[MTG]ドラフト「サンダー・ジャンクションの無法者」総括

プレミアムドラフトで「サンダー・ジャンクションの無法者」をプレイして、ミシックランクに到達したので勝ちパターンを記事にします。皆様のドラフトの助けになれば幸いです。

環境

収録されているカードの傾向と各色の基本戦略を説明します。

収録カードの傾向

  • 土地(砂漠)が強い

  • クリーチャーのサイズが大きい

  • 各色に除去が豊富ある

  • 多色カードに強力なものが多い

  • 容易にドローができる

  • 墓地対策が少なく、墓地回収が多い

白緑「騎乗」戦略

白緑にはクリーチャータイプ「騎乗」のカードが多く、「騎乗」をシナジーにするカードがあります。コモンの「巨大ビーバー」、「手綱付きの大角」は警戒持ちで隙がありません。序盤からテンポよく騎乗クリーチャーを展開して相手に対応を迫ります。先手のブン回りがあるので人気の戦略ですが、盤面が膠着すると突破できない状況に陥るので注意が必要です。

赤緑「パワー4」戦略

赤緑にはパワー4のクリーチャーが多く、パワー分のダメージを与える除去がコモンに「鞍上からの投擲」、アンコモンに「直接射撃」の2種類あります。パワー4のクリーチャーを先に展開できると、相手のクリーチャーを一方的に除去して(ダメージ)クロックを刻むことができます。相手を完封して勝つので強い印象を持ちますが、この戦略は先手・後手の差が大きいです。

黒緑「リアニメイト」戦略

黒緑のアンコモンには強力なリアニメイトカードが「荒地の回復」、「再来」の2種類あります。墓地を追放できるカードが「未認可霊柩車」と「見覚えのある余所者、ラザーヴ」ぐらいしか無いので、邪魔されることなく戻ってきます。青黒や白黒のコントロールデッキに対して強いデッキです。

青緑「計画」戦略

青緑のアンコモンには3ドローできるカードが「自ら運を掴め」と「強奪の計画」の2種類あります。緑の質の高いクリーチャーと強力なドロー源で盤面を制圧する強力なデッキです。あとなぜか、プレインズウォーカー「オーコ」が2種類います。

白黒「サクリファイス」戦略

白黒のアンコモンにパーマネントを除去できる強力なクリーチャー「無情な法執行者」があります。このクリーチャーを使い回して相手のリソースを削っていきます。黒のコモン「哀悼者の驚き」、アンコモン「陽気な哀歌」で墓地から戻すか、白のアンコモン「養育するフェアリー」で手札に戻します。

赤白「トークン」戦略

赤白にはトークンを生み出すカードが多くあり、コモンに「トゲだらけの二人」、アンコモンに「開拓地の助言者、エルサ・ジョー」、「プロスペリティの巨頭」、「法による束縛」、「賊の創立」(以下略)。序盤のテンポで押して、後半は横に並べて押し切ります。

黒赤「無法者」戦略

黒赤の「無法者」のシナジーを活用します、アンコモンの「陽気な擲弾兵、薬瓶砕き」を2ターン目に置けた時の爆発力は凄まじいですが、3枚入れても引かないケースは多々あるので、安定性に欠けます。レア「笑う者、ジャスパー・フリント」は1枚で勝てる強力なカードです。

青黒「悪事を働く」戦略

青黒には除去とカウンター、ドローが豊富にあります。コモン「砂漠の本分」、「幻影の干渉」で相手を妨害して、アンコモン「敏捷な盗賊」、「無法のスフィンクス」でアドバンテージを稼いで勝ちます。青が不人気の為、ピックは容易です。

青白「フラッシュ」戦略

青白には自分のターンに呪文を唱えないことでシナジーを発揮するカードが多くあります。「プレーリードッグ」、「空の探検者ジェム・ライトフット」、「忌むべき者の世話人」、「峡谷の蟹」、「現われ出る心霊」、これらは全てアンコモンになります。構築できると強力なデッキですが、ピックの難易度が高く、他のカードも「瞬速」か「計画」に寄せる必要がある為、成立させるのが難しいデッキです。

青赤「2回唱える」戦略

青赤には1ターンに2回呪文を唱えることでシナジーを発揮します。コモンに「雷の斉射」、「鉄拳の粉砕者」、アンコモンに「暴力的な不協和音、クラム」などありますが、2回唱えても恩恵が小さく、これだけで勝つのは厳しいです。

4色「グッドスタッフ」戦略

マナクリーチャーと「砂漠」を軸に強力な多色カードを使うデッキです。ピックの時点で方向性が定まらずにグダグダになった場合の逃げ道です。緑のコモン「ハードブリスルの略奪者」は全色出せる優秀なマナクリーチャーです。アーティファクトの「略奪者の荷物」や「オアシスの庭師」を使うことで、緑以外を軸にすることも可能です。

ピック方針

デッキの基本形

前述の通り、各色には明確な戦略(アーキタイプ)があるドラフト環境です。1パックにレアが複数入っているケースがあるので、強力なレアカードが1〜2枚入ります。また、多色の強力なアンコモンは最低でも1枚入ります。除去は豊富にあるので、2〜3枚入ります。

タフネス5の壁

パワー4のクリーチャーが多く存在する為、これらを受け止められるタフネス5が重要になります。パワー5を超えるカードは「棘林の聖騎士」、「サボテンチュラ」、計画で出した「自由放浪団の孟子」がコモンにあるぐらいです。環境最大の「棘林のアルマジロ」でも7/7の為、2体ブロックすると1-1交換で止まります。

砂漠はレアより貴重

この環境で非常に重要なのが「砂漠」土地です。「砂漠」が入っていないパックがある為、レアよりも貴重です。デッキの軸となる2色の「砂漠」は色事故防止のために1枚は必要です。さらに、タッチで1色足す場合はタッチ色を含む「砂漠」が2枚欲しいです。「諜報」付きでアンタップインする「導路の塔門」はシンプルに強いので1枚ピックしたいです。「蜃気楼の台地」は弱いので、他の「砂漠」をピックできなかった場合のみ、ピックします。

勝ちパターンの戦略

テンポよく良質なクリーチャーを展開するデッキは先手の場合は強力ですが、後手では厳しい戦いになります。また、テンポを重視すると2マナ域のクリーチャーが多くなり、後半に引いて腐る可能性が高くなります。

テンポを重視した緑デッキは先手・後手の影響を強く受ける為、勝率を安定させるには、ロングゲームに持ち込む必要があります。デッキはロングゲームに強い構成を目指します。

  • 1〜2マナ:クリーチャー4枚、妨害スペル3枚

  • 3マナ:クリーチャー4枚、妨害スペル2枚

  • 4マナ以上:クリーチャー6枚

  • ドロー、マナサポートなど、3枚

序盤は除去やカウンターの妨害スペルで相手の動きを制限して、中盤以降は強力なクリーチャーで盤面を制圧して勝ちを目指します。

不人気の青を使うことで勝率を高めることができると考えています。
青にも強力なレアは存在しますが、隣から回ってくる可能性が高く、デッキの完成度が上がるチャンスがあります。

特に、青系で勝率の良かったデッキには、「三歩先」が入っていたのが印象的です。

三歩先 (青)
放題
+(1)(青) ― 呪文1つを対象とする。それを打ち消す。
+(3) ― あなたがコントロールしていてアーティファクトやクリーチャーである1つを対象とする。それのコピーであるトークン1つを生成する。
+(2) ― カード2枚を引く。その後、カード1枚を捨てる。

序盤はカウンター、中盤はカウンターとドロー、終盤はクリーチャーのコピーとドロー、どのタイミングでも強力なカードです。1パック目で「三歩先」を見かけたら、初手ピックで青系に入って良いと思います。

ロングゲームに強い構成にできなかった場合(強力なレアが取れなかったケースなど)は、テンポ重視の戦略を目指すしかありません。各アーキタイプのシナジーを活用して、相手の強力なレアが出てくる前に勝負を決めます。

青黒デッキの場合、除去多めで、「俊敏な盗賊」や「不吉な前兆の鴉」など悪事の効果でアドバンテージを稼いでいきます。

ピック狙い目カード

ドラフト卓のピックで中盤以降でもピック可能なカードの中で重要なものを紹介します。

アンコモン

溶岩拍車のブーツ (1)
装備しているクリーチャーは+1/+0の修正を受け、速攻と護法(1)を持つ。
装備(1)

主に赤緑で使います。速攻を付与できるので、2枚目の「百発百中のカクタスフォーク」として機能します。また、+1/+0の修正が入るので、「逆毛群の歩哨」に装備すると攻撃できるようになります。

護衛の制圧 (2)(黒)
対戦相手1人を対象とする。ターン終了時まで、そのプレイヤーがコントロールしているすべてのクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。諜報2を行う。

主に青黒で使います。1/1の傭兵トークン対策に1枚入れておくと助かります。最低限、悪事の誘発と諜報2、ダメージ軽減の効果があるので腐りません。

コモン

装甲アルマジロ (白)
護法(1)
(3)(白):ターン終了時まで、装甲アルマジロは+X/+0の修整を受ける。Xは、これのタフネスに等しい。

天まで届け (3)(緑)
瞬速
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+3/+2の修整を受け到達を持つ。
天まで届けが戦場から墓地に置かれたとき、カード1枚を引く。

白緑で、「装甲アルマジロ」に「天まで届け」をエンチャントすると、素のサイズが3/6の優秀な壁となり、能力を起動すると9/6の強烈アタッカーになります。

駅馬車の警備兵 (4)(白)
駅馬車の警備兵が戦場に出たとき、ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受け警戒を得る。
計画(3)(白)

タフネス5の重要なクリーチャーですが、安価に回ってきます。計画すれば、「盾、構え」で守ることもできます。

侵略の大梟 (青)
飛行
侵略の大梟が戦場に出たとき、パーマネント1つを対象とする。それをタップする。
(2)(青):カード1枚を引く。その後、カード1枚を捨てる。

盤面に出た時に「悪事を働き」ます。なによりもルーティング能力が優秀でロングゲームになった際に、土地を捨てて有効配を探しに行けます。

凍止 (3)(青)
瞬速
エンチャント(アーティファクトやクリーチャー)
凍止が戦場に出たとき、エンチャントしているパーマネントをタップする。
エンチャントしているパーマネントはすべての能力を失い、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

エンチャントされたクリーチャーは能力を失うので、ほぼ除去ですが、青が不人気のせいか安価に回ってきます。マナコストが重いので採用するのは1枚です。

無双の縄名人 (4)(青)
無双の縄名人が戦場に出たとき、タップ状態のクリーチャー最大1体を対象とする。それをオーナーの手札に戻す。

タフネス4ですが、先手・後手を入れ替える重要なクリーチャーです。青いデッキには必ず1枚入れるようにしています。

待ち伏せる千足虫 (4)(黒)(黒)
瞬速
待ち伏せる千足虫が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-2/-2の修整を受ける。

黒にはタフネス5の壁が居ないので、チャンプブロックで1-2交換を狙って出します。マナコストが重いので採用は1枚です。

鉄拳の粉砕者 (4)(赤)
到達
あなたが各ターン内のあなたの2つ目の呪文を唱えるたび、対戦相手1人を対象とする。鉄拳の粉砕者はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。占術1を行う。

赤のタフネス5の壁です。2点ダメージと占術1のおまけ付きで、青赤以外の赤いデッキにも採用できます。

タンブルウィードの増大 (1)(緑)
緑のX/Xのエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークン1体を生成する。Xは、あなたがコントロールしているクリーチャーのパワーの中の最大値に等しい。
計画(2)(緑)

緑系デッキでは、2マナで4/4 や 5/5が容易に出せます。計画で見せておくと、相手に除去を構えることを強制できます。

足首噛み (緑)
接死

1ターン目に置いてパワーダメージを構えると、先手・後手を入れ替えできます。終盤も相手の巨大クリーチャーの足を止められる可能性があります。

オアシスの庭師 (3)
オアシスの庭師が戦場に出たとき、あなたは2点のライフを得る。
(T):好きな色1色のマナ1点を加える。

カードパワーは低いですが、砂漠が十分に確保できなかった場合に入れます。2点のライフゲインが沁みる場合もあります。

青黒デッキのコツ

対戦中に気を付ける点がいくつかあります。

除去は回避されないタイミングで撃つ

この環境は除去が豊富にある為、対策として「盾、構え」、「蛇皮のヴェール」、「死の偽装」が採用されています。除去を回避されると、そのまま押し切られて負ける可能性が高いので、欲張らずに自分のターンのメインで除去を撃つべきです。

「幻影の干渉」はすぐに使う

2マナ要求では、持っていることがバレると簡単に回避されてしまいます。また、構えていても計画でターンをズラされます。打てるタイミングがあれば、対象は何でも良いので打つべきです。

「逃走のまやかし」の破壊は「変異破」で避けられる

自分のクリーチャーを0/1にすることで、破壊されずに済みます。

まとめ

この記事で私が伝えたかった内容を3行でまとめます。

  • 「青いカード」を活用しよう

  • 腰を据えてロングゲームで挑もう

  • 砂漠はレアよりも貴重、優先してピックしよう

楽しいドラフトの一助になれば幸いです。


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