ファイナルファンタジー16【感想・ネタバレあり】

1.はじめに

前回、MCUの感想用にnote始めたって書いたんですけど、プレイしたゲームの感想なんかも書いてみたいなと思ってしまいました。
(諸々あってMCUの展開もすこしブレーキかかっちゃったしね)
というわけで、今回はファイナルファンタジー16、クリアしましたので感想書いていきたいと思います。
本音を書き出したところ、褒められない部分も多くなってしまったので、この作品本当に良かった!という方には向いていない内容になっているかもしれないです。
さてFF15から6年半、FF16はどうだったか、それでは早速感想書いていきたいと思います!

2.ストーリー進行重視のゲーム構成

まずは先にざっくりと世界観の概要から。
FF16の舞台は【ヴァリスゼア】と呼ばれ、2つの大陸と5つの国からなっており、各地に点在する「マザークリスタル」の恩恵によって人々の生活は発展してきました。このマザークリスタルの周囲は魔法の力の源である「エーテル」が潤沢であり、その占有権を巡って常に国家間の争いの火種ともなっていました。また、ヴァリスゼアでは「黒の一帯」と呼ばれるエーテルが枯渇した不毛の地が拡大しており、国々は黒の一帯が広がっていない地を求めて戦乱は広がっていき強大な召喚獣の力を持つドミナントと呼ばれる達も戦いに巻き込まれていく、という世界観になります。

主人公はロザリア公国の王子クライヴ・ロズフィールド。
彼もまた召喚獣フェニックスのドミナントである弟のジョシュアとともに、この過酷な戦いの世の中に巻き込まれていくこととなります。
そして、物語の中での出来事をきっかけにクライヴはマザークリスタルこそが安寧を脅かす元凶であることを知り、社会の基盤であるはずのマザークリスタルの破壊を目指す、という導入となります。
…「これはクリスタルの加護を断ち切るための物語」というやつですね。

・リニア式のゲーム進行

FF16はストーリーを重視したリニア式のゲーム進行となっており、ゲームの進め方やキャラ育成の方針などをプレイヤー自身の考え方で選び取っていくというような自由度は少ないです。
自分がこれまでにプレイした他のシリーズでは『アンチャーテッド』などはリニアにあたる作品ですが、間違いなくプレイヤーを引き込むゲーム体験を提供してくれましたから、リニアかどうかということ自体はゲームの良し悪しを決める評価軸ではないはずです…が、プレイヤー自身の選択が醍醐味となるRPGというジャンルでこれとやってしまうと…FF13がそう言われたように、自由度のない「一本道」と揶揄されることになります。
そこを考えるとFF16はRPGではなく、かなりアクションに寄ったアクションRPGというジャンル選択をしており、これはこれで別の問題を感じたものの、ストーリーを重視するという構想に対しては理にかなっていたのではないかなと思いました。

・クライヴ中心のストーリー進行

FF16のストーリーは召喚獣の力を持つドミナントと呼ばれる者たちの群像劇なのですが、ゲーム体験的にはクライヴ以外の視点はあくまで幕間程度に留めていて、「クライヴが今、何を目指しているのか」という点ではわかりやすく、一貫してクライヴ・ロズフィールドの物語を結末まで追うことができた点はよかったと思います。
メインストーリー部分だけでは目先の目標だけを向いているように見えがちではあるのですが、そこはサブクエストをこなしていくことで「クライヴはなぜこれを目標としているのか」ということを再確認できるような作りにはなっていたのもよい点かなと。
さらに、(正直、ここまで確認する人は少なそうな気もしますが)クライヴ目線だけでは把握することのできない「その時ほかの場所で何が起きていたか」といった情勢をいわゆる読み物として後から確認するだけでなく、時系列を軸に地図上に表示することで視覚的にも楽しめるという仕組みは面白かったですね。
本作で一番感心したのはここかもしれないです笑

3.アクションRPGとしてのFF

・歯ごたえがありながら遊びやすい

前述の通りFF16はジャンルとしてはアクションRPGですが、その中でも攻撃に集中してダメージを受けたら豊富な手段で回復すればいいといったゴリ押しが通じるタイプではなく、回復手段が限られているためダメージを受けないことを考え、隙を見て攻撃をたたき込んでいくような、普通に攻略するうえではキャラの性能よりもプレイヤーの技術のほうが攻略に直結しやすい作りになっています。
モーションは一見派手なのですが技を繰り出すための操作自体はシンプルで、誰でもそれなりにスタイリッシュなアクションができる作りで遊びやすいと感じました。
最大3つの召喚獣をセットし、それぞれに2つずつ攻撃アビリティを割り振ることでアクションに幅を持たせるというのが本作のアクションの核になっており、これらの組み合わせによってさらにカッコいいアクションやDPSを追求したり…といった自分のスタイルを作り上げる感じですね。
ここに関してはなかなか面白かったと思います。

サポートアクセサリについては後述しますが、「オートアタック」というものがあり、これを装備すると□ボタンを押すだけで装備しているアビリティなどを駆使して自動で攻撃を行ってくれます。
もし、少し操作に慣れてきたところでアクションが単調…と感じた場合、これをつけてみるとFF16でやりたかったであろうアクションというのが垣間見えますので、一度参考にしてみるのもいいかもしれないです。

・ド派手な召喚獣バトル

ストーリーの節目ではドミナント同士が召喚獣に変身してド派手なバトルが展開されるのですが、ここはプレイしていて非常にもったいないと思いました。
召喚獣バトルはクライヴのステータスは反映されず、クライヴを操作するときよりも単純化され技のバリエーションも少ないのですが、相手の体力を削るためのプロセス自体は通常戦闘とあまり変わりません。
さらに合間合間に長い演出を挟みながら膨大な体力を削りきる必要があるので一戦が非常に長くなります。
相手によってはムービーが終わって戦闘開始から決着まで30分近く要する相手もいて、正直言うとゲーム体験的にはあまり面白いものではありませんでした。
とはいえ、召喚獣同士がぶつかるド派手な演出自体には間違いなく心躍るものがありましたので、あくまでもムービーとして、ほどほどの長さに留めておくか、ゲーム的な決着は早々につけてしまうのが良かったように思います。

・色々とチグハグな難易度設定

本作の難易度設定はストーリーフォーカス/アクションフォーカスの二つがあります。
ストーリーフォーカスは敵の体力も低く、サポートアクセサリが初めから装備されているので敵を自動で攻撃したり、敵の攻撃を自動で回避したり…と、ストーリーを追うことだけを目的とした人向けのモードになります。
対してアクションフォーカスは敵の強さは普通で、自分で操作して歯ごたえのあるアクションを楽しみたい人向けのモードになります。
いわゆるノーマルモードとして、アクションフォーカスをサポートサクセサリなしでやる分には楽しめるゲームなのですが、個人的にはこの難易度設定の仕方にはいくつか問題があるように感じました。

まず、1つ目の問題点なのですが、「ストーリー重視」という謳い文句に縛られてなのか、アクションをあまり得意としない人を突き放すような難易度設定だったように感じます。
今までFFをプレイしてきた層に対して、RPGではなくアクションを提供したら付いていけないかもしれない…と思うのはわかるのですが、だからといって「アクションが苦手ならオート戦闘で飛ばしてください」というのは、アクションが苦手な人にも作り上げたアクションを楽しんでもらうことを諦めているというか。些か乱暴に感じました。
また、この「サポートアクセサリ」を使用したゲーム体験が退屈そのもの、虚無であり、これを使用してゲームをプレイする…というのは逆にふるいにかけてしまうのではないかと感じました。

2つ目の問題点はサポートアクセサリがストーリーフォーカスだけのものではないということ。
個人的なイメージとして、補助輪付きレベルの最低難易度はそれにすると体験出来ない要素があったり、一度難易度を下げたら元に戻せないといった縛りを設けることで通常想定されたゲーム体験を保護しているのだと思っていました。
ですが、このサポートアクセサリはストーリーフォーカスだけでなくアクションフォーカスにも用意されており装備も自由というもので、すると「手持ちの装備やアビリティからやれることを考える」というのがRPGの醍醐味だとすれば、その選択肢の中に補助輪が入っているというのが気になってしまいました。
救済措置がどのモードでも装備可能なアクセサリなのであれば、それはいわば「バランスブレイカー」と変わらないのではないか、バランスブレイカーを使わないというのはいわゆる縛りプレイのようなものではないか、何か攻略に困ったらそこに補助輪があるのだから付ければよいのではないか、という考えがどうにも避けられませんでした。

3つ目はこれまたサポートアクセサリも関わるんですが、2周目限定で解禁される「ファイナルファンタジーチャレンジ」、いわゆるハードモード。
これがひどい。
このモードにするとクライヴのレベル上限増加や敵の配置変更があり、ストーリーフォーカスやアクションフォーカスへの変更はできなくなります。
つまり本作の本来の姿である歯ごたえのあるアクションに自信のある者のために用意されたモード…かと思いきや、補助輪が持ち込めてしまいます。
この時点でアクションに自信のある者のために向けた本番モードという幻想は打ち破られます。
ちょっと難易度が上がっただけで根本的なゲーム体験は1周目と変わりませんので2周目が本番は嘘です。

4.RPGとしてのFF

このFF16というゲーム、アクションRPGとしてみるならば難易度設定の面で気になる部分はあったものの、それは個人の裁量でどうとでもなる部分ですし、アクション寄りのアクションRPGというジャンルとストーリー重視の構成の嚙み合いも含めて、ゲームとしては筋の通ったものになっていたと思います。
ですが、FFはRPGというジャンルで地位を確立してきたゲームです。
FF16をRPGとして見てしまった時、もうFFの復権はできないと感じてしまいました。

・編成要素の希薄さ

レベルを上げる、装備を更新する、アビリティを習得する…といった要素でキャラが強くなる実感を得にくいです。
装備は武器や防具によって数字が大きいか小さいかの違いしかなく、アクセサリはステータスやアイテム、技の数値を単純に増減させるだけのシンプルな物しかありません。
アビリティは攻撃のバリエーションを増やすものばかりです。
属性や状態異常の概念もありませんから、装備はその時点で手に入る最も数値の高いものを使えばよいです。
それも作成・強化素材はゲームを進行している中で勝手に手に入っているようなものがほとんどですから、稼ぎを行う必要性も薄いです。
仲間は戦闘自体には参加していますが、パーティメンバーとしては手を加えることができませんのでステータス要素としては語弊なく皆無です。
そういった点でこのゲームはクライヴ自身の性能含め、「編成」という要素が限りなく希薄になっていた点は大きな不満点になります。

なるべく本作の作りを崩さずにこうしてほしかったという点があれば、せっかく召喚獣の付けかえ、戦闘中の切り替えもできるのですから属性の要素は設けてほしかったです。
アビリティのバリエーションについても、攻撃一辺倒ではなくパッシブ系のスキルもあったりすると自身のプレイスタイルに応じてどれから取得していくかという選択の余地も生まれたのではないでしょうか。

・探索要素の希薄さ

本作では4つの地方があり、オープンワールドほどではないにしてもそれなりに広大なマップを散策することができます。
ですが、このマップに配置されているものがあまりにも希薄すぎます。
どこを探しても寄り道用のダンジョンなどはなく、ちょっとした素材アイテムや換金アイテムが落ちていることがほとんどで、ごくたまに装備やアクセサリが落ちているだけ。
また、ストーリーの進行状況に応じていくべきではない場所は通行止めになっているので、今時点では着てはいけなさそうな場所やいかにも怪しい場所を見つけてしまった…という体験もできません。
ストーリー進行に応じていずれかの場所でサブクエストが発生しますが、受注可能なタイミングになった時点ですべてマップ上に可視化されるので、寄り道した結果サブイベントを発見するということはありません。
この探索要素の希薄さは、FFとしては…論外と言っても過言ではないかもしれないです。

・やり込み要素の食い違い

本作には裏ボスや隠し召喚獣といったやり込み要素はありません。
一応、リスキーモブというちょっとした強敵と闘うシステムはありますが、このゲームには搦め手というものありませんので、必然的にちょっとステータスが高かったり攻撃が派手だったりする相手と戦うだけの、裏ボスというには味気ないものとなっています。
ではやり込み要素がないのかと言えば一応あります。
「アーケードモード」。クライヴのレベルや装備などに制限をかけた状態で、攻略済みのステージを使ってより高いバトルパフォーマンスを目指すモードです。報酬はないです。
…どう考えてもRPGに求めてるものじゃないんですよね。

・RPGとしてはシリーズ最低かも

本作はアクションRPGとして作られたのですからアクションRPGとして評価するべきという考えももちろんあります。
ですが本作はファイナルファンタジーであり、自分の中ではファイナルファンタジーはやはりRPGであるべきという考えのほうが強いです。
ハッキリ言って本作はファイナルファンタジーであり、そしてアクションRPGである、ということが自分の中での評価を著しく落とす要因になっています。
ゲームとしての完成度を見るならFF13やFF15のような評価の芳しくないシリーズと比べれば高いのかもしれませんが、RPGとして見るならば褒めるところのない作品、FF13やFF15にも劣る作品という評価をせざるを得なかったです。

5.ストーリーについて(ネタバレ注意)

・魅力的な世界観

オフラインのFFとしては久しい、いわゆるコテコテの「剣と魔法のファンタジー」。その中でも飛空艇のような若干のスチームパンク的要素はなく
中世ヨーロッパ的な、きらびやかな貴族もいる一方で泥や血にまみれて生きる者たちもいるような世界観ですね。
さらに地方全土に広がる戦乱や一般常識として根付いた差別意識、復讐に生きる主人公など、ダークファンタジーが好きな人には刺さりやすい世界観だったのではないかと思います。
第一印象はクリスタルや召喚獣など、FFらしい世界観だと思ったんですが、世界観を見ていくと世界征服しようとしてる軍事国家がある…ではなく資源を求めてどの国も戦わざるを得ないような状況というのは若干ナンバリングのFFっぽくはないかもとは思いましたね。

・愛着を持てるキャラクター

まず主人公クライヴ・ロズフィールドですが、プレイする前はぱっと見地味だと思いましたし、世界観的にも何が楽しくて生きているのかわからない雰囲気を醸し出してはいるんですが、よく読み解いていくと彼個人のやさしさであったりとか、ところどころ垣間見える染み付いた育ちの良さであったりが彼の強さにもなっていて、それはよかったですね。
ストーリー再序盤でドン底に落とされ、そこから再起して彼の周囲には多くの味方が集まってくれます。集まった味方もクライヴを信頼して彼の目指すビジョンのために頑張ってくれてる様子が見え、プレイヤーとしても彼らの目指すものが実現するといいねと思いながらゲームをプレイできる、そんな良い主人公だったと思います。

ドミナント達が織りなす物語…のはずなんですが、ぶっちゃけドミナントよりもサブキャラクター、ガブやバイロン叔父さんのほうが気に入っちゃいました。
ガブ、クライヴに与えた影響は間違いなくシドのほうが大きいんですけど、結果的に付き合いはガブのほうが長いんですよね。
ドミナントでないと戦いにはついていけないような状況になっても斥候としてクライヴからの信頼を受けているようなシーンは多く、メインキャラとしての扱いは受けてないですが間違いなくクライヴにとっての相棒はヤツだったと思える、おいしいポジションだったなと。
そしてバイロン叔父さん、彼にとっては甥っ子であるクライヴやジョシュア、二人の父も皆死んだと思っていた中でクライヴやジョシュアと再会できたシーンで本当によかったなぁと思わされてしまいました。
どういうわけか、クライヴとジョシュアの再会よりもぐっときちゃいましたね。
それ以降甥っ子のために自分にやれることで力になろうとしてくれるスタンスなどはちょっとした癒しでしたね。
この二人がいてくれないと話が暗くなりすぎるくらい重要なポジションだったと思います。

逆に魅力がなかったのがバルナバスですかね。
バルナバスは序盤から顔見せしていたものの、本格的に行動し始めたのは終盤で、そのころにはもうアルテマに操られて自分の言葉を発していなかったように思えて、最後のドミナントにしてはよくわからないキャラクターのまま終わってしまいました。
アルテマに出会う前の彼がどういう人物だったかを見せてほしかったです。
そしてアルテマ。彼も魅力はなかったんですがそれは後述します。

・物足りないストーリー

ストーリー重視、という割にストーリーは若干シンプルすぎるかなと思いました。
クライヴを中心とした人間関係からなる感情の動きなどはよく表現されてるんですが、物語の本筋や核心の部分が物足りなかった感じですね。

比較的序盤で火のドミナントへの復讐が見当違いだったことがわかり、目標がすべてのマザークリスタルの破壊に代わるんですが、一つ目を破壊した時点で黒幕のアルテマが現れ、最後のクリスタルを壊したころには物語もクライマックス…という構成になっています。
個人的には早いうちに5つのクリスタルを壊すと決めて、全部壊したその時がもうクライマックス、クリスタルを壊すこと自体も間違ったことではないという、物語のどストレートさに物足りなさを感じました。

例えば、FF10であれば「召喚士は祈り子を巡って修行し、最後にザナルカンドで究極召喚を習得してシンを倒す」という目標をもって旅をしますが、そのザナルカンドで究極召喚の真相を知りそれではダメだ、究極召喚以外の方法でシンを倒すという当初とは違った結論を導き出します。
また、FF5であれば4つのクリスタルを巡った最後の一つで黒幕のエクスデスが現れ、物語はむしろそこからが本番、最初にいた世界とは別の世界や、二つの世界が混じり合った世界を旅することになります。
あるいは、BDFFであれば人々は4つのクリスタルの恩恵を受けて暮らしており、そのクリスタルの力が失われつつあるため、4つのクリスタルの力を開放して世界を救うという目標を掲げて旅をします。しかしこれがなんと罠、クリスタルは世界の基盤という常識を疑って破壊することが正解でした。

こういったクリスタルや当初の目的を話の軸に据えつつ、そこから急展開があってほしかったんですよね。

それから、黒幕のアルテマの目的に魅力がなかったです。
こいつがヴァリスゼアにクリスタルや召喚獣、魔法などの理をもたらしたというので、確かにクライヴが苦労したり目標を見出す根本的なきっかけではあるのですが…
アルテマはアルテマでヴァリスゼアの色々を贄にして自分とこの一族を復活させるという、(手段はともかく)アルテマなりに切実な悲願をもってそれらの準備していたことがわかります。
確かにアルテマの悲願はクライヴ目線では到底容認できることではないですし、クライヴ側から共存とか考えなかったのかと問うた結果がアルテマ側も人間ごときと共存とかないわってスタンスなので、これはわかりあえん!ってことでぶちのめすことになります。
ただやはり…相当上から目線の嫌な奴ですがアルテマ側も苦労した過去があるのも事実なので「共存の道はなかったのか」が一切探されなかったのが少し気になっちゃいましたね。
また、FFのラスボスと言えば支離滅裂な破滅願望ってイメージがありますが、色々やってたのが「一族の復活のため」なのがちょっと真っ当すぎるというか…
LRFF13のブーニベルゼみたいに「この世界失敗したんで新しい世界作り直すけど弱い人間は連れてかないんでよろしく」ぐらい神目線の独善だったら分かり合えない、分かり合う必要もないってなるのもわかるんですが。

6.まとめ

色々と気になった部分はあったものの、アクションRPGとしていわゆるノーマルモードを遊ぶ分にはとっつきやすい操作ながら派手なアクションを楽しむことができ、また物語的にも目標を見失うこともない、一本筋の通ったゲームとして楽しめました。
ムービーは少し多め・長めなのですが「映画のようなゲーム」と言ってもいいほど人間関係や召喚獣の演出については非常によくできています。
また、クライヴ目線以外でこの世界では何が起きているのかということに興味を持った時にそれを調べるための仕組みもよかったです。

しかし、これはファイナルファンタジー。RPGとして地位を確立したシリーズです。
RPGとして見た場合、育成・編成や探索、やり込みなどRPGとしてのFFに求めていた要素はほとんどありませんでした。
RPG的な要素を求めた場合はFF13やFF15にも劣るといっても過言ではありません。

最後に…これが今後も含めたファイナルファンタジーの目指す方向性であるのならば、その復権は厳しいと感じました。
このゲーム、はっきり言うと遊びの幅が極端に少なく、人によって攻略に変化が出るような作りではありませんので、ゲーム体験の面白さをきっかけに口コミが広まるということはあまりないような気がします。
また、ゲームというよりこれは良い映画なのである…という方向性を広めようとしても、ストーリーを追うだけならば昨今は「配信を見て済ませる」という考え方も当たり前になっています。
そういうところで個人としては満足のいく体験ができたとしても、ほかの誰かに「ファイナルファンタジー16は良いものである」ということを伝えるとなるとその切り口がなかなか見つからない、むしろFFであるが故の不満点のほうがより具体的で広まりやすいだろう、そんなゲームだと思いました。


…でも最後までプレイして「悪い、やっぱ辛ぇわ」とこぼれたりはしませんでしたよ!

いいなと思ったら応援しよう!