マイクをにぎるボーカルの指から目が離せない
Way of Difference
特にGLAYファンでもない友人の誕生日プレゼントにこのシングルをあげた。学生の頃。逆の立場だったら、自分は嬉しい。それがたとえどんなCDだったとしても、自分の知らない世界を見せてくれる音楽ならば。自分がお金を出しては買わないけれど、いただけるのであれば、CDコレクションに加えたいと思う。・・・が、その友人はどうだっただろう。リリースしてから3ヶ月も経って、もうランキングからは姿を消している頃にもらった感情はいかがなものだったか。その友人は、タイトル曲にとどまらず、C/Wの「卒業まで、あと少し」も結構聴きこんでくれて、いい曲だと言ってくれたので、あげた分の価値くらいは誕生日プレゼントとしての役をまっとうしてくれたかなと思う(CD相手に上から目線。。。)。
それだけ、当時この楽曲の虜になっていたわけだ。
イントロなしで急にサビ始まりで、始まるかどうかの合図のようなものは、TERUのブレス。ブレス含めて、Way of Differenceなのだ。静寂の中にフッとTERUのブレスが聴こえると、それだけで心臓がキュっとなる。はぁ、TERUさん、あなたは罪な人だ。
そして、全体的にメロディ高めなのだが、サビだけではなくて、サビ以外も高い。ずっと高いのだ。それをそうじゃなく聴かせるTERUのすごさよ。そして、ちょっと掠れているような声色で、そこに色気や切なさを表現する。TERUの持つ歌声の幅広さに唸ってしまう1曲だ。
MVも心が洗われるような作品なのだが、公式にもアップされているのでぜひともTERUがマイクスタンドで歌うライブ映像を観てほしい。おそらく、撮影している人もファンが何を見たいと思っているのか本当によく理解されていて、ちゃんと見るべきポイントを押さえた編集をしてくれている。
そう、見るべきはTERUのマイクスタンドプレイ(と呼ぶ)である。声で色々表現するのは、ボーカリストなので想像はつくだろう。ただ、TERUはそこに加えて手でも感情を表現する。マイクスタンドを力強く握って自分の方に引き寄せたり、マイクスタンドを優しく撫でるようにしたり、外からスッと包み込んだり。そして、時には体を預けたりもする。その手の動きを追っているだけでも、マイクスタンドとの絡みを見ているだけでも、伝えたいことが理解できるように思う。
そして、ベース。この楽曲を語る上で、ベースは避けて通れない。また、ライブの話になるが、この曲をライブで聴くと、次の日もまだ心臓の動きに合わせて、JIROのベースがリズムを刻んでいるように感じる。それくらい体全体に染み渡るようなベース。でも、そのベースがガンガンと鳴っているわけではなくて、流れるような、メロディを奏でているようなベースで、でも力強くて、心強くて、それが切なくて。そんなベースだから、スッと楽曲の中に顔を出すと、安心感のようなものを感じる。ちゃんと基礎を守ってくれている感覚。でも、そこの守り神自身もTERUの歌声に心が踊っているようなベース。20数年前からJIROのベースはそうやってGLAYを支えている。
そして、ツインギターよ。この楽曲の間奏にあのキュイーンを入れられるのは、下手ギターだけよ。でも、そこにバンド感があって、より楽曲に広がりが出て、想像力を駆り立ててくれる。対する上手のギターは、トレモロで楽曲にそっと彩を加える。2人が逆のアプローチをしているのに、1曲にするとこんなにもまとまりが出て、そこに圧倒的なGLAYらしさが生まれる。
また、ライブの話になるが、ライブ映像を見ていたら、聴きたくなってきた。もう随分ご無沙汰だもんな。
↑特に3:20くらいのところに注目。悶える。
↑MVは全員ため息が出るほど美しい。。。