人間賛歌第3場「賛」イベントレポート 2022.8.5-8.7
経堂アトリエ主催
2022年8月5日~8月7日に開催された
『赤キノコ山と蒸したお酢』創作企画 create model けい vol.3
人間賛歌 第3場「賛」レポートになります。
【イベント概要】
日時:2022年8月5日(土)~8月7日(日)15時~21時
場所:経堂アトリエ
内容:展示 「人」「間」(小規模)、「賛」
カフェ「アトリエ憩」
朗読「あなたへ」
料金:展示入場料 無料
「アトリエ憩」 一杯 500円
「あなたへ」 1,000円
フリーパス 1,000円
定員:各回6名
対象:どなたでも
主催:経堂アトリエ
協力:DAY DRIP COFFEE、稲垣 美侑
企画・制作:赤キノコ山と蒸したお酢
【フライヤー】
【スタッフ】
宣伝写真:スゲノリュウゴ
撮影:喜嶋 龍司
制作協力:浅井 慎ノ介
総合演出・制作など:オガワジョージ
【ステートメント】
以下、イベントの様子をまとめていきます。(8月7日撮影)
8月7日は晴れ。
お盆が近づき、夏の猛暑も少し優しくなってきたような頃です。
夕暮れ時にカフェ「アトリエ憩」は開場しました。
レポート展示
庭から戸を開けて店内へ入ると、奥の方に展示スペースが見えます。
人間賛歌の企画のつながりを知ってもらおうと、今までの展示の制作物を記録として展示しました。
第1場「人」
「自己紹介」がテーマで、僕の過去の活動や制作物を主に扱いました。
第3場「賛」にお越しいただいたお客様にも手帳や演劇ノートが好評でした。しかし17時~21時と開催時間が短かく、もっと制作物を見たかったという声もいただきました。
第2場「間」
「心の距離」がテーマで、経堂のお店や場所についての短編と、フィールドワークの写真集を扱いました。写真の多さを見て驚かれる様子に少し嬉しく感じたりしました。
展示「賛」
「想いを馳せる」のテーマから、ご来場されたお客様にお一人ずつ”大切なもの”を書いていただくようにしました。
大切な人に想いを馳せて書かれたお手紙も置かせていただきました。
カフェ「アトリエ憩」
お客様に「対話」と「手紙」のワークをしていただくようにし、
想いを馳せやすくなるように”大切なものをひとつお持ちいただけたら”と促していました。
少しずつ、対話の時間に入っていきます。
対話
途中休憩をはさんで約3時間におよぶ対話でした。
「大切なもの」を入り口にやり取りが進み、とても個人的な部分だったり、大切な記憶や出来事を話してくださいました。
この時間で交わされた「話す/聞く」のやり取りには、互いにさまざまな想いを馳せ、落ち着くような赤茶色の温かさを感じられるようでした。
朗読「あなたへ」
対話の時間を終え、朗読を行いました。共同制作のfukoさん、西條 快くんと準備を進めた2編のお手紙を朗読しました。
「大切な人に向けられた手紙」として、
1つめはfukoさんのおばあさんからfukoさんに宛てられたお手紙を、
2つめは西條 快くんが過去の自分に向けて宛てた詩のお手紙を朗読しました。
書いた方々へ想いを馳せながら朗読していたなぁと思います。
どちらも直筆で言葉の力があり、込められた想いを丁寧に抜き出すように読もうとしていました。
手紙
20時30分頃。
朗読を終え、最後に手紙のワークを行っていただきました。
この手紙については、僕が内容を知らないまま、お持ち帰りいただいて、
その後気持ちが整ったら直接お渡ししていただけたらと促しました。
様子
ワーク中の様子です。
その写真を一部掲載いたします。
感想
ご来場者アンケートに記入していただいた感想を掲載いたします。
の構成です。
とても面白かった
「ジョージさんのひとつひとつ丁寧に向き合う姿勢が、展示やパフォーマンス・運営すべてに現れていてとても心地良い時間でした。コーヒーとても美味しかったです。ごちそうさまでした!」
面白かった
「哲学対話のはなしが面白かったのと、写真たちがとてもすてきでした。ジョージの創作のお話も見たかった。いろんなおはなしタイムが興味深くて楽しかった」
面白かった
「参加者に能動的に話させる試みが新しく感じた」
とても面白かった
「話す機会の少ない『大切』について話すことも聞くこともできて、他の人の話を聞いて『もっと大切にしたい』『これも無視したくない』と思うことができました。関係について改めて考える良い機会でした」
とても面白かった
「鑑賞者が展示に関わることができること。また、対話中に『聞くだけ』がゆるされること」
面白かった
「誰かが誰かに何かを伝え、それについて話すことが出来るって、いいね♪」
面白かった
「ここにしか無いコンテンツであったから。皆さんの深い所の話が聞けて良かったです」
面白かった
「自分の考えや感性を見つめ直すことができた。他の人の考えなどに少しでも触れることができた」
その他
人間賛歌「賛」は前回の「間」にてご協力いただいた稲垣美侑さんの個展「草むらの音素」の会期中に開催いたしました。
人間賛歌「賛」まとめ
今回は街よりも人について焦点を当て、大切な人やものに想いを馳せるとはどういうことなのかを考えました。準備期間から開催終了まで、語り切れない瞬間がたくさんありました。人間賛歌を起承転結で分けるとしたら、「賛」は転であり、一番楽しみにしつつも不安を感じた場でした。
前回の「間」で会期中にお休みした反省から、8月5日~7日の3日間、夕方から夜にかけて開催することにしました。「想いを馳せる」のテーマのもと、
以前から大切にしていた「向き合う」ことや「対話」に内容を寄せていきました。僕は演劇をしていて、そのような場面の丁寧さや繊細さがとても好きだったために楽しみだと感じていました。
しかし、誰かと向き合ったり、対話をしたりという行為は日常的にあまりしない分、参加者の方々にとても負荷のかかる内容であり、対話中に思わぬことを話したり聞いたりして、傷つけてしまうかもしれないという不安も同時にありました。
実際に声かけやサポートを欠かさずに場をつくれたかというと、まだまだ配慮できた部分があったと思いますが、そのような不安を自他ともにできる限り取り除いて、安心していられるような場をつくりたいということでアトリエ憩という名前にしました。
対話で話したり聞いたりしている姿や、手紙を書いているときのみなさんの姿を見ていて、大切な人やものへの想いを感じられる瞬間がいくつもあって、その人の人生を垣間見るような、素敵な経験ができました。
朗読をしているときも、みなさんが集中して耳を傾けていることを強く感じられました。どのような形で届いたかは分かりませんが、2編のお手紙を朗読できたことを本当に嬉しく思います。
共同制作で参加してくれたお二人にも感謝が尽きません。
人や街への「自己紹介」を行って「心の距離」を測り、そこへ「想いを馳せる」ことは、まだ自分の内側に重点があるんじゃないかと考えます。
今までの時間をまとめた想いを伝えることで、やっと外の世界とつながるような感じがするのではないかなとも思います。
10月「歌」のテーマは「想いを伝える」です。
長く続いた企画もお開きになります。
よろしければ覗きに来てください。
「あなたのこと、考えたの。」
リンク集
協力
DAY DRIP COFFEEさん
稲垣 美侑さん
稲垣さん個展「草むらの音素」
宣伝写真
スゲノリュウゴくん
撮影
喜嶋 龍司さん
制作協力
浅井 慎ノ介さん