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人間賛歌第3場「賛」イベントレポート 2022.8.5-8.7

経堂アトリエ主催
2022年8月5日~8月7日に開催された
『赤キノコ山と蒸したお酢』創作企画 create model けい vol.3
人間賛歌 第3場「賛」レポートになります。


【イベント概要】

人間賛歌
その土地に住むクリエイターと一緒に、住む人・訪れる人に向けて
「ならでは」の表現を行う地域密着型展示会です。
第1場「人」では
人と出会って知るのから、暮らしの中でつながるドラマへ。
として「自己紹介」をテーマに展示・朗読を行いました。
第2場「間」では
つながって距離を感じる。歩いて、止まって、目をとじて。
として「心の距離」をテーマに展示・朗読・ワークを行いました。
第3場「賛」では
想いを馳せてみる。静かにドラマが紡がれはじめる。
として「想いを馳せる」をテーマに展示・朗読・ワークを行いました。

日時:2022年8月5日(土)~8月7日(日)15時~21時
場所:経堂アトリエ
内容:展示 「人」「間」(小規模)、「賛」
   カフェ「アトリエ憩」
   朗読「あなたへ」
料金:展示入場料 無料
   「アトリエ憩」 一杯 500円
   「あなたへ」 1,000円
   フリーパス  1,000円
定員:各回6名
対象:どなたでも
主催:経堂アトリエ
協力:DAY DRIP COFFEE稲垣 美侑
企画・制作:赤キノコ山と蒸したお酢


【フライヤー】

SNS予告アイキャッチ1。


SNS予告アイキャッチ2。


表面。


裏面。


DM表面。


DM裏面。



【スタッフ】

共同制作:長谷川 祐輔、fuko西條 快

宣伝写真:スゲノリュウゴ

撮影:喜嶋 龍司

制作協力:浅井 慎ノ介

総合演出・制作など:オガワジョージ


【ステートメント】

人間賛歌 第3場「賛」

 この人間賛歌は関係性を深める過程を4つに分けています。普段、人は誰かと深い関係になりたいとき、どんな過程をたどるか考えてみました。自己紹介する→心の距離を測る→想いを馳せる→想いを伝える、こんな感じではないでしょうか。挨拶をして、距離感を大切にしながら接しつつ、相手のことをじっくりと考え、想いを伝える。それを人間賛歌のそれぞれの漢字に当てはめてみると、なんかしっくり来た気がしました。

 第3場「賛」は3つめの「想いを馳せる」がテーマです。関係を深めたい、近づきたいと相手について考える場。この場で大切にしたいのは対話です。誰かや何かに想いを馳せるとき、きっと自分の内の気持ちや、自分の内の誰かや何かと向き合って対話をしていると思うからです。自分で自分の気持ちを励ましたり、押し殺したり、色々なことが起きます。

 今回はカフェ「アトリエ憩」と朗読「あなたへ」を用意しました。どちらも対話の雰囲気を大切にしたものです。話をしたり、聞いたり、書いたり、観たりすることが想いを馳せるきっかけになって、いつの日か伝えてみようと思えるような時間になれば良いと考えています。この場にただよう想いに目と耳を傾けてみてください。


以下、イベントの様子をまとめていきます。(8月7日撮影)






8月7日は晴れ。
お盆が近づき、夏の猛暑も少し優しくなってきたような頃です。
夕暮れ時にカフェ「アトリエ憩」は開場しました。


レポート展示


カフェの小窓から見える展示の様子。


庭から戸を開けて店内へ入ると、奥の方に展示スペースが見えます。
人間賛歌の企画のつながりを知ってもらおうと、今までの展示の制作物を記録として展示しました。


第1場「人」


第1場「人」のレポート展示。
フライヤーや作品集、手帳、演劇ノートがあります。


上には電飾をつけました。


「自己紹介」がテーマで、僕の過去の活動や制作物を主に扱いました。
第3場「賛」にお越しいただいたお客様にも手帳や演劇ノートが好評でした。しかし17時~21時と開催時間が短かく、もっと制作物を見たかったという声もいただきました。


第2場「間」


第2場「間」のレポート展示。
人間賛歌のステートメントとフライヤー、街の写真集、創作短編「しおり」があります。


フライヤーの中身。


「しおり」は4編セットで販売していました。


「心の距離」がテーマで、経堂のお店や場所についての短編と、フィールドワークの写真集を扱いました。写真の多さを見て驚かれる様子に少し嬉しく感じたりしました。


展示「賛」


大切なものの棚。
色んな方の大切が集まりました。


朗読「あなたへ」で用いる手紙の棚。
陽が落ちるととてもきれいでした。


照明。
空間がほんのりと彩られました。


「想いを馳せる」のテーマから、ご来場されたお客様にお一人ずつ”大切なもの”を書いていただくようにしました。
大切な人に想いを馳せて書かれたお手紙も置かせていただきました。


カフェ「アトリエ憩」


フライヤーと一緒に貼り出した、カフェ「アトリエ憩」の説明書。


お客様に「対話」と「手紙」のワークをしていただくようにし、
想いを馳せやすくなるように”大切なものをひとつお持ちいただけたら”と促していました。


対話をするときの約束ごとを決めました。


入って左手がカウンター。
お品書きをお見せしながら、企画をご説明します。


「話をする・話を聞く・朗読を観る」を選んでいただき、
それぞれのお席にご案内する形です。


グラスやコーヒーセットなど。


経堂アトリエの井上 明日香さんの生け花も。


お客様がご来場された17時、外はまだ明るかったです。


談話中。


一通りのご注文を受け、お席にご案内しながらお飲み物の準備。
淹れ方はDAY DRIP COFFEEさんから教わりました。


聞く席の様子。
人間賛歌「賛」のステートメントが置かれています。


話す席の様子。
お客様にはお飲み物と一緒に手紙もお渡ししました。


少しずつ、対話の時間に入っていきます。


対話


話す席にて、ゆるやかにスタート。


オガワも参加します。


少しずつ空気が和やかに。


途中からいらしたお客様も、対話の輪の中に入っていただけました。


やり取りも進み、深まっていく時間を感じます。


対話を進めるとき、話す人はこの人形を持つようにしました。
それ以外の方は聞くことに専念します。
話す人が、自分の話を遮られない安心感を持てるようにするためです。


イシザキさんの大切なものはお化粧品でした。
ジョー力一(じょー・りきいち)さんというVtuberのお話もしてくださいました。


Bさんの大切なものは音楽機材でした。
子どもの頃に購入したもので、きっかけについてお話してくださいました。


オガワも大切なものについて話しました。
今回はお豆腐の人形について。


札野さんの大切なものは櫛でした。
思い出や肌身離さず持ち歩いていることをお話してくださいました。


Sさんの大切なものはチェキカメラでした。
使い続けるこだわりをお話してくださいました。


陽とともに、さらにやり取りが深まっていきます。


言葉に温度を感じられるような空間でした。


聞く席にいたお客様も自然と対話に加わってくださいました。


最後にオガワが振り返り。


20時頃に対話が終了。


豆腐の人形も役目を終えました。


途中休憩をはさんで約3時間におよぶ対話でした。
「大切なもの」を入り口にやり取りが進み、とても個人的な部分だったり、大切な記憶や出来事を話してくださいました。
この時間で交わされた「話す/聞く」のやり取りには、互いにさまざまな想いを馳せ、落ち着くような赤茶色の温かさを感じられるようでした。


朗読「あなたへ」


撮影:長谷川 祐輔さん


対話の時間を終え、朗読を行いました。共同制作のfukoさん、西條 快くんと準備を進めた2編のお手紙を朗読しました。

「大切な人に向けられた手紙」として、
1つめはfukoさんのおばあさんからfukoさんに宛てられたお手紙を、
2つめは西條 快くんが過去の自分に向けて宛てた詩のお手紙を朗読しました。

書いた方々へ想いを馳せながら朗読していたなぁと思います。
どちらも直筆で言葉の力があり、込められた想いを丁寧に抜き出すように読もうとしていました。


手紙


20時30分頃。
朗読を終え、最後に手紙のワークを行っていただきました。
この手紙については、僕が内容を知らないまま、お持ち帰りいただいて、
その後気持ちが整ったら直接お渡ししていただけたらと促しました。







様子


ワーク中の様子です。
その写真を一部掲載いたします。












感想


ご来場者アンケートに記入していただいた感想を掲載いたします。

1.このイベントに来て
(とても面白かった、面白かった、どちらともいえない、面白くなかった、全く面白くなかった)

 2.どうしてそう感じましたか?
(展示やパフォーマンス、運営など)

の構成です。


とても面白かった
「ジョージさんのひとつひとつ丁寧に向き合う姿勢が、展示やパフォーマンス・運営すべてに現れていてとても心地良い時間でした。コーヒーとても美味しかったです。ごちそうさまでした!」

面白かった
「哲学対話のはなしが面白かったのと、写真たちがとてもすてきでした。ジョージの創作のお話も見たかった。いろんなおはなしタイムが興味深くて楽しかった」

面白かった
「参加者に能動的に話させる試みが新しく感じた」

とても面白かった
「話す機会の少ない『大切』について話すことも聞くこともできて、他の人の話を聞いて『もっと大切にしたい』『これも無視したくない』と思うことができました。関係について改めて考える良い機会でした」

とても面白かった
「鑑賞者が展示に関わることができること。また、対話中に『聞くだけ』がゆるされること」

面白かった
「誰かが誰かに何かを伝え、それについて話すことが出来るって、いいね♪」

面白かった
「ここにしか無いコンテンツであったから。皆さんの深い所の話が聞けて良かったです」

面白かった
「自分の考えや感性を見つめ直すことができた。他の人の考えなどに少しでも触れることができた」


その他


人間賛歌「賛」は前回の「間」にてご協力いただいた稲垣美侑さんの個展「草むらの音素」の会期中に開催いたしました。



人間賛歌「賛」まとめ


今回は街よりも人について焦点を当て、大切な人やものに想いを馳せるとはどういうことなのかを考えました。準備期間から開催終了まで、語り切れない瞬間がたくさんありました。人間賛歌を起承転結で分けるとしたら、「賛」は転であり、一番楽しみにしつつも不安を感じた場でした。

前回の「間」で会期中にお休みした反省から、8月5日~7日の3日間、夕方から夜にかけて開催することにしました。「想いを馳せる」のテーマのもと、
以前から大切にしていた「向き合う」ことや「対話」に内容を寄せていきました。僕は演劇をしていて、そのような場面の丁寧さや繊細さがとても好きだったために楽しみだと感じていました。

しかし、誰かと向き合ったり、対話をしたりという行為は日常的にあまりしない分、参加者の方々にとても負荷のかかる内容であり、対話中に思わぬことを話したり聞いたりして、傷つけてしまうかもしれないという不安も同時にありました。

実際に声かけやサポートを欠かさずに場をつくれたかというと、まだまだ配慮できた部分があったと思いますが、そのような不安を自他ともにできる限り取り除いて、安心していられるような場をつくりたいということでアトリエ憩という名前にしました。

対話で話したり聞いたりしている姿や、手紙を書いているときのみなさんの姿を見ていて、大切な人やものへの想いを感じられる瞬間がいくつもあって、その人の人生を垣間見るような、素敵な経験ができました。

朗読をしているときも、みなさんが集中して耳を傾けていることを強く感じられました。どのような形で届いたかは分かりませんが、2編のお手紙を朗読できたことを本当に嬉しく思います。
共同制作で参加してくれたお二人にも感謝が尽きません。


人や街への「自己紹介」を行って「心の距離」を測り、そこへ「想いを馳せる」ことは、まだ自分の内側に重点があるんじゃないかと考えます。
今までの時間をまとめた想いを伝えることで、やっと外の世界とつながるような感じがするのではないかなとも思います。

10月「歌」のテーマは「想いを伝える」です。
長く続いた企画もお開きになります。
よろしければ覗きに来てください。


「あなたのこと、考えたの。」


リンク集


協力
DAY DRIP COFFEEさん

稲垣 美侑さん

稲垣さん個展「草むらの音素

共同制作
fukoさん

西條 快くん

宣伝写真
スゲノリュウゴくん

撮影
喜嶋 龍司さん

制作協力
浅井 慎ノ介さん


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オガワジョージ
いただいたものはすべて創作活動にあて、全国各地を回って作品をつくったり、地域に向けた演劇活動の資金にします。「たった一人でもいいから、人生を動かす」活動をより大きく、豊かに頑張ります。恩返しはいつになるか分かりませんが、必ず、させてください。よろしくお願いします。