岩壁音楽祭の参加者の一つの例
「君たちはトップを教祖として崇めているのか?」
私がアーティストのアテンド中にその場にいた人から投げられた質問です。
岩壁音楽祭はフェスの開催の知見を集めるためにゼロから始まったこと、多種多様な業種の人達が運営していること、各々が自主的にボランティアで参加していること、知見を集め終えたから3年後にもう一度開催して終了することを伝えると、不思議そうな顔をして、そう質問されました。
彼と同じような疑問を持つ人も多いかもしれません。
なぜ、どのようにして岩壁音楽祭の運営に関わったのか、そこで得たものや彼の疑問に対する答えなどを自分流にまとめましたのでこれを読んで岩壁音楽祭に少しでも興味を持っていただけると幸いです。
はじめまして。岩壁音楽祭運営の吉田です。
岩壁音楽祭(以下岩壁)に運営として関わり、そこで得た経験が超いいものだったので、忘れないように記事にして共有しようと思います。
私が岩壁と出会ったのは2020年でした。ロケーションの衝撃と出演アーティストがKID FRESINOと小袋成彬ということで、これは行くしかない!!と即決でチケットを購入。当日をワクワクしていたのですが、コロナ禍のため中止に。。。
今年の春に岩壁が開催されると聞いてインスタをチェックしていたら、ボランティアを募集しているとの投稿を発見。
レイブやフェスの運営に興味があるけど、経験が全くない私は返信が来るか半信半疑でDMを送信しました。
「運営に参加したいです!」
1日も経たないうちに返信が返ってきました。
「いいよ!じゃあ明日定例するから参加してね!」
(実際はこんなに軽くないですが、フットワークは本当にこれくらい軽い)
あっけなく参加することになってしまいました。
ズームでの定例で自己紹介をして、運営に興味があること、でも知識も経験もないことを伝えると、運営サイドも知識や経験がないところから始めたこと、運営に興味ある人たちのサポートがしたいということを話してくれました。
実際運営に入ってみると担当部門が数種類あり、運営本部、アーティスト、グッズ、アクセス、出店、ドリンクなどなど様々に分かれていて、スタッフそれぞれに担当が割り振りされている訳ではなく、誰でもどの部門にでも参加できるようになっていました。私はフェス運営に興味があったので運営本部やアーティスト部を主に担当していました。また週一回で行われる定例では、出席できる人が参加し、部門や年齢など関係なく意見が交差するようになっていました。
私は本番までにアーティストのブッキングや、アーティストたちの打ち合わせに参加したり、プレスを書いてソーシャルメディアに掲載依頼したり、フライヤーを仕分けしたり、などなど本当に多種多様な作業をしました。
迎えた当日、英語が話せる私は、海外アーティストのアテンド担当になりました。今まで私がアテンドしていたアーティスト達がステージ上でパフォーマンスをし、それをお客さんが楽しんで踊っている姿を見ると、どうにもこうにも嬉しくて。時刻はまだ14時。全然始まったばっかなのに、、、でも始まるっていうことは終わるってことでもあるし、お客さんめっちゃ楽しそうに踊ってるし、アーティストもかっこいいしみたいな色々な感情が溢れ出てついに涙が出てきちゃって、近くにいた運営スタッフと抱き合ったりもしました。
社会は問題ばかりで、不安や不満を常に感じる世の中になってしまいました。それでも音楽は私たちの味方であり、親友であり、恋人であり私たちの生活を照らし続けてくれます。それはあの場にいた全員が感じたことだと思います。音楽の持つパワーを誰かに提供できたことが本当に嬉しかったです。
イベントが終了してあの質問を思い出しました。
「君たちはトップを教祖として崇めているのか?」
私たちはトップを崇めたりはしていない。していれば打ち上げで泣いた彼の写真をラインのアルバムで共有するようなことはしないと思います。
私たちが信じているのはきっと音楽の力です。そしてそれが世界を少しでも良くするということを信じているんだと思いました。
岩壁音楽祭は2025年の開催で終了することが決まっています。岩壁音楽祭は主に学生、会社員、フリーランスからなる任意団体です。少しでも興味がある方は岩壁が終了するまでに、このチームに関わってみてはいかがでしょうか。きっといい体験が待っていると思います。
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