チャンネルはそのままで
STAY TUNED
リリース当時、ラジオ関係者がいたく喜んだという話を耳にしたことがある。ラジオ界でのチャンネルはそのままでの意の「STAY TUNED」をタイトルにした楽曲だもの、ラジオ関係者にとっては、テンションが上がる瞬間の一つではないだろうか。実際のイントロの饒舌語りはラジオDJによるパフォーマンスだ(ったはず)。
当時は、自分の部屋にこもっては、ラジオを聴いていたこともあり、そして、まぁ、この調子の楽曲を嫌いな人はいないよねという心地よさがスカッと広がっていくポップさは、爽やかな夏へと誘(いざな)ってくれる。夏の野外にこのイントロがガツーーーーンと響いたら、それだけでもう一夏が良い思い出になること確定の気にさせてくれる。そんな、心地よい楽曲。
そしてこのMV。2001年の夏にGLAYが2度目のEXPOを、しかも今度は3箇所4公演・北は北海道石狩から、南は北九州新門司までの日本縦断のツアー形式であることを発表し、北九州でのライブはアジアのバンドを招いてオールナイトで実施することも含めた記者会見を開き、同日には『GLOBAL COMMUNICATION』というまさにその夏にふさわしいテーマ曲とも言える楽曲の発売日に、北海道で行われたフリーライブの模様をストーリー調に映像化したもの。当時はまだ、GLAY現象の興奮が冷めやらぬ状態の中でのフリーライブと来たもんだから、街は急に騒がしくなり、ファンは一目GLAYをみようと必死になっている様子が、そこここで見ることができる。
時代を感じる映像感はもちろん、人がGLAYを求めて集まってくる様子が、たとえ一部だとしても、ファンの表情の柔らかさに、心が洗われる思いになる。何かが始まるのかな?という期待と不安が混ざり込んだ表情だったとしても、GLAYが歌い始めたら、演奏し始めたら、もう落ち着いていられない。心がざわめく。そして踊り出す。メンバーの楽しそうな表情もまた、心の元気にドライブをかける。
やっぱり夏の野外で聴きたい。できれば、ラジオDJにイントロとアウトロをきちっと締め切って欲しい。ラジオに関わる方の言う「STAY TUNED」は、界隈の人にとっては、朝起きて「おはよう」と言う感覚に近いだろうか。
さぁ、今宵も♪STAY TUNEで♪