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忘我の先は崇拝
演劇活動も活発になり、先の公演に向けて稽古はするものの
もう少し先を見据えつつ並行して何かを行う。
活動の幅が広げられたり、演技の幅をもっと広げられるようにとあちこち足を運ぶ。そんな中、以前お会いしたタロット名人のHさんから面白いお誘いがあった。
「私たちの演劇メンバーで日本酒会を開催しますので、よろしかったら是非。」
そりゃもう、思考が動く前にもちろん行きますとお返事。
演技や劇団運営のノウハウ、聞きたいことは山ほどあるから、こんないい機会そうそうないぞと、とても興奮した。
1000人規模を相手にできる劇団さん方ですし、そういった面でもこんな演劇ど素人の自分が大きな繋がりを持てると少し悪どいことも考えてしまった。
そんなこんなで、お誘いから一週間ほど経った今日、
18時に千駄ヶ谷駅で待ち合わせをした。
改札を抜ければ、奥には国立競技場がドーンと建っている。いつ見ても圧巻だ。
ちなみに、この二日前に自身の演劇メンバーと共に国立競技場をひと目見ようと真夜中に足を運んでいたので国立童貞は済ませていた。
二日前まで国立競技場という存在を知らずに生きていて、メンバーにマジであり得ない。と謎の失望を与える。知らんもんは知らん。
己の世間への関心度がいかに薄いのか痛感。好奇心は人一倍強いと自負しているけれど、とことん偏りに突き抜けてます。
話を戻して、改札を抜けてHさんと合流。
11月にしてはやけに暑さを感じる夜で、それに合わせHさんは薄着。
以前の度肝を抜かれるデカイ荷物は持っておらず、手ぶらだ。
「では、着いてきてください〜」
Hさんと薄暗い千駄ヶ谷を歩く。
道中では、お互いに控えている公演の話や、劇団の話をする。
「3月公演のチケットが販売を開始したんですけど、まだ脚本も無い状態です笑」
ぇえ?!
他の劇団様の内部事情を知らないから、自分の感覚になってしまうけれど
おったまげです。
劇の時間によっては無くはない、あとは即興劇とかね。
しかし聞いてみると、90分の劇というもんだから稽古の時間を考えると、今すぐか明日にでも脚本が欲しいところ。
そんなハードスケジュール見え見えな状況にも関わらずフヘヘと笑っているから、
台本慣れしている人たちはやっぱすげぇなぁと関心です。
そこんところも後でお酒入れつつ聞かせてくださいな〜。と話しつつ
日本酒会が行われている会場に到着。
そこはとあるマンションの一室で、たくさんの方々がお出迎えしてくれた。
どうも〜初めまして〜カズマです〜〜。
説明を聞いていてもよくわかんなかったけれど、ここは
座長さんが家具なり照明を集めてセットしている、何かしらのサロンと呼ばれている場所だった。
暖色のライトでお部屋を暖かく優しく包んでいて、ジャズが流れている。
どこかお洒落な喫茶店のような、ゲストハウスのような、落ち着く空間。
Hさんを除いては、周りの方は当然初めましてで総勢20人以上と、とても名前が覚えれる気がしないぜ。
劇団員や、その広報の方。ダンサーや歌手と、いろんな世界で生きる人がいてとてもワクワクする。
日本酒もみんなの手元に渡り、おつまみも揃ったところで乾杯をし、
約一時間近く使い、ひとりひとり自己紹介が始まった。
どこから来たのか
ハマっていること
推しは誰か
上記3点を含めた自己紹介をお願いしますということで、
それに則って進んでいく。
Hさんからの指名で自分の番になり、1番と3番はすっ飛ばして、
ハマっていることは演劇です!とズドーンとストレートに伝えて終える。
しかし、周りにいる方どれも推しが「座長」さんで
座長さんはとても愛されているお方なんだなぁと思った。少し異様にも感じたけれど。
自分の所属する劇団メンバーから、
「たくさん名刺を貰ってこい!ただ、無理はしなくていい。」
と助言を貰っていたから、とにかくいろんな方とお話しを交わす。
自分の席から遠いところに座っている方がずっと気になっていたけれど、
カズマの直感がずっと「この人はヤベェぞ」とずっと警戒していた。
その方は、とてもダンディでハンサムだ。
他の方と話している姿を見ているとずっとニコニコしていて、ユーモアで溢れている。言葉や文章に表せられないけど、ただモノじゃない感がハンパなかった。
そして、Hさんがその方を紹介してくれた。
「カズマさん、こんな機会そうそう無いので是非、副社長とお話しをされてみては?」
はへ?副社長?
大きな劇団となると、そういう役職なんてあるの?よくわかんないけれどラッキー!じゃあ、お邪魔しちゃいまーす。
どもども、カズマです。
「カズマさん、どうも初めまして。面白い自己紹介でしたね〜。公演は決まっているのですか?なぜ演劇を?どこで、なにを・・・・」
と、こんな感じに質問が止まってくれない。質問への応えも間に合わないまま
副社長からお名刺をいただく。
おお、副社長と立派な肩書を持った方の名刺だ、わーい。
劇団の名刺と、もう一つ個人用の名刺だろうか?なんだこりゃ
「こっちの名刺は自分が管理している会社の名刺なんです。劇団だけではチケット代しかお金が入ってきませんから大変なんです。」
「なので、こうしてこの会社をスポンサーとして劇団にお金を支援しているという形なんですよ〜」
ふむ。よくわからん。
以前、音楽活動をしていたから小規模だとチケット代や、物販じゃお金がたいして潤わないのはなんとなくわかるけど
こんな規模の大きい劇団でもこういうややこしいやり方しているんだ。変なの〜
「でさ、やっぱり我々ステージに立つ身じゃない。」
はい。
「見た目が華やかであるってのは、とても大切なことだと思うのね。」
うむ、言っていることはわかります。欲を言えば自分も汚い肌より綺麗な肌の方がいいです。
「うちの商品めっちゃいいから、使ってみない?」
で、、で、、、でた〜〜!
そうなんです、ネズミ溝というやつですねこれ。
みんな揃って座長を推していたのもこれか。そりゃ違和感感じる。
宗教や勧誘など等は一切興味がないけれど、
そういうモノに漬かっている人に興味がある自分にはとてもスリリングで
なんて楽しい場所に来たんだとココロが踊る。
こちらから何か話しを振っても、全てスピリチュアルな回答に持っていかれる。
何をどう言っても、全てサプリだったり座長の自伝本を勧められる。
やっぱり異様だ。Yes or No が存在しない。
あまりにお金の話がすごいので、最後の質問をした。
あなたの命、魂はお金に宿っているのですか?それともその肉体ですか?
お返事は、
「この座長の本を読んでみてください。」
ズコー
いい時間だし、そろそろ帰ります。と伝え、Hさんとバイバイをする。
いろんな方とする雑談は楽しく、あの空間は好きだったのでまた足を運んでみようと思っている。
ただ、ビジネスを勧められようとサプリを勧められようと本を出されようと自分はナニモノも崇拝するつもりもないので、あの猛烈な勧誘をサラリと受け流す練習をしにいくんだと意識を持って再度挑んでみたいと思います。
無我夢中に動いた結果、崇拝者の集まりに飛び込んでいたお話しでした。
ではでは