最近オードリーにはまっている話

はじめに

最近御笑い芸人のオードリーにはまっている(以下苗字も含め敬称略で記載させていただく)。もう芸歴20年にもなる大ベテラン大御所コンビを持ち出して何をいまさら、という話であるが、今更ハマったのである。

そもそも私は実家にいるときは、基本的にNHK主体でお笑い番組やバラエティ番組は見なかったし、そもそもテレビ番組を見るよりゲームをする方が好きだった。実際一人暮らしの今ではテレビを所有していない。便利なことにニュースはインターネットを通じて十分手に入るし、娯楽もたんまりある。ありすぎるほどだ。

そんな中なぜオードリーにはまったかというと、きっかけは「オドぜひ」である。オドぜひは公式YouTubeチャンネルにて番組の切り抜きを定期的に投稿しているが、これがたまたま、本当に偶然サジェストされたものが目に入って再生をしたことが、私とオードリーとの出会いだった。

オドぜひ

オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」という中京テレビおよび全国の放送局で放送されている番組である。今年で10周年ということで、ご長寿番組である。おめでとうございます。視聴者から寄せられた口コミ(自薦他薦問わず)をもとに選ばれた一般人(ぜひらーという)が、スタッフとの打ち合わせの上、収録時に初めてオードリーの二人およびアシスタント(女性アナウンサー)と会って作られるらしい(出たことがないので実際にはどうだか知らない)。言ってみれば、一般人の持ち込み投書をもとに、構成作家が番組の大筋を作り、オードリーとアシスタントが回すというような番組である。

登場する一般人は赤ん坊から戦争を経験したお年寄りまでさまざまで、みんな本当に一般人なのだ。口コミは例えば「春日・若林・アシスタントのファン」「頭が臭い」「童貞」「早飲み・早食い・利き〇〇」「新しい遊びを考えた」などなど……言ってしまえば本当にくだらない(誉め言葉)口コミなのであるが、「テレビに出る=芸能人」という通常の観念に逆らっており、それがまた却って面白さを増していると思う。オードリーという、地に足がついた……というか素朴な……庶民派……?とでもいうのだろうか、端的に表す単語が思いつかないが、そういうオードリーだからこそ、一般人との相性がいいんだろうな、というのを感じる。顕著な例として、公式YouTubeチャンネルの投稿動画で再生回数が一番多いのは、「メガネを外すとまるで別人」という一見クソ地味回である。しかしそれが1300万再生(!)行くというのだから、その変貌ぶりはよっぽどなのであろう。ぜひ見ていただきたい。見た前提で話を進めると、この番組はそういう番組である。
ここでいくつか好きな回を紹介したいと思う。ただし注意してほしいのが、前述のとおり私はテレビを所有しておらず、かといってそこまでテレビを見たいというわけでもないので、huluなども登録していない。すなわち、公式YouTubeチャンネルで投稿されている番組ダイジェストのみを視聴して、私が特に面白いと思ったものをいくつか紹介したいと思う。

高速膝カクカク

個人的に一番好きな回である。何回も繰り返し見ているが、思い返すだけで口角が上がるし、こと見始めた頃は呼吸が苦しくなるくらい笑ったものである。

この回は若かりし頃の若林の性格の悪いところが出ていて好きである(放送当時の私はファンでもなんでもないのだが偉そうに語って恐縮である)。今回のゲストの女性は大変恐縮ではあるが美人でもなければ会話がうまいわけでもなく、浅いところで判断するならば”モテない”側の人間であり(鏡を見てから言えという話である)、若林はそういう人に向かって必ず「彼氏いるんですよね」という。まずその底意地の悪さが面白い。いないですという返答に対して若林が意外そうなリアクションをし、春日の「そりゃいないだろう」に対して若林が「おいそれは失礼だろ!」というようなやり取りが通例である。性格の悪いのは若林の方なのに、それを春日に押し付けるような一連のやり取りをさせる若林の性格の悪さが本当に面白いと思う。さて、この回ではそうではなく、ゲストの女性はなんと既婚者だったのだ。目論見が外れおとなしく引き下がり方針転換する若林。大爆笑である。前述のやり取りは、言ったらオードリーの鉄板であり、それで一笑い取ろうと思ったのだろうが、出鼻をくじかれた若林。最高である(性格が悪いのはどちらだという話であるが)。ちなみにこの若林の性格の悪さは当然、”テレビ”である。

そしてゲストの女性のキャラの濃いこと。パートナーからの呼び名や好きな食べ物といった当たり障りのない内容ではその一言一句に爆笑しているのに、春日の鬼瓦には表情をピクリともさせない。爆笑である。この人はもはや一般人ではないのではないだろうか。お笑いのことを理解っていすぎである。続く春日の「全然笑わないじゃん」に対してけらけらと笑う彼女。ここでも一笑い。そして若林がしびれを切らし話題は口コミの「特技」の話に移るのであるが……時間にして10秒、特技への入り方、披露中の表情や動作、トーク中とのギャップ、スタジオのリアクション、文字通り「怒涛の展開」に、嫌でも笑ってしまう。全体的にオードリーの良さが出ているし、本当に面白いと思う。

ちなみにこのセクションは何も見ずに書いた。完全に脳内再生余裕である。そのくらい何度も見たし、何度も笑った。彼女は今どこで何をしているのであろうか。願わくば旦那さんと幸せな家庭を築いていてほしい。そして「あのぜひらーは今」として再登場し、進化したカクカクを見せてほしい。

ぴよぴよ祭り

傍目にはごく普通の幼馴染の男子二人が提案するぴよぴよ祭りという遊び(?)は彼らが普段からやっているものらしく、完全なる内輪ネタではあるが、それをみんなでやったら楽しいのではないか、という口コミであった(補足しておくと、一般人の内輪ネタをオードリーや視聴者に披露したいという趣旨の番組であるので、それで正解なのである)。この番組は基本的に自薦他薦問わないスタイルであるが、この口コミは他薦を装った自薦、しかも二人の仲は中学生から続いている(6年くらいの仲だろうか)のに対しぴよぴよ祭りをやり始めたのはここ数か月という詐称っぷりである(誉め言葉)。そこで一笑い。さて、このぴよぴよ祭りというのは、日常的な会話をしているところで、突然どちらかが「ぴよぴよ」と言い手を羽のようにばたつかせながら歩き回り始める。いくらか歩いたところで、ぴよぴよの方がそうでない方を見つめ「じー」と言う。その視線を浴びた方も、列をなして「ぴよぴよ」と言いながら練り歩くようになってしまう……という遊び(??)である。文字で説明すると全く面白くないどころか内輪ノリのさっむい奇行でしかないのだが、実際にやっているところを見ると得も言われぬシュールさが癖になる。これに春日とアシスタント(当時は気の強い美人キャスターの一ノ瀬アナ)が、最初は嫌そうなそぶりを見せながらも空気を読んでぴよぴよの輪に巻き込まれ、むしろ「じー」と他人を巻き込む側になっていく。最後に残った若林が最大の抵抗を見せるも、結局ぴよぴよ化するところは、予想できるところではあるが落ちるべきところに落ち面白い。そして一番面白いところは、どう見ても奇行でしかないのに誰も笑わず真剣な表情でぴよぴよしているところである。
これを見て以来、たまに「ぴよぴよ」と口をついて出てしまうことがある。「じー」とはまだ言っていない。まだ、言ってない。

完全に高速膝カクカクで筆が乗ってしまった。字数が字数なので先に進むとしよう。「スーパー人間」「春日の大ファン」「若林のことが好きすぎる女」「コンパ王」「ニート」「からあげアイドル」等、レジェンドぜひらーとでもいうべき大スターはたくさんいるのであるが、もちろん彼ら彼女らの回も大好きな上で、私はあえて上記の2回を推したい。オードリーファンにありがちなきっしょい逆張りと言われても構わない。好きなものは好きなのである。

ちなみに定期的に一般人ではなく芸人やアナウンサーが集まる回があるのだが、あくまで私見だがそういうのはいらないと思う。オードリーが一般人の内輪ネタに巻き込まれるのが見たいのであって、芸能人同士の内輪ネタとかそういうのは別にアメトーーク!とかでやればいいのである。アメトーーク!、見たことないから知らないけど。

オードリーのオールナイトニッポン

オドぜひ公式YouTubeチャンネルの動画を見つくしてしまった私は、さらなるオードリーを求めて、次はANNの切り抜きを見始めたのだった。こちらは2009年からやっているらしいから、13年続いているということになる……オードリーってすごいな。仕事柄というか生活サイクル的にリアルタイム視聴が難しいので、今はradikoでタイムシフト視聴している。便利な世の中になったものだ。ところでよく知らないのだが、YouTubeの切り抜き動画は合法なものなのだろうか?できるだけ正しくありたいと常々思っているから、もしYouTubeに上がっているANNの切り抜き動画が違法なのであれば、金輪際見ないことにするつもりだ。過去は変えられないが、未来は変えられるのだから(何の話?)。

ANNはおおむね、オープニングトーク、若林のトーク、春日のトーク、コーナー、エンドトークといった感じで構成されている。トークはやっぱり面白くて、ベテランの芸人ってすごいなと思う。こればかりはすごいとしか言えない自分のトーク力のなさが悔やまれる。話のフリとオチが完璧だし、毎週毎週よく話すことがあるよなあ、と感心する。あるのではなくて、ちゃんと自分から探しに行っているのだと思うけど。ほかにもいろいろ好きなところがある。春日のトーク中、まったく興味がないのにラジオという音声のみの媒体だから興味があるということを視聴者に示すために気持ち大きく相槌をしているんだろうな、と思わせるような若林の相槌が好きだ。回りくどい言い方になってしまったので端的に言うと、白々しい相槌をする若林が好きだ。若林と春日の、お互いを信頼している・本当に仲がいいんだろうなと思わせる掛け合いが好きだ。楽屋では全く話さないとか、休みに一緒になにもしないとか言うけど、トークの中身のこともあるし、そういう形の信頼もあると思う。不要に近くないところがいいなと思う。オードリーBLを妄想したくなる人の気持ちもわからないではない。

そのコーナーの中で、「東洋一のツッコミ・春日のコーナー」というのがある。私の好きなコーナーである。春日からある特定のツッコミフレーズを引き出すためのボケを視聴者から募集するコーナーで、視聴者はベストボケに選ばれたり抽選で提供会社のニチレイの冷凍食品がもらえるらしい。私は応募したことがない。なぜなら私自身は全く面白くない人間だからだ。だけど面白いことを言えたり思いついたりする人間に憧れがあるのは事実だ。だから、最近はお題に対する回答を考えてはパソコンのメモに書き込んでいる。しかし毎回思いついても1つ2つだし、全く面白くもないから、ツチヤタカユキはすごいなと思う(人生をかけてお笑いに望んでいる人間になにも知らずにすごいなというのは却って失礼なことかもしれないが)。もちろん、実際にメールを送ったりはしない。「半年ROMれ」という言葉があるからだ。もし来年くらいに渾身の一作ができたら、投稿してみたいと思う。言われてみれば、このコーナーもリスナー=一般人と芸人の絡みと言える点で、実質オドぜひと言っていいだろう。多分私はこういうのが好きなのだろうな。

このコーナーは、春日が試行錯誤してお題のツッコミフレーズを当てようとするところが面白い。たまについ素のツッコミが出てしまうところもよい。また、若林の読み上げ方が迫真の演技であり逆に面白く感じる(最強チャンネルとか、ですよ。とか)。何よりリスナーの投書が純粋に面白いと思う。世の中には一般人でもこんなに面白いことを思いつく人間がいるのだなと感心する。そして一人のトークではなく、協力して番組を作り上げている感があり好感が持てる。メールはラジオの醍醐味!

あと、あれも好きだ。上から目線のリスナーの投書を若林が読み上げ、紙を破り捨てながら何事もなかったのように進行していくやつ。もちろんそんな投書は演技であるし、若林が破るのも”ラジオ”である。

最後に

なんかいろいろ書いてしまった。なんかいろいろ失礼なことを書いた気がするが、どうか許してほしい。どうしても溜飲が下がらなければ、コメントを残してください。私はそれを印刷して破り捨てます。

オドぜひ→ANNと来て、若林のエッセイも読んだ。ラジオで聞いたような
話もあれば、知らない話もあって、面白かった。共感できるような部分もないではなかったが、やはり若林は私とは違いすごい人間なのだなと思った。思い知った。それはそうだ。相手は20年も芸人の世界という荒波どころか天変地異が起き続けているような世界を、ノアの箱舟に乗らずその身一つで生き抜いてきたような人間なのだ。

全然伝えきれた気がしないが、私は今、オードリーに、というか若林にはまっている(これはイッチー卒業回のリスペクトだ)。それだけ理解していただけたらいい。

この記事を書き終えた後、改めて「高速膝カクカク」「ぴよぴよ祭り」を見に行った。爆笑した。涙が出るほど笑った。

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