第一種放射線取扱主任者試験を受けてきました ~感想編~
初めに
この記事は、表題の資格試験を受けてきた私の、当日や試験を終えての全体的な感想です。
体験記や勉強法などに関しては下記記事をご覧ください。
https://note.com/kzsch/n/n0f28f7224eec
感想
さて、割と正直な感想をば。
①資格試験の暗記つらい
②それ実務上も暗記しておくべきこと?
③法律を勉強する人ってすごいなあ~
①「資格試験の暗記つらい」について:もともと数学物理側の人間なので、膨大な暗記量は正直きつかったです。いや、数学や物理も試験を解く場合は結局暗記じゃん、という反論はあると思うんですが、「心になじむ」度合いが全然違うんですよ。数学や物理って「これしたらああなる」という数式の変形を自分で考えてやっていくので、自分で作るストーリーがあるんです。なのですごく心になじむ。だから「結果的に心が覚えている」。だから、ある程度未知な事柄に直面しても、相手(問題)の「気持ち」を考えて「こうだろうな」という考え方ができる。
でも今回の勉強で覚えたことって、基本的に「こう決まってるから覚えてねハイ、ドン!」なんです。その意味や文脈を考えてもわからない。典型的なのは半減期とか放射線のエネルギーとかで、自然界がそういうふうにできているから考えても無駄じゃないですか。他にも、許可使用者の条件の一つ、”密封RIで限度の1000倍以上”の"1000"はどのように決められたものなんでしょうか。表面密度限度がα線放出核種では4Bq/cm^2、α線以外放出核種では40Bq/cm^2のその値はなんなんでしょうか。別に数字に限ったことではなく、そもそも許可使用者と届出使用者と……に区分が分けられているのはなぜなのか、帳簿記載事項があのように決められているのはなぜなのか。とか。いくらでもあります。
大学での勉強や研究なんかは特に、覚えること(覚えさえすればいいこと、といったニュアンスが近いか)はあんまりなくて、「こういう理論的背景のもとで、この概念に名前をつけたい」(これが結局”暗記”事項になる)というのがわかりやすいことが多かったので、あまり苦労しませんでした(もちろん試験対策としては別かもしれませんが)。
私はこういう「いわゆる資格試験」が初めてだったので、いわゆる資格試験の勉強ってこういう感じなのか~……ということに気づかされました。
②「それ実務上も暗記しておくべきこと?」について:法律の暗記というものを人生で初めてやったのですが、コレ覚えることですか???というのが多かったですね。例えば帳簿に何を記載するかなんて帳簿を書く段階になってから考えればいい。帳簿を書く必要があって、その内容は法律に決められているということだけを知っておけば十分なのでは。許可使用者が申請に当たって届け出る事項と添付に記載の事項なんて、申請を行う段階で気にすればいいことなのでは。みたいなことをぼやきながらやっていました。もちろん、人の被ばく量がいくらにしなければならないとか、緊急時の対応は〇〇である、といった人命がかかる事項や緊急性を要する事項は、いちいち法律を参照している暇なんてないので覚えておくべきだと思います。
もちろん、それは法律に限ったことではなくて、光子のエネルギーがE=hν=pcとか、絶対使わないでしょ。そう考えると資格試験って何なんだろう……なんのための資格試験なんだろう……というところまで行くのですが、本題から逸れるのでこの辺でやめておきます。「資格としての箔をつけるために厳しい試験を課しているのでは」という知人の発言にともすれば納得してしまうような……。
こういうことを書いていると、受験時代を思い出します。私は数学や物理が楽しかったので理系に進んだのですが、社会(特に歴史)や国語の勉強では「こんなん覚えてなんになるねん……」「調べりゃわかることを聞くな」とかずーっと言ってました。もちろん覚えようと努力はしました、「気持ち」をわかってあげられなかったので、それこそ単語帳などを使って半ば無理やり。でも相性が悪かったのか、最後の最後まで「いわゆる文系科目」ができるようにはなりませんでしたね……成長してないなあ(笑)。
③そして結局思ったのは、法律を勉強してる人ってすげえなあ~ということでした。もちろん他にも膨大な知識量を要求されるお仕事はたくさんありますが、法律という私にとって最も「気持ち」のわからないものについてたくさん知っていて、歩くデータベースみたいになってるわけじゃないですか。それどころか、事例をインプットして該当する法令に抵触するか否かをアウトプットする関数もついてる。事例と法令のマッチング部分が「気持ち」になるのかな……抵触の成否は決定木?法律関係以外だとお医者さんもそうですね。症状から病気を逆解析して、応じた対策をアウトプットする。たくさん勉強すると、病気や法律の気持ちもわかるようになるのかな?
法律や医学に限らず、たくさん学んでいろんなことの「気持ち」がわかるようになった人ってすごい。「気持ち」がわかるようになると面白いんだろうな。うーん。
終わりに
そんなこんなでただの感想でした。誰かの役に立つことは全く想定してないです、はい。受かったかどうかわからないのにこんなもの書いてていいんだろうか(笑)。もうあの勉強を繰り返したくはないから、受かっててくれ~。
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