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随筆遺産発掘(一) の背景

第1号に掲載された中谷宇吉郎先生の随筆「御殿の生活」の舞台は石川県加賀市ですが、本号でご執筆いただいた亀淵迪先生(2023年にご逝去)は宇吉郎先生と同郷で、同じ小松中学校(現小松高校)のご出身です。

亀淵先生が中学在学中に宇吉郎先生が講演に来られたときの話が、「中谷先生の講演」と題して、岩波書店刊行の『図書』2000年10月 618号に掲載されています。そのような経緯もあり、第1号では、宇吉郎先生が郷里の思い出を描いたこの美しい随筆を、亀淵先生の随筆と合わせて紹介しました。

宇吉郎先生に関する業績や詳しい情報・関連イベントなどは、石川県加賀市にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」で案内されています。上の写真は館に隣接する柴山潟の風景です。この潟湖では温泉も湧き出しており、片山津温泉として知られています。これについては宇吉郎先生の弟 治宇二郎先生が書いた観光案内書『片山津温泉』という作品があります。柴山潟を舞台にした随筆には、同じく治宇二郎先生の書いた「海鳴り」という名品もあり、これは第13号で紹介しました。さらに、第12号でも宇吉郎先生の随筆「江戸時代のめんこ」を取り上げていますので、合わせてお読みください。


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