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市川市との包括協定を締結した理由

2024年8月29日 千葉県市川市とブリオベッカ浦安は包括協定書に署名締結をしました。

浦安市でクラブが発祥し、今年で35年目となります。浦安市と包括協定を締結したのは2020年のこと。

2020年 浦安市、浦安市サッカー協会、ブリオベッカ浦安、バルドラール浦安 4者協定

実際は関東サッカーリーグに昇格をしてからは事実上浦安市をホームタウンとして活動をしてきました。2015年に現在のブリオベッカ浦安競技場(当時は運動公園陸上競技場)がオープンし、主に関東サッカーリーグのホームゲームとして利用をさせていただいていました。
そのまま浦安市だけをホームタウンとして活動することも選択肢としてありますが、今何故市川市と包括協定を締結したのか、について解説しようと思います。


J3クラブライセンスの指摘事項

ご存知の方も多いと思いますが、ブリオベッカ浦安がJリーグを目指すにはまだいくつかの課題が存在しています。J3クラブライセンスの交付を行なっている担当の方と何度かディスカッションを重ねていますが、主に指摘されているのは次の3つです。(もちろんそれ位以外にも細かい指摘事項はあります)
1)財務の健全性
2)株主構成
3)ホームタウンのスタジアム
これがどう市川市と関係するのか、については後ほど説明します。

チームの市川市関係者人数

ブリオベッカ浦安でサッカーを楽しんでいる(あるいは仕事として関わっている)人の合計人数は700名を超えています。
そのうち育成(アカデミーやスクール)活動として高校生以下は630名(2023年末時点)です。残りはトップ選手、シニア(男女)、スタッフです。
さてこのうち市川市民は何名いるでしょう?

詳細な住所まで確認はしていませんが、市川市民の人数は330名は確実に超えています。(浦安市民は350名ほど)
その主な構成は市川市妙典駅の近くで行なっているスクールに270名、浦安のアカデミーに通っている高校生以下が30−40名。他にスタッフが数名。シニアも10名以上いそうです。
つまりブリオベッカ浦安ではすでに市川市民は半分近くいらっしゃることになります。

以上が背景となります。

締結の流れ

さてここからは具体的な今年のプロセスについてのお話です。詳細は書きませんが、オフィシャルなご紹介があり、市川市の田中市長との面談が実現したのが2024年3月でした。その時は都並監督と私で表敬訪問という形で1時間ほどのお時間を頂戴しました。
実は田中市長はサッカー選手だったのです。
プロフィールにも書かれていますが、立教高校サッカー部のGKとして埼玉県選抜にも選ばれていらっしゃいます。つまりサッカー大好きな市長です。
県議会議員を経て1993年に衆議院議員を3期務められています。
そして日韓ワールドカップ前に開催された日韓国会議員対抗親善試合に出場されています。
更に元日本代表チームの都並と国会議員サッカーチームの田中市長と同じピッチで試合をされていたこともこの訪問で判明しました。
冒頭の20分ほどはそんな昔ばなしに花が咲き、聞いている私もすごく楽しい時間でした。
その後、我々が浦安市で行なっている地域活動についてご説明を差し上げ、同じように市川市でも活動をさせていただきたいことをお伝えしました。

4月には改めて田中市長と面談の時間を頂戴し、そこではブリオベッカはJリーグを目指していきたいことをお伝えしました。そして田中市長の基本政策にも書いてあるのですが、「プロスポーツを誘致!子どもたちに夢をあたえ、まちに賑わい作り!」とのことで包括協定について担当部門(スポーツ部)と協議することが決まりました。

スポーツ部と何度かの折衝の結果、7月には概要が決まり田中市長の承認の基に協定書の文面が合意され8月29日を迎えました。(なお一連の流れと内容は浦安市には適宜報告をしながら進めてまいりました)

市川市の理由

さて市川市としてはどうしてブリオベッカ浦安と協定を結んだのでしょうか?
それは市長の政策にある「子どもたちに夢をあたえ、まちに賑わい作り!」にあります。浦安市ではこれまで70回以上の地域貢献活動を行なってきました。今年度は更に加速して100回を超えるのではないかと思います。
その主な活動は子どもたちとサッカーを通じてふれあい、笑顔を作ること。地域のイベントや、浦安市やサッカー協会、商工会議所、JCの活動に参加することです。
その活動を市川市に広げ、市川の子供達や市民の皆様に笑顔をお届けし、「賑わい」を演出することになるのです。
市川市ではこれまでサッカーでのこのような活動はあまりなかったのかもしれませんが、これからはブリオベッカの選手やスタッフがこの役割を担います。
更に「プロスポーツの誘致」の部分ですが、田中市長は市川市にJリーグを誕生させたいという思いをお持ちです。2023年度にJFL2位となったブリオベッカ浦安はその夢を実現する最も近いチームなのではないでしょうか。

ブリオベッカの理由

一番の理由は、すでにクラブの半数近くが市川市民で構成されていることです。「浦安」とだけチーム名についていると市川での市民活動も少し抵抗がありました。チームは市民に愛されてこそ存在できます。浦安市民に愛され、市川市民に愛され、そんなチームを目指したい。

さてJリーグを目指そうと思っているブリオベッカ側の理由もあります。まず協定書には市川市がホームタウンとなることが明記されています。(内容はここでは触れませんが、これについては調印式の場で発表されていますので周知のことです)
その結果、市川市(もちろん浦安に加え)あるいは浦安と市川の両方が連想される地域名をチーム名称に加えることになります。
一つの例はジェフユナイテッド市原・千葉という名称ですね。名称については12月までに決めて発表する予定です。

そこで冒頭のJ3ライセンスの話に戻ります。
1)財務についてですが、今のブリオベッカ浦安の予算の3倍ほどの売り上げが必要になります。その多くはスポンサー収入となります。ブリオベッカ「浦安」では浦安の多くの企業様に協賛をしていただいています。もちろん近隣の市川市行徳地区(京葉線と東西線で浦安から直接行ける市川の地域)や東京都の企業様もいらっしゃいます。
今年150社ほどを目指しているスポンサー様の数を200、300と増やしていく必要があるのです。これは以前にJ3に昇格を決めたJFLのとあるチームに教えてもらった話から考えていることです。
チーム名に市川市が連想される名前がつくことで、市川市の企業様の協賛を得るための活動に拍車がかかるということになります。
そして浦安市だけでなく市川市を加えることで67万人の人口構成となり、もちろん地域が大きく広がります。

3)にあるスタジアムについても可能性が広がることが想定されます。もちろん現時点では何の根拠もないことです。が、可能性という面での夢が広がります。

更にJ3昇格条件に1試合平均2000名の集客という項目があるのはご存知かもしれません。67万人の市民がいる地域でブリオベッカの名前を売る活動、つまりこれが地域貢献活動になるのですが、これにより集客数が増える可能性はグンと上がります。

Jリーグを目指すとオフィシャルに発言

8月29日の調印式では私は初めてオフィシャルの場で「Jリーグを目指します!」と宣言をしました。千葉日報の新聞記事にも載りました。
意外かもしれませんが、これまで一度もJリーグを目指すと発表したことはありません。あえて「プロチームを目指す」という言い方をしていました。まだ選手の多くはアマチュアなので(プロ契約がない)完全なプロチームとは言い難いですが、Jリーグを目指す、を連想はされていたと思います。

日本には多くのアマチュアサッカーチームが「Jリーグを目指す」と言っており、HPなどにも掲載されています。しかしブリオベッカ浦安はどこにも載せていなかったはずです。理由は単純です。「簡単ではないから」。
JFL2位のブリオベッカが言っているので説得力ありませんか?JFL2位になってもJリーグ目指す宣言を昨年はしていません。
県1部リーグから関東リーグに参入するのは簡単ではなく7年かかりました。JFLに昇格するのに4年。しかし降格して再昇格に6年。更にJ3クラブライセンス担当者の指摘の通り、簡単ではありません。その厳しさを一番知っているのがブリオベッカ浦安ではないでしょうか?だからこれまで言ってきませんでした。個人的に夢を語ることはありましたが、この困難を知るが故に公には言えなかったのです。

だから改めて書きますが、初めて宣言したのです。これは事前の経営会議でも討議されて決まっていた発言でした。
浦安市と市川市の2市がホームタウンとなることで、この可能性が高まったと思いますし、むしろそう宣言をすることで周りの注目も得られると思います。
スポンサー営業の場でも「この街でJリーグを目指しています」ときっぱりと言い切って説明も出来ます。(これまでは言っていません)
まだ解決されていない課題があることも事実です。しかし「夢」から脱却し、Jリーグ昇格の宣言をし、これを目標とすることで必ず何らかのムーブメントにつながるはずだ、と思います。
JFLでJ3ライセンスを取得したチームは複数ありますが、彼らもこれらの困難を乗り越えてライセンスを取得したのです。素晴らしい、見習うべき先駆者がいることもJFLに我々がいる価値だと思います。

最後に市川市の公式youtubeを載せます。

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