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GHT2024 (13日目~15日目) グンサ~カンバチェン~ロナク

 グンサ村の宿で快適に過ごして英気を養った我々は、グンサ川の流れに沿って上流に向かい、氷河が削った広々としたU字谷の中、白い高峰と足元の高山植物を眺めながらトレッキングを楽しみます。

Great Himalaya Trail(https://www.greathimalayatrail.com/)から引用し、加筆した。

13日目 10月2日 グンサ~カンバチェン(4145m)

Ghunsa(0757)-Labuk(3797m)昼食(1140-1200)-Kangbachen(1445) 曇り時々小雨

グンサ村の入り口にある大きなマニ車とメンダン
シャクナゲの林の中を行く
パドマサンバヴァを祀った祠
土砂崩れで途切れた道
リンブー族の人たちがクンバカルナにお参りに行く際に泊まるという岩小屋
昼食をとっていたら突然アーミーの兵士が大勢下って来た
ヤクはここでも輸送力として重要だ
前方に右側から合流するクンバカルナ氷河のエンドモレーンが見えて来た
エンドモレーンを登る
立派な吊り橋で本流を渡る
ヌプチュ川との合流部にカンバチェンがある
カンバチェンの宿

 夜中は星が見えたが朝は曇り。すぐには雨が降りそうもないため出発する。
 ここから上もロッジがあるので、テントや炊事用具などはグンサに置き、それらを運ぶための人員もここで待たせることにして、ここまで荷物を運んでくれたポーターは別の2人に入れ替わり、我々6人とガイド2人、サポート役としてキッチンボーイのカイラが同行してくれることになった。
 ゆっくりとグンサの村を抜ける。傾きかけた家からぼさぼさの髪の毛をした女性が顔をのぞかせたりして、村の外れの方は昔ながらの生活をしている人も多いようだ。先頭を歩くハクパは知り合いの家に寄ったり、すれ違う人と立ち話をしてなかなか進まないので追い越して先に行く。村の出口には大きなマニ車を伴ったメンダンが続いていた。
 村を抜けるとシャクナゲの森が広がる。春先はきっと花が綺麗に違いない。間もなくルンタが張られた祠があり、パドマサンバヴァが祀られているとニマが教えてくれた。シャプチェンという地名とのこと。
 グンサ川の左岸沿いに延びる道を進む。大雨で崩れた箇所は高巻きを強いられる。真新しい土砂崩れの所はまだ安定していないので気を遣う。
 今日は途中に茶店が無いというので、エッグサンドチャパティがお弁当だ。ラブクという場所にある無人の茶店前で食事をしていると、突然迷彩服を着た大勢の兵士が降りて来た。上の方で訓練をしていたという。その後も次々とすれ違ったのでかなりの大部隊のようだ。
 標高3900mくらいから樹木の高さが低くなり、左岸から合流するジャヌー氷河のエンドモレーンを巻くように登る。途中で雨が降って来たので雨具を着る。巻き終わった後、グンサ川に架かる立派なつり橋を渡ると間もなくカンバチェンに到着だ。カンバチェンは右岸から合流するヌプチュ川との出合に位置し、数軒のロッジとカルカがある。サンライズゲストハウスに宿をとる。
 ここの宿の部屋はコテージ風になっていて快適だ。宿の前はキャンプサイトになっていてるが、今は誰もテントを張っておらず、ヤクやヤギがやって来て賑やかだ。若い夫婦が切り盛りしていて、3歳の女の子が愛くるしい。宿とヤクの放牧で生計を立てているようだ。

14日目 10月3日 カンバチェン 休養停滞

小雨のち曇り
 深夜に強い雨が降り、朝から霧雨が降っていたため、今日の行動は見合わせて停滞とする。結果的に雨は降らなかったが良い休養日となった。近くの尾根の上にあるスノーレオパードリサーチセンターを見学する者、宿の周辺でゆっくりする者など、それぞれの休日を楽しむ。
 手持ちの日数と今後の行程を考慮して、スケジュールを以下のように確認した。10月9日にグンサからナンゴ・ラに向けて出発できなければ、カンチェンジュンガエリアのみ歩く3人はグンサから直接セカトゥムに降りる。マカルー方面に行く3人は、遅くとも10月12日にグンサからナンゴ・ラに向けて出発する。グンサより上流で過ごす期間は10月11日をリミットとする。

15日目 10月4日 カンバチェン~ラムタン昼食(4596m)~ロナク(4792m)

Kangbachen(0758)-Ramtang昼食(1205-1340)-Lonak(1545) 晴れのち曇り

ようやくジャヌー(クンバカルナ 7711m )を見ることができた
ヌプチュ川上流部の山にも朝陽が当たる
気持ちの良い谷の中を行く
広い河原を行く
ヤクの群に抜かれる
落石に注意しながら崩壊地の下を行く
氷河の融け水が迫力ある滝となって流れ込む
ラムタンのバッティで昼食 雨が降って来た
先日の悪天時に降った雪が残っている
雪道を辿ってロナクに到着

 「ジャヌー!」のニマの声で部屋を飛び出す。晴れ渡った空の下、ようやくジャヌーを眺めることができた。地元のリンブー族の人たちがクンバカルナと呼ぶ霊峰に相応しいどっしりした存在感に圧倒される。
 カンバチェンからはグンサ川の右岸沿いの道を辿り徐々に高度を上げる。正面に見える白い山が青空に映えて美しい。道沿いに高山植物が咲き乱れ、陽光を浴びながら気持ちの良いトレッキングだ。その後は巨大な崩壊地があり、落石に気をつけながらその下を行く。
 地図にSisimaと書かれた辺りで右岸から大きな滝が落ちて来ており、ミスト状のしぶきを浴びながらしばし休憩する。その先に崩壊地があり、浮石だらけの中の登りに気を遣う。
 ラムタンは草原状の場所でバッティが2軒並んでいる。昼食をとっている間に雨が降り出し、雨具を着て出発する。霧の中カンバチェン氷河のアブレーションバレーを進む。谷が北東から東に向きを変え、北からロナク氷河からの流れが合流した先の広々とした場所がロナクで、宿が3軒建っている。生憎のガスで周囲の景色は見えないが、晴れたらきっと綺麗に違いない。8年前にニマが訪れた時は、昔ながらの粗末な宿しかなかったとのことで、ここも新築ラッシュのようだ。

詳細報告書は下記からダウンロードできますので、よかったらどうぞ。
GHT2024 報告書ダウンロード


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