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3年経ちました。

あの告知から今日で丸3年

気温がぐっと下がり12月が近づいてくると

師走の慌ただしく騒めく世間のなかで
ひとり自分の周りだけが無音になり
淡々とがん患者になった事実と
これから待ち受ける検査&治療に頭を巡らせていたあの日の自分がフラッシュバックし
少しナーバスに…

なってたのは昨年までのこと
今年は先日までの浮かれまくった週末の余韻のおかげで
全くと言っていいほど平穏である

先月1ヶ月ほど腹痛が続き
久々に不安で眠れない夜が続いた
婦人科内科と受診し大腸検査までして
結局どこも異常はなかったのだが
がんを患ってからは少々の不調にもすぐに
再発か転移かと頭をよぎり
病院に行く決心をするまでが怖くてしかたがない

おそらくこの恐怖と不安は
この先何度も経験するのだろうと
腹を括ることにした

それ以外は
がんになる以前よりおそらく元気だ
これは知人にもそう言われた
ちなみに「最近仕事も楽しそうだね」とも言われたがそれは絶対ちがいますね ええ

身体の異変に関することさえ除けば
多少のことでも動じなくなった自覚がある
辛くてしんどくて泣くようなことも一度もない

きっと3年前のあの日から
自分は生まれ変わったのだと思う
「命拾いした」とか「第二の人生」なんて表現は嫌いだけれど
全摘手術、化学治療、副作用を耐えたことで
心身ともに明らかに強くなったのだと断言できる

斜に構えた若い頃よりも
大人になった気でいた青年期よりも
半世紀を迎えた中年の現在の自分が過去最強だ
と胸を張れる
片胸無いけども

また基本的に年長者に対しては
自分より長く生きてる分経験豊富だろうから敬わねばと思ってるが
時に軽蔑するような輩に接した時など
コイツが経験したことのない苦行を
わたしゃ乗り越えてるわと思って溜飲を下げることにしたりと
最近はとことん無敵なんである

先日Xでフォローしているがん緩和ケア専門の方が
がん患者はもとより健常者にも勧めると
「やりたいことリスト」の作成を推奨していた

自分はわざわざリストは作っていない
なぜなら作るそばから実行に移してるからだ

今年は
名古屋、金沢、和歌山と3回旅行した
47都道府県制覇まであと20県弱
まだまだ先は長いが達成したいぞ

そしてついに先日は
英国の愛する俳優氏に会って来た!
手を握り言葉をかわしサインと写真を貰えただなんて
以前の自分ならば尻込みして到底できなかったことだ

実はあの場でしみじみと
ああ生きていてよかったと
あの時の治療をがんばったから
ここにいまわたしはいてアナタに会えてると
ひとり感慨に耽っていた
それをできることならば彼にも伝えたかったけれど
でも彼の視界に入った瞬間
全てが昇華できた気がしたから思いは達成したと思っている

最近ミュージシャンの訃報が続いた際に
「人生どうなるかわからないからやりたいことしなきゃ!」
といった言葉をよく目にしたし
実際目の前で口にされたけども

「いやそれ今更なんですがわたしにとっては」
というのが正直な心情

この人生いつまで続くかわからない
健康で動ける時間が明日も続く保証などない

毎日というと大袈裟かもしれないけども
ことあるごとに日々頭をよぎるのは
おそらくがんを経験した身と
していない人の一番の違いではないだろうか

健康と未来は有限であることを認識する
ゆえに必然的に活発に貪欲に
いまを楽しもう
やりたいことやろう
思ってるだけの時間もったいないぜ
という強い思いが
いまの最強の自分を形成しているのだと自覚して
なにもない日々がさらに続いていきますように

これが無事に4年目を迎えることができた素直な心境である

いつも見捨てずにいてくれる家族友人
ここまで読んでくれた方に
改めてたくさんのラブと感謝を…




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