抑揚も起伏も少ないけれど、心は動かされる
WHY DON'T WE MAKE YOU HAPPY
もし、自身が天寿を全うすることができて、走馬灯のように人生を振り返れることができるならば、この楽曲をBGMにこれまでの人生のハイライトを見たい。起伏がない分、一つ一つの音がどんなふうに鳴っているのかを耳が拾いやすくて、込み入った難しさもなく、ゆったりとした気分で聴ける楽曲。間奏の管楽器のフレーズは、休日に縁側で日向ぼっこをしながら、みたらし団子とほうじ茶を味わいたくなるような陽だまり感がたっぷり。いや、日本家屋の縁側というよりも、小洒落たテラス席での道を挟んだ先にある公園をどこともなく眺めている感じか。忙しなさから解放された空間で、心を鎮めながら楽しみたい。
カップリングかつ、そのカップリングも3曲あるうちの1曲だったりするから、そこまで注目されるような楽曲ではない。正直なところ。だからと言って、「ライブで聴きたい楽曲ワースト1位」の称号はあまりにも不名誉ではないか。確か、1票しか入らなかったと聞いた。「好きな」ではなく「ライブで聴く」という冠になると、確かに違うかもしれない。でも、もし、これが管楽器も生演奏で聴けるとなったら、それはそれは豪華よ。贅沢よ。タンバリンはTERUの役割か。
TERUも声は、張り上げるようなことはないものの艶感がたっぷりの低音で、アルファ波やらマイナスイオンやらがムンムンと漂う地声とファルセットの間のやつ。この低音で、さらに抑揚をそこまで激しくつけない状態をキープするのは、それはそれでなかなか難儀だとは思うが、TERUのすごいところはこれらの条件全てを満たした歌をサラッと実現させるもんだから、「えっ、簡単なのかな?」とこちらが勘違いしてしまう。20年越しに初めてライブで聴いた「WHY DON'T WE MAKE YOU HAPPY」は、そこに小さな幸せがたくさん詰まっているようでなんだか泣けた。
季節は巡り 生きる意味さえ boy 失くしても
生まれた者よ 道なき道を boy 目指し給う
それでいい 答など 何もない
迷った時に聴こう。目指すのは、道なき道なのだから、見えなくたってそれでいい。正解は今決めることではない。
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