SAISEIGA ライブレポート 「ストロベリーソングオーケストラ×SAISEIGA 音不死-autopsy-東京解剖室」 2024/04/07(日) 東京・下北沢Reg
SAISEIGAとの出会い
メロディック・グルーヴ・メタルバンド SAISEIGAのライブに行ってきた。
実はSAISEIGAを初めて知ったのはこのライブのちょうど1週間前のことで、家で何気なくYouTubeのヘヴィメタル系動画を観ていたら、自動再生で偶然SAISEIGAの公式チャンネルが流れ始めたのだ。
観たというか、観てしまったと言うべきか。そこから僕は何かに取り憑かれたかのようにその日のうちに全動画を視聴。翌日からはすべての楽曲を体に叩き込み、Tシャツを取り寄せ、週末に迫るライブチケットを手配。つまり出会って早くも一週間でライブにまで漕ぎつけることになった訳である。
それなりに年齢を重ねてきた自分に、まだそんな若々しいPassionと行動力があったとは!
いやそれよりもSAISEIGAの吸引力が瞬間最大風速的に凄まじかったのだろう。ファンの方なら分かってくれると思う。ちなみに僕は新しい学校のリーダーズのファン(あちらの世界ではファンのことを ″パイセン″ と称する)
でもあるのだが、やはり同じような衝動にかられ、のめり込んでいる。
あくまで個人的見解だが、この両グループはジャンルや世代こそ違えど、切り口によっては共通項というか同じ匂いを感じる。
自分は自分、他人は他人。やりたいことなら迷わずバットを振り抜け。当てはまるジャンルがないのなら自らがジャンルになればいい。今この瞬間を全力で楽しもうぜ!
自分もそうありたい、同じ舟に乗せてくれ。そう思わせてくれる存在なのだ。
いざライブへ
やや話が逸れてしまったが、それではライブレポートに移ろう。
今回訪れた箱(ライブハウス)は、東京は下北沢にある下北沢Regである。
僕は関西の出身で、関東に来て20年以上になるが、なんと下北沢に来るのは初めてである。関東に来たと書いたがずっと千葉に住んでいて、東京には用事がない限り来ることはない。来たとしても西限(?)は新宿・渋谷あたりまで。なので「下北沢ってどうやって行けばいいんだっけ?」「どれぐらい時間かかる?」から調べなければならない。新宿でJRから小田急小田原線に乗り換えることは分かったが、乗り慣れていなくて不安なので、時間的余裕を持って家を出た。
開演が18:00、開場は17:30。最寄りの下北沢駅に着いたのが確か17:10ぐらいだった。結局時間を持て余すことになったが、ギリギリに到着するよりずっといい。腹ごしらえにコンビニでおにぎりを買い、時間つぶしにわざと遠回りしながら現場に向かう。戦闘服(Tシャツ)は家から着て行ったのだが、そういえば小田急線の車内や下北沢駅周辺にそういうTシャツを着たファンらしき人は一人も見かけなかったなぁ。
17:40頃に現場到着。受付の列はだいぶ落ち着いていた。2~3人待って受付を済ませ、500円を支払いクロークにリュックを預けた後、地下のフロアへと階段を下りる。あとで分かったことだが、普通サイズのリュックやショルダーバッグ程度ならフロアに持っていく人が結構いたし、そもそも登山に行くかのごとき大きなリュックを持ってくる必要などなかった。というのは最後にライブに行ったのがもうかれこれ20年以上も前の話で、"ノウハウ"をすっかり忘れてしまっていて、フロアの熱気と激しいヘドバンで汗びっしょりになるかもしれないから大きなタオルが必要だとか、着替えが必要だとか、何かと荷物が多くなってしまったのだ。
結論。もちろん汗はかいたが、タオルはフェイスタオル1枚で充分だったし着替える必要もなかった。物販も購入したが、それでも普通サイズのリュックで事足りたと思う。この経験は次回に活かそう。
フロアに入ってみると、前のほうから3分の2ぐらいまで人で埋まっていて、後ろの方はまだ余裕がある。場所を決める前にとりあえずトイレを済ませ、ドリンクを注文し事前の水分補給を行う。ウーロン茶をオーダーした。
さてどこに陣取るか。タイトルにもある通り今回はストロベリーソングオーケストラとのツーマンライブである。ストロベリーソングオーケストラが先攻なので、そちらのファン優先で僕は前の方には行かず、まずは後ろの方で観ることにする。
後ろ寄り右側にスタッフが出入りするためのドアがある。その前には人がおらず、周辺のスペースにも多少の余裕がある。ここならそれなりに見通しも良さそうだし、いざとなれば壁に寄りかかったりしてラクに過ごせるかもしれない。さあ、そろそろ始まる時間だ。
SET LIST
2024年4月7日(日)
ストロベリーソングオーケストラ × SAISEIGA 音不死 -autopsy- 東京解剖室
下北沢Reg
18:00開演
ストロベリーソングオーケストラ
1.鵺的なミザリー
2.切り咲きジャップ
3.狂れた埋葬虫、電波、赤マント!
4.臓物にジグソウ
5.あなたの匣に眠りたい
6.大空を失った男
7.バースデイ
8.火葬のテスト
9.二十一世紀狂闘旗手
10.非傀儡宣言
11.アニマアニムス
12.テ・キベクナ レ・テスエナ
SAISEIGA
1.HANABI
2.cross out
3.AMBITION
4.sink
5.illusion
6.JUMBLE
7.轟音爆散TORNADO
8.Level 5
9.RIDE ON
え、メタルじゃないの?
18:00になった。ストロベリーソングオーケストラの部が定刻通りにスタート。何やら怪しげなSEが流れ出し、顔に白塗りを施した男女2人がまず登場した。それぞれ左端と右端に立ち、直立不動&前方一点直視で、まずは男のほうから一人でブツブツと何かを語り始めた。
最初に断っておくと、前述の通り僕がSAISEIGAを知ってからライブまで一週間しかなかったため、SAISEIGAの曲を覚えるのに精一杯で、ストロベリーソングオーケストラの予習にまで手が回らなかった。曲どころかどういうジャンルのグループで、どういうメンバー構成になっているのかなど理解しないまま、いわばぶっつけ本番で臨むことになった。これを書いている今ではメンバーの名前も把握できているが、当時の心境を綴るレポートとしては「白塗りの男が・・・」みたいな書き方しかできない。(まあ結局、メンバー全員白塗りだったのだが) メンバーの皆様、本当に申し訳ございません!
その割に「じゃあセットリストはどうなんだ。曲も知らないくせにきちんと書いてあるじゃないか?」と思われるかもしれない。セットリストは情報を正しく伝えるべきものだと思うので、終演後に公式側から発表されたものを見て転記している。それはSAISEIGAについても同じことだ。
白塗りの男が一通り語り終えると、続いて右端の白塗りの女(もう名前知ってますけどね)も同じように延々と語り出す。え~、メタルちゃうやん・・・
その後、セットリストに記載した通り曲をこなしてゆくのだが、SEをバックに語りが入ったり、演奏と歌が始まったり、またSE+語りになったりと、型通りの展開ではないので、正直「今何曲目なんだろう?」とか「もしかして展開が目まぐるしいメチャメチャ長い一曲なのか?」などと、理解が追いつかないまま進行してゆく。
やっぱ、メタルじゃん。
そのうちボーカルが男女一人ずつ登場し、演奏と歌が始まった。ボーカルの男はこのグループのリーダー(座長と呼ばれていた)で、低い声でシャウトするスタイル・・・というかデスかな? でもラップ的な歌い方に聞こえる場面もあった。一方のボーカルの女(何度も言うけど名前分かってますから)は高音でキレイに歌い上げるスタイル。なんだ、ちゃんとメタルしてるじゃん。とりあえず一安心だ。
画像を付けたのでお分かりいただけると思うが、けっこうな大所帯である。画像だと9人。でも当日は8人だったかと思う。「見世物パンク一座」というキャッチフレーズを掲げていて(なぬ? パンクだったのか・・・)、とにかく曲ごとにメンバーが出たり入ったりと忙しい。メンバー構成を整理しておくと、語りや踊りなどの演劇担当が男男女女の4人、ボーカルが男女の2人、楽器担当はギター男1、ドラム男1だった。(ベースはいないのかな?)
僕だけかもしれないが、この編成からは何となく、米米CLUBを連想してしまう。
機材トラブル発生
確か4~5曲目あたりだったかと記憶しているが、それまでの曲と比較してやけにサッパリと短く終わった曲があった。潔く(?)パッと終わったので、こういうところがパンクなのかぁと思いきや・・・ どうやら機材トラブルで演奏を中止したようだ。ボーカルの座長がすかさずフォローMCを入れる。
「いやーうちのシステムは単三電池で駆動してるもんで~」
フロア中から爆笑と拍手が巻き起こり、つかみに成功した座長は続けて下北沢についてのエピソードを語り出す。なんでも昔、下北沢のライブハウスで出入り禁止になったことがあり積年のトラウマになっていたが、久しぶりに来た今回もまたトラウマになってしまったと! で、これまた爆笑を誘う。
上手いよな~、こういう捌き方。なんでも1998年から活動してるグループらしい。ということは結成26年。百戦錬磨ってやつか。座長の声質としゃべり方は何となくデーモン閣下風で、そういえば聖飢魔ⅡのミサでもMCに笑いを盛り込んでいるし、僕の中で重なって見えた。(同じく白塗りだしね)
米米CLUBに聖飢魔Ⅱか。ちょっと好きになってきたぞ。
中断はおそらく3分ぐらいだったと思う。機材トラブルはあっさり解決し、何事もなかったかのように再スタート。ん・・・? 本当にトラブルだったの? ひょっとしたら仕組んでやったことなんじゃないのかと勘繰ってしまう手際のよさ。ひょっとしたらライブでのお約束、裏セットリストなのかもしれない。何せ一風変わった芸風のバンドなのだから充分あり得る。知らんけど。
ラストは盛り上がる
と言っても、もちろんフロアは最初から盛り上がっていた。ただ僕としては予習をして来なかったがために "慣らし運転" に時間がかかったのだ。
またしても長い語りの演劇が始まる。これを曲と表現するのが適当なのかは分からないが、1曲目と同じく役者の男女2人が登場した。やはり左端と右端にポジショニングし、直立不動&前方一点直視である。
このタイミングで、という訳ではないが、ストロベリーソングオーケストラのパフォーマンス中、SAISEIGAのベーシストKatsukiがフロアに入ってきてステージを見つめているということが何度かあった。僕は関係者専用ドアの前にいたので、いきなりKatsukiが入ってきてビックリ。お目当てのバンドのメンバーと横に並んでステージを観る。こんなことってあるのか~。
ステージは終盤に差し掛かり、またボーカルが出てきた。この後ノリのいいメタル曲が続き、ラストまで突っ走る。
「手を挙げろ!」「跳べ!」
座長が煽る煽る。
ここまでくると僕もノリが分かるようになってきた。大声で叫び、拳を突き上げ、一心不乱に首を縦に振る。
「イキテイケマスカー!」「イキテイケマスカー!」
座長が叫ぶ叫ぶ。
「イキテイケマスカー!」「イキテイケマスカー!」
どうもこれがキーワードらしい。
「生きていけますか?」なのかな。「最後まで観てくれてありがとう。これで元気出してしばらく生きていけそうか?」 あるいは「こんなもの見てしまって大丈夫? 生きていけるか?」 どっちだろう?
ストロベリーソングオーケストラの言うところの "犯行" を "目撃" し、"初犯" ながらも思いっきり "共犯者" となってしまった僕だが、全然大丈夫だ。
「イキテイケマスヨー!」
いよいよSAISEIGA登場
ストロベリーソングオーケストラがすべてのセットを終え、転換に入る。(あとから分かったのだが、機材トラブルの影響でラストの曲はカットされたらしい。う~む、仕組んだ訳ではなかったのか・・・)
時計を見ると19:15。転換が5~10分として、後半も同じ時間でやるならあと1時間半ぐらい。トイレはまあ行かなくても大丈夫だろう。
ストロベリーソングオーケストラのファンが前方のスペースをだいぶ空けてくれたので、3列目あたりにまで移動した。最前列はコアなファンらしき人が陣取っている。もし最前列に行けたとしても "新入り" の僕は遠慮しておこう。そもそも3列目でも充分に近い。それにすし詰め状態でもないので視界も問題無し。これなら迫力あるステージを間近に感じて楽しめそうだ。
19:20頃に後半戦スタート。SEが流れSAISEIGAのメンバーが順に登場する。いよいよかぁ、この一週間長かったなぁ。ロケットスタートをきめるオープニング曲は何がくるのか。ワクワクというよりドキドキに近い。大阪/名古屋/東京と続いてきたこのツアーの今日が千秋楽なのだが、大阪と名古屋のセットリストは確認済みだ。それによると両日とも「RIDE ON」からスタート。ということはやはり「RIDE ON」? と思ったら・・・
「HANABI」からスタート~! もちろんオープニングとしては順当な曲だし、一気に盛り上がる曲なのでOKだ。ただしこの曲はイントロが短くいきなりサビから入るので、不意をつかれて拳を突き上げるのが遅れてしまった。のっけから飛ばしまくるボーカルRegan。最後まで声(というか喉)もつのか?
ドラマー&ベーシスト起点
2曲目は、1st EP「芽」から「cross out」がきた。少しマイナー曲というか
・・・ もちろん聴き込んできたので体が音に反応してしっかりノレはするものの、曲と曲名が結びつかず。「これ、曲名なんだっけ・・・?」となって、帰宅してすぐに復習となった。
そうそう、迫力を感じたのはKatsukiのコーラス。ゴリゴリのデスヴォイスを発している。そうか、デスヴォはRegan一人が担ってる訳じゃないんだ。
あと、CDなどの音源に比べてライブではベースやドラムの音圧をストレートに受け、より大きな音として感じるものだが、SAISEIGAは音源でもベース音が大きく目立って聞こえる。これはKatsukiがSAISEIGAの音作りにリーダーシップを発揮しているからかもしれない。音源でもライブでも図太い迫力のサウンドを作り上げる男(漢?) かっこいいなあ。
フロアで3列目のセンターにいた僕であるが、Reganがお立ち台に上がって歌っていることもあって、その陰に隠れてドラムが見えない。なんとか体をずらしドラムの様子を確認。すると桐子は2曲目で早くも汗びっしょりだ。ライティングの加減でそう見えたのかもしれないが、ドラムはフィジカル的に一番ハードな楽器だと思うのでちっとも不思議ではない。汗で顔を光らせながらセクシーに髪を乱して叩きまくっている。
桐子はこのバンドのリーダーでありつつ、Katsukiとともに多くの楽曲を書いている。だからこういう重低音サウンドになるのかと合点がいった。
女性ドラマーがリーダーで、ドラマーとベーシストがメインソングライターの男女混合バンドなんてあまり聞かないし、独特で面白い存在だと思う。
フロアを見渡してみるとファン層は若い人もいるが、自分より年上らしき人もそれなりにいる。ヘドバンが大変そうだが無理は禁物だ。 ・・・って自分も他人の事は言えない。体を労わらなければならない年齢に差し掛かってきている。ちょっとしたことで首(頸)を傷めてしまう。気を付けなければ。
それでも、見渡せる範囲の中では、僕は頑張って首を振り続けていた方だと思う。左斜め前の若い男性が見るからに汗をかいていて、激しく首を振るのでこちらに汗が飛んでくる。自分も同じように周囲に汗を撒き散らしていたのだろうけど、それはお互い様。ライブでは取るに足らないことだ。
2曲目が終わり、ReganがMCを始めた。長いMCだったので内容はほぼ忘れたが、「最後に "アレ" をやるから楽しみになー!」とかなんとか言ったことは覚えている。アレって・・・? 2024年もまだ "アレ" が続いているの? コアなファンの方には毎度おなじみなのだろうが、新入りの僕にはワカラナイ。
イングヴェイが弾いている!
そして3曲目だ。Reganが「次はWakkunのギターがカッコイイ曲だよ!!」みたいな前振りをして、「AMBITION」がスタート。
キターー!! これぞメタル! 個人的に大・大・大好きな曲である。
イントロからしてもうメタルの様式美にあふれているし、スラッシュあり、サビではピロピロピロピロ~の速弾きあり、充実の長いギターソロありで、この曲はギタリストWakkunが思いっきり主役になれる曲だと思う。
動画などを観ていても、濃いメンバーに囲まれて比較的おとなしく見え、その言動や雰囲気からカワイイ系キャラだと思っていたWakkunだが、長い髪に顔を覆われながら弾く姿は、ギターオリエンテッドな曲やストラトタイプのギターと相俟って、最盛期のイングヴェイ・マルムスティーンに見えた。
あとから確認したけど、この曲の作曲者は彼であった。やはりね。納得!
その後は、ピアノで始まりピアノで終わる「sink」、中東的な雰囲気も感じさせる「illusion」、重めのリフが特徴の「JUMBLE」と続いてゆく。
序盤は汗ひとつかいていない様子だったReganも、このあたりでようやく顔にうっすらと汗が見え始めたが、それでもペースは落ちない。デスヴォは相変わらず鬼気迫るものがあり、メロディーパートはきちんとメロディアスでその切り替えは見事だ。このライブに来るまでの音源を聴き込む過程で一つ感じたことなのだが、高音で歌うパートで大黒摩季っぽく聴こえる瞬間がある。僕だけかもしれないが・・・
カワイイ一面も
ふたたびMCに入り、Reganがしゃべり始める。
ここでは告知タイムとなり、6/8(土)に予定されているワンマンライブ、ならびに8/3(土)に予定されているDOLL PARTSとのツーマンライブの告知をそれぞれ行った。後者に関してはDOLL PARTSのギター&ボーカルARISAが今回観に来ていたこともあって、併せて告知することにしたようだ。
それにしてもだ。自らのワンマンの日付を6/8ではなく、6/6と言い間違えてしまうとは!(笑) 言った瞬間不安になりメンバーに確認を求めアタフタするRegan。そして間違ったことを相当悔しがっている。別に歌詞を間違えた訳じゃないし、悔しがることでもないと思うのだが(笑)
破壊力のあるデスヴォからは想像もつかないが、MCでしゃべるReganは思いのほか声がカワイイ。そして動画で見たイメージより小柄だった。
長めのMCが終わり、7曲目がスタート。
「轟音爆散TORNADO」という曲なのだが、これだけはちょっとお手上げ。事前に音源を探し切れなかった~。もしかして音源化されていないのかな?
周囲を見るとみんなノッているから、ある程度のファン歴の人なら当然知っている曲なのだろう。とりあえず周りの動きを見て体を動かすしかない。
そのまま次の曲へとなだれ込むかと思ったら、Wakkunのギターリフに乗せてReganが音不死 (autopsy)コールを要求。今回のツアーを一緒に回っているストロベリーソングオーケストラへのリスペクトだろう。
Reganの音頭に合わせ、みんなで「autopsy!」「autopsy!」の大合唱。
「autopsy!」「autopsy!」から、「サイコウカー!」「サイコウカー!」へと展開してゆく。そう、「サイコウカ」はSAISEIGAの合言葉だ。
サイコウカ!
その勢いで「Level 5」へ。のっけからデスヴォが炸裂する曲で、これまた僕の好きな曲だ。Reganが絞り出すシャウトは猛獣そのものだ。
歌詞をアドリブで「サイコウカー!」「サイコウカー!」と替えて歌っていたのは、確かこの曲だったかな。
そしてとうとう来た「RIDE ON」。この曲が来たということはそう、ラストソングということになる。今回のツアーは大阪/名古屋とも全9曲。ともに「RIDE ON」で始まり「HANABI」で終わっている。東京は逆になった。
サビの「Fight!」「Fight!」。ここはデスヴォなので首振りつつの声出しになるのはきついが、ラストなので老体にムチ打って頑張った。
こうして全曲「サイコウ!」のうちに終了した訳だが、Reganが「まだあるからねー!」と、アンコールを示唆して袖に戻ってゆく。
ほどなくして最前列あたりから「サーイセイガー!」「サーイセイガー!」のコールが起こった。コアなファンらしき人が音頭を取り、周りがそれに続く。よくストライキとかで見かけるパターンのやつだ。コールというよりはシャウトで、これでは喉を傷めてしまうのでは?と心配になる。これを一人で音頭を取って何度も何度も繰り返すのはかなりきついだろう。しかもBPMがどんどん早くなってくる! 「誰か助けてあげてー!」 もうこれ以上はと僕も含め何人かが加勢に回ったところで、ようやく再登場のSEが流れた。
すごいな~、コアファンの人って。
"アレ" ってドレ・・・?
アンコール
SAISEIGA & ストロベリーソングオーケストラ
1.成敗ダ。
2.切断ダリア
プラスアルファのお楽しみ、アンコールが始まった。
ストロベリーソングオーケストラの登場を予感させるSEが流れる。もうSEが長い!(笑) そしてやはり両バンドが一緒に登場した。メンバーは4人+8人で計12人ということになるが、スペースは大丈夫か?
「イキテイケマスカー!」「サイコウデスカー!」 座長のお出ましだ。
「イキテイケマスカー!」「サイコウデスカー!」・・・・「セイバイダー!」
そう、アンコール1曲目は満を持して、SAISEIGAの「成敗ダ。」 これまた僕の好きな曲の一つ。終始デスヴォで押し通すような曲で、メロディーパートが少ない。スラッシュメタル的な曲で、Wakkunが作曲している。
ザクザクとしたギターリフから、「セイバイダー!」と最初の咆哮は座長。
座長とReganのデスの掛け合いが始まる。いや~すごいなこれ。そして高音パートはストロベリーソングオーケストラの女性ボーカル・・・もう名前言いますけど、釵刺灯(かんざし あかり)ね・・・が務める。いやいやびっくり、音源実はこの人がボーカル入れたんじゃないの? というぐらいにピッタリハマる。
座長が担当するデスのパートも元々ラップ調であるし、まさにこのコラボのために作られた曲・・・? というか、たぶんストロベリーソングオーケストラだけで演ってもいけるんちゃうか? ってぐらい、バッチリきまっていた。
デーモン閣下・・・いや座長のMCが始まる。かなり長い。今回ツーマンをやることになった経緯などを延々と話すのだが、SAISEIGAに対し終始低姿勢なのと、その喋り口調がかなり面白く、このままMCでライブが終わってもこれはこれでアリかなぁ~ぐらいに思えた。結局最後はReganに「座長は話が長い」と指摘され、笑いを取ったところでアンコール2曲目へ。これが本当のラストソングだ。ストロベリーソングオーケストラの「切断ダリア」
大阪/名古屋/東京と、3日ともすべて、この「切断ダリア」で締め括っているという。そしてReganはこの曲を演るのを毎回楽しみにしているのだそうだ。ということはReganが「最後に "アレ" をやるから楽しみに」と言っていたのは、"コレ" だったのか?
今度はストロベリーソングオーケストラの曲にSAISEIGAが乗っかる形。大阪と名古屋は先攻:SAISEIGA/後攻:ストロベリーソングオーケストラで、東京だけ逆にしたとのこと。機材そのままでアンコールに入るためか、ドラムは桐子が叩くことに。桐子が「切断ダリア」を叩くのは今回初めてらしい。
それにしても「切断ダリア」か。すごいタイトルだなぁ・・・
2時間40分完全燃焼
ノリの良いアンコール2曲で、両バンドのファン全体で盛り上がり、終演と相成った。時計を見ると20:40。出会ってまだ一週間しか経っていないお目当てのバンドと、予習出来ずに臨んだ未知のバンドによる2時間40分におよぶツーマンライブ。振り返るととてもバラエティーに富み、かつ濃厚な内容だったし、ずっと首を振り、汗をかき、最高(サイコウ)な時間だった。
終演後、あらかじめチェキを申し込んでいた人は、SAISEIGAメンバーとのチェキ撮影があった。当日申し込みもOKだったのだろうけど、結構人が並んでいる。
僕は物販を買うことに。SAISEIGAのTシャツを1枚、それとストロベリーソングオーケストラの方で気になるグッズがあり・・・
ストロベリーソングオーケストラの演奏を観ながら、なんだか・・・モヤモヤとしていたのが・・・
なんか似てるよね(笑)
あと、このツアーの特典ということで、ストロベリーソングオーケストラとSAISEIGAがコラボ収録したスペシャルな1曲が入った音源をゲット。ストロベリーソングオーケストラサイドで企画し、座長が作詞。SAISEIGAメンバーもアレンジや演奏に加わっている。ストロベリーソングオーケストラ独特の世界観、そしてこのアンコールのセッションを凝縮したような1曲だ。
非売品! 貴重!
今後のスケジュール
さて、SAISEIGA 次回の参戦予定は・・・
■6/8(土)東京・高田馬場 CLUB PHASE にて開催予定の、7thワンマンライブ
「全身全礼全BET」
そしてその前に、新しい学校のリーダーズのファンクラブ会員限定ライブ「新しい学校の青春部ツアー2024」がある。参戦予定は・・・
■5/6(月・祝) 大阪 Zepp Osaka Bayside
■5/9(木) 東京 Zepp DiverCity
■5/28(火) 名古屋 Zepp Nagoya
まずはこちらから順に、ライブレポートを上げていきたいと思います。
※本文に記載したメンバー名は敬称略とさせていただきました。
※プロの音楽ライターではありません。一参戦者の立場で記憶に基づいて
書いたものです。事実と異なる部分があればご容赦下さい。
【取材/文 まっし~】