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Surf Rider

いや、どうかしている。これは、ある意味での最上の褒め言葉として捉えてもらいたい。学生の身で、かつ片田舎で暮らし、電車で片道30分揺られた先の駅が最寄りの学校に通い、学校でなんでもないことに笑い転げ、ちょっとした贅沢といえば、最寄駅のロッテリアで買い食いして帰ることくらいの10代にとって、この感覚が最も的確だろう。今だって、理解の範疇には及ばないのだから、何にも染まっていない学生にとっては、ただただ触れたことがない世界のもので、良い悪いの判断などつきはしない。

ただ、困ったことに、中毒性がえげつないのだ。「どうかしている」のは、自分の中の常識として組み込まれていないものなので、理解するための情報を集めようとする。23年前の学生なんて、iモードくらいしか頼れるものはないし、それを使いこなせていたかというと疑問だ。ライブで配ろうとしていた名刺すら、デジタル機器が使えずに手書きで作ろうとして断念したくらいなのに。なので、もっぱら紙の辞書を引く程度。ただ、辞書を引いただけで理解をしようなんて、そうは問屋が卸さない。なんかわからない中毒性に脅かされた状態のまま、延々リピートをするしか策はないのだ。

どうにかしている世界観への理解は及ばずとも、なんか気になるところから始まった感情は好きになり、それは何年経っても変わらない。自分には理解できない世界でも惹かれるものに明確な理由など不要だ。聴いたことのない音色のものがその世界の縁取りをして、その中で既存の世界観が暴れている。新たな縁取りがあると、その中に入れられた音たちも、既存とは言いながらも新たな表情を見せ、それに驚くリスナーに妖しく笑いかけてくる。世の中に初めてHISASHI楽曲がリリースされた時も、「あれ、GLAYってこんな感じの楽曲もやるのね」という驚きを提供したが、「Surf Rider」あたりから、またそれを助長させているし、それをメンバー自身も楽しんでいるようにも思う。

HISASHIが書く詞の意味は、まるでわからないものが多いけれど、必ず毎度唸らせられるポイントがあるのがすごい。彼は真面目に悪ふざけをしているのだ。特にこの楽曲と、その次の「GIANT FAUST SUPER STAR」においては、結構悪ふざけがすぎるようにも見えるが、そこまでやるから中毒性があるのだ。HISASHIワールドに一度足を突っ込むと、なかなか抜けられないし、毒がないと体が禁断状態になる。でも、この沼にはまっているのは、心地よいのである。


イントロにカモメの声が入っているから、なかなかナチュラルに始まるのかと思った数秒後にバツンと裏切られる感じ、たまらない。

#SurfRider #GLAY #HISASHI楽曲沼 #毅然と偽善に唖然と騒然

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