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光よりも影を意識して撮影している

千葉県の流山を拠点にフリーランスで活動しているフォトグラファーの高野です。

結婚式や前撮りなどウェディングの撮影のご依頼をいただくことが多いですが、そこからのつながりなどで、家族写真などもご依頼いただくことがあります。

最初は光だけを意識していた

カメラマンになりたての時は、光だけを意識してた気がします。

どこから光が入ってきて、どうしたら全体に光を回せるのか。

なんでそういう風に考えていたのか、改めて思い返してみると、雑誌や広告写真をたくさんみて参考にしていたからだと思いました。

多くの雑誌や広告写真は影が薄かったり、全体的に明るい写真が多く、影の存在をあまり感じない写真が多いので、自然と全体的に明るい写真を撮るためにはどうしたら良いんだろうと考えることが増えていきました。

撮影の現場では影をなるべく消す、目立たせないようにするというイメージをもってライティングを組んだりしていました。

日本の写真や絵作りについて考えてみた

海外のカメラマンや広告、ドラマや映画ではあんまり全体的に明るいっていうイメージがなかったので、日本との違いってあるのかなと考えてみました。

あるとき美術館で絵画をみていたときに、なんとなく思いついたのですが、日本の昔の絵画・浮世絵って影あんまりなかったんですよね。

絵が表面的というか、二次元的な表現が多いなと思っていて、海外の同年代の絵をみてみると、影がきっちり書いてあって三次元的な表現だなと感じました。

キリストが描かれているような宗教画でも影があり、立体感がある絵が多く、日本の絵とは対照的だなと思います。

そういう昔からのルーツがどこか残っていて、今の絵作りにも影響が出ているのかなと考えてみました。(ほぼ妄想)

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影を意識して変わったこと

撮影するときに影を意識して変わったことは、よりリアルに表現できると思えたことです。

前までは光をどう回すか、全体的に明るくするにはどうしたら良いかを考えていましたが、影の出る場所をどこにすれば良いかと考えるようになり、写真の雰囲気自体が大きく変わったと思います。

写真の好みがあるので、光が回っている写真が好きな方もいれば、影がある写真が好きな方もいますのでどちらが正解ということはないです。

*自分は影がある写真が好きというだけです。笑

影のある写真のほうが、人の目でみたときに近いと思っているので、そういう表現のほうがリアルに感じられて伝わるものが増えるのではないかなと考えています。

見えない部分は見えない。暗い部分は暗いまま。

そこを明るくしたり見せる必要はないかなと。

自然には太陽というたった一つの光源しかないので、2つも3つも光源を作って撮る方が不自然じゃないですか?(人物に限る)

化粧品や料理などの広告写真では求められていることが違うので、光源を多く作る必要性が出てきますが、人物に限っては「光源は太陽の1つ」をベースに考えています。

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影を意識すると光の使い方が上手くなる

あくまで個人的に感じたことですが、影を意識してからのほうが光の使い方が上手くなったと思います。

ライティングをするときに光から考えていくと、影を消すためにはと頭が動いていたのが、影から考えていくと影を活かすにはと考えることが普通になっています。

また影の出方、活かし方がわかってくると、影のぼやかし方や消し方も理解しやすくなったと思います。

光だけで考えていたときは、全て足してから引いてという感じで「ここにこの光を足したら影が消せて、その分明るくなっているところをおさえて・・・」のような思考になっていたと思います。

今はまず光源は一つという前提で組み立ていき、そこから最低限のアプローチで影の扱いを変えています。

作られる写真は同じかもしれませんが、頭の中での理解やイメージがだいぶ簡略化されたのかなと思いました。

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影のある写真が格好良い

完全に主観的で個人的な意見ですが、影のある写真のほうが好きなんですよね。

明るい写真はかわいいなーという印象をもつ写真が多いですが、僕は格好良い写真が好きなので、影のある写真に惹かれているんだと思います。

影があると立体感、奥行きがあって、よりそのときの現場を想像できたり、モデルさんなどの被写体の表情と合わさると、どんな感情だったのか、どういう心境で撮影に臨んでいたのか無意識に考えることがあると思っています。

みなさんの好きな写真はどういう写真ですか?

いろんな写真をみてレベルアップしていきたいですし、センスを磨いていきたいので、よければ教えてください!

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