幻の東京ドーム公演3曲目

あの夏から一番遠い場所

2020年5月31日、25周年の締めくくりライブとして、5年振りの東京ドーム公演に行く予定だった。東京ドーム公演自体が5年振りだったことに加え、その2ヶ月後に控えた大仕事に向けて、気合いを注入してもらおうと、心待ちにしていた。
それが、4月上旬に中止が決定。当時は、中止以外の判断はあり得なかったが、それでもその公演に並々ならぬ思いがあったら、2日くらい相当に落ち込んだ。

5月31日当日、過去のライブ映像やMVを流しながら、予定されていたセットリストを聴こうという企画がオンライン上で行われ、まさに3曲目が「あの夏から一番遠い場所」だった。
ライブの中止を受け入れられなかった以上に、生で聴ける機会が失われてしまった事実に、再度落ち込んだ。
ライブに一緒に行く予定だった相方とSNSをしていたのだが、イントロを聴いた瞬間に互いに悶絶した。
それから3年ほど経つが、まだライブで聴けていない。
何を隠そう、聴きたくて聴きたくて、聴きたくて焦がれているのに、今までライブで聴いたことがない。

思い入れが強すぎると聴けないものか。
アンケートにも毎回聴きたい曲リストに挙げているが、2020年の東京ドームを逃してから巡り会えていない。

以前、いつでも泣ける楽曲として、「さくらびと」の記事を書いたが、その次に泣ける曲が、この楽曲。

https://note.com/kyuvon_expo2004/n/n1b5d76cf5291


音楽が生み出す映像はある意味残酷で、一瞬で刻まれた映像が再生されるため、イントロを聴くだけで、パブロフの犬が如く、鼻の奥がツーンとしてくる。
この楽曲の映像は、この曲が収録された『THE FRUSTRATED』がリリースされた2004年の3月の出来事。
その時の状況とか、感情とか、それがなぜだろう…。表現したいと思うには、あまにも的確な言葉で歌われているもんだから、どうしても鮮明な映像になってしまう。今から20年ほど前のことなのに。それこそ理想と現実の間で揺れているような多感な時期でのことだからこそ、繊細で生々しい。

残酷だとは言ったものの、今もまだ、あの頃と同じような鮮度で思い出せるのは、この楽曲のおかげとも言える。

でも20年も前のことをこれかけ鮮明に思い出せるのも、なんだか未練がましいようで恥ずかしさがあることも事実。
ライブで聴いて、ひとしきり泣いたら、その出来事もちゃんと昇華できるような気がする。

まだ幻の3曲目のままだから、GLAYさん、そろそろ現実にしてください。


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