米国J-1 VISA (Student Intern) の取り方
この記事は、mast Advent Calendar 2024 の24日目の記事です。 23日目はいなにわうどんさんの記事『独自のプレゼンツールと卒論の進捗を共有する仕組みを作った』でした。
はじめに
皆さんこんにちは。去年に引き続き24日の記事を担当させていただきますKazushiです。今回は来月1月から留学予定で米国のVISAを取ったのでその手順を紹介します。結論から言うと結構面倒なので渡航予定が決まっている場合は早目に取ることを推奨します(というか推奨されてます)。
VISAとESTA
さて、米国に入国するためには大きく分けてVISAかESTAのどちらかを取らなければなりません。両者の違いは何かと言えば、90日未満の渡航予定の場合はESTAで十分であるが、90日以上またはESTAが取れない場合はVISAを取得する必要があります。VISAの取得はESTAに比べてかかる費用も時間も手間も非常に大きいことから、ESTAで済む場合はESTAで済ませておきましょう。先日のWord56号の記事でも「ESTA 蹴られた時に読む記事」が公開されてましたが、観光や学会発表の場合はESTAで十分ですからVISAを取得する機会はあまりないと思われます。
J-1 VISA?
VISAは目的に合わせたたくさんの種類があります。J-1は訪問交流者という聞き慣れない区分であり、内部的にさらに多くのカテゴリがあります。たとえば、トレーニング、インターンシップなどです。カテゴリによって要件が異なりますので、よく確認するようにしてください。
J-1 VISAを申請するためには、スポンサー団体とやり取りをしてDS-2019というフォームを手に入れる必要があります。大学でのインターンの場合は多くの大学がスポンサー団体となっているため、直接行く大学とやり取りをすればよいです。企業に行く場合はNPO法人のスポンサー団体とやり取りをする必要があるらしいです。
そのほかにも研修先が用意するDS-7002という研修計画書が必要であり、これは本来スポンサー団体がDS-2019を審査するためにまず必要なものですが、大学に行く場合は研修先=スポンサー団体となるのでここでの審査はないようなものであると思います。
実際の申請 (大学でのインターンの場合)
Step 1: 研修先決定、予算確保
どこに行くのかを決めます。私は研究室のプロジェクトの一環として行く場所が決まっていたので特に苦労しませんでした。企業に行く人はエージェントを利用するなどして探すようです。予算について、私は研究室の先生が獲得しているJST ASPIRE予算で賄っています、圧倒的感謝。企業でのインターンの場合は準備にかかる費用80万円程度(資金証明100万円程度あるとよい)が必要ですが、インターン先での給料が $2000/月以上あるため、滞在中はそれで賄えるとのこと。どのみち、インターン先での受給分含めて月あたり$2000以上の資金がないとVISAを申請することができないと思われます。
Step 2: DS-7002, DS-2019, DS-160書類ラッシュ
DS-7002, DS-2019という書類を申請して受け入れ先の大学に発行してもらいます。様式は各大学によると思われます。完了したらI-901 SEVIS FEEを支払います。$220です、たけぇ。
また、DS-160という様式を埋めてアメリカ様に提出します。私が埋めた中で最も量が多く、大変なフォームがこいつです。このサイト、非常にUXがおもしろいことになってます(京都風)。普通に埋めててもタイムアウトしてよく入力したデータが飛びます。根気よくセーブを繰り返して少しずつ進めましょう。私は30回くらいタイムアウトしました。終わったらVISA申請料を払います。$185です、たけぇ。
Step 3: 領事館面接予約
様式がすべて上がったら領事館面接の申し込みをしましょう。教訓ですが、公式のビザ面接までの待ち時間は信用してはいけません。私が申し込みをしていた時期では、待ち時間の標準は3日-7日の間くらいでしたが、実際に取れた枠は最短で1ヶ月後でした。全く正しくないですね。DS-160と面接の申し込みは実は(最悪の場合は)DS-2019がなくてもできるので、遅くとも渡航の2ヶ月前には申し込みをするのが良いと思います。領事館面接の申し込みサイトも非常におもしろいUXとなっていて、私は20回以上cloud flareのタイムアウトページを見せられたと思います。サーバーが貧弱だなぁ。
予約時間の変更は6回まで可能で、それを過ぎるとビザ申請料をもう一度払うことになります。また、6回変更してすっぽかしても同様です。
Step 4: 領事館面接本番
持ち物
予約書をよく読み、必要なものを確認します。検索して他にどのような書類が必要か確認します。このサイトなどを見て用意すれば不足はないと思います。最低限予約書に書かれているものは当然必要ですが、前述のサイトはかなり包括的に書類が書かれているのですべてを用意できなくてもそんなに心配することはないと思います。
当日の持ち物、持ち込みできないものについては公式の「ご来館前の注意事項」を読むと良いでしょう。ただ、実際に行ってみるとわかりますがこれを遵守している人は1割もいません。しかし、全員普通に入れているので案外両者ともテキトーっぽいです。私は何も知らなかったので近くのコインロッカーですべての荷物を預けて書類の入ったクリアファイルのみ持っていきました。(個人的には敢えて自身に落ち度がある状態で行く必要はないと思いますが、過度に警戒する必要もない、というのが率直な感想です。)
反省点としては、長蛇の列ができていると非常に喉が渇くので飲み物は持参してもいいかなと思います。建物の中まで入れれば自販機、ウォーターサーバー、トイレはあるので持ってこなかった場合でも過度に心配することはありません。
質問対策
私は当日の夜中にすべての準備を始めたのであまり語ることはないです。このサイトとか見ればだいたいわかると思います。私の今書いている記事より丁寧ですべてが書いてあるのでぜひ読むべきです。コインロッカーの場所まで書いてあります。
面接の実際
進行としては、予約確認、保安検査、予備受付(仮称)、受付、指紋採取、面接の順番です。たまたま?行った日は待ち時間が非常に長く、保安検査終了後、予備受付までの待ち時間が1時間以上でした。トータルで2時間くらいかかりました。普段はそんなに長くないっぽいです。
面接はすべての非移民ビザが同じ列で処理されるみたいで、面接を受ける人の英語力は様々です。観光ビザを取得しようとしている人がすべて日本語で領事と話してて通っているところも見かけましたが、J-1 VISAでは渡航後にトレーニングを受けるに足る英語力は求められると思うので練習していくほうが安全でしょう。
面接の質問については以下の3つしか聞かれませんでした。(もちろん英語で)
何するの?
どのくらい行くの?
専攻何?
簡単ですね。まぁ限界準備で行ったので3D displayを3D graphicsっていい間違えたけど。領事さんには私がcomputer graphicsの研究をしている学生に見えたに違いない。
また、夜中に頑張って準備した説明書類も全く求められることはありませんでした。そしてあっけなく「Your VISA is approved.」と言われて終了です。
ただし、面接の内容については対応する領事によって全く異なるでしょうから参考程度とするべきです。