。

ヒロイン?の高坂桐乃はツンデレなんですね。ツン多めの。

ツンが多くて萎えかけてきたころに、垣間見せるデレ。

殺されました。死にました。

きゃわ、きゃわわわわ、きゃわぁぁぁん。中一のときの恋とおなじきもちになりました。ぼくがにじげんにこいするなんておもいもしませんでした。

へへ、へへへ。ふひ



さっさと続きを読ませろ

僕は図書館へ行き、俺妹を2~10巻まで借りつくします。

家へ帰り早速僕の恋する世界へ ダイブ・インだにょほ

んほぉ……たまんねえぇぇぇぇぇぇぇえ

読み進めるたびに素晴らしいストーリーと桐乃へ惚れ込んでいきます。

中間あたりから、桐乃のストーリーにワクワクしすぎて、他のキャラの物語を斜め読みしていることに気が付きました。

桐乃に関する話は何回も読み返してページが進まないのに、他のキャラの話は概要がつかめる程度にパラパラ。こいつがちで桐乃バカになってしまった。

そんな至福の時間にも終わりがあります。俺妹のメインストーリーは12巻で完結していました。

そして僕もそれを知っていたので、8巻あたりからだんだん読む速度が減速し始めました。

読めば読むほど物語の終わりに近づく。読み進めたいけど物語が終わってしまう。

読み切ったあとはとてつもない虚無感が待っているのです。

まあ手元にあるのは10巻までだし楽しく読むか、と気持ちを一転させたところ、あっという間に読み切ったのでした。

ストーリーは文句なし。桐乃がどんどん可愛くなる。

この日の明後日に図書館へ行くことにしていました。

明後日で物語が終わる。

短期間で僕に大きな影響を与えた波が去ってしまう。

しかし読みたい、続きを知りたい、しかし2日後まで読めない。

しかし読んでみて僕の望んだ展開じゃなかったらどうしよう。

京介(主人公)が桐乃を恋人として選ぶルートを渇望していた僕は、桐乃以外の女性が選ばれることがあれば一週間は動けなくなるのは目に見えてわかります。

この2日間は頭の中がめちゃくちゃでした。



恐怖心を超えて

残り2巻。

僕は図書館へ行き、俺妹を借りて帰宅します。

物語が終わってしまうこと、望んでいない結末への恐怖心は健在。

しかし読まないことには始まらない。僕は読み始めました。

え?ここで新キャラ?収集つくんだろうなあ?

うう、ページが残り少ない。

11巻を読み終わる。

良かった。非常に良かった。だけど、結末はまだ分からない。

血のつながった妹と付き合うということは現実的に厳しいものだ。

京介と桐乃は同じ高坂家。兄妹、Siblingなのだ。京介は桐乃を選んでくれるのか。頼む、神様。伏見つかさ様。

もし結末が違えば俺は精神的に死ぬ。受験にさえ響くかもしれない。

数時間落ち着いて、12巻を読み始めた。

おい、まだか、まだモブキャラのストーリーをやっているつもりか。

最後むりやり詰め込んで終了はやめてくれ。

きた!京介と桐乃のクリスマスデートだ!

ああぁぁぁぁぁぁ最高。もっとデレろ。デレやがれ!!

そして、桐乃の海外行く宣言と京介の好きな人告白。くう。これは。まさか。桐乃ルートか。

にげる桐乃を捕まえて、京介が桐乃に言う。

きた、きた、告った。最高。

はい!?!?はいですって?!!!

おaaaあああaaaaaaaaaaぁぁぁぁぁぁぁぁあっああんんぁぁああああああああああああああぁぁあああうあああああんんんんあんああああぁぁぁxxxxqaaxasdafaiejfouefaくぁwせdrftgyふj

そうして、桐乃ルートが確定した私は安心し、残り少ない物語へ大脳を総動員して没入する。

扱いがひどかった地味子さんの逆襲、2人だけの結婚式。


ありがとうございました。



その後

2ちゃんまとめで俺妹を調べると、桐乃を選んだ展開でまあまあ叩かれていました。

実の妹にガチ恋&キスは気持ち悪い。妹がいない奴は母で考えろと書いてありました。

私の母で考えると、酒癖が悪いのと年が離れすぎているのでたしかに考えられませんが、近親というところで嫌悪感はないです。僕はまともではないようです。もし僕に妹がいたら恋していたと思います。

ちなみに、桐乃ルート以外にもあやせif、黒猫ifがあります。

あやせifは読みましたが最高でしたね。僕は桐乃が選ばれて満足でしたがあやせルートはとにかく平和でした。

追記:黒猫ifも読みました。うーん、最高!w

本編の結末が不満だった人こそifを読むべきです。


ifで補完されて俺妹はいい作品になったと思います。

僕は当分、30歳ぐらいまでは桐乃を好きでいるでしょう。本当に俺妹は至上の邂逅でした。

伏見つかさ先生の別作品、エロマンガ先生も読んでみようと思います。

エロマンガ先生は”血のつながっていない妹”とのラブコメらしいですね。

どれだけ妹が好きなのでしょうか。僕と気が合いそうです。


素晴らしい作品でした。



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